
保坂耕司です。
保坂兄弟でお届けしている伝説シリーズ「保坂兄弟列伝」新たな物語をお伝え致します。
保坂学がみた驚きの下馬での事件とも言えるお話しです。
いつも通りに夜散歩への準備を終えた保坂兄弟が驚き戸惑った。
世田谷区下馬へと歩を進めた2人。
歩道を歩く。というより住宅街を目的地も定めずに歩いていた。
お散歩とは行くあてもなく歩く。それも一つの醍醐味だと知っていた。
もともと歩くのが好きだった保坂耕司は高校生の時から目的もなく街を歩いていた。
同じ道を歩いていたとしても全く同じ風景などない。
感受性豊かな保坂学も同じだった。血は争えないという事か。
肩を並べて歩く。
同じスピードで歩く。
世田谷区の住宅街は立派な家が多く金銭的な余裕を感じさせる。
いわゆる富裕層といった感じだ。
都内は狭い土地柄のせいもあってか細い道路や道が多い印象だが、下馬付近は広い道幅が多い印象だ。
そんな高級住宅街の空気感が漂う中、保坂学は見つけてしまった。
それはとても大きな電柱だった。
本当に大きい。
耕司も言葉を失う程の大きさだった。
都内に張り巡らされている電柱を遥かに上回る高い電柱。
2人はその大きな電柱を見上げていた。
見上げた夜空と鉄柱。雲がなく澄んだ星空と重なっていた。
保坂学はそんな大きな電柱の脇をすり抜けようというのか!?
倒れてきたら民家共々ひとたまりもない。
緊張が走る。
意を決して巨大電柱の脇をすり抜けた。
他の道へ引き返すという選択肢は2人にはなかったからだ。
困難な険しい道だろうとも自分で選んだ道を進む。
やってみなければわからない事。
自分たちの人生に重ね合わせていた。
簡単に電柱脇を無事すり抜ける事ができた。
そう。やってみると怖いと思っていた事でも案外できてしまう。
恐怖心や思い込みが物事を大きくみせてしまう。
人間とは臆病な生き物だ。
Posted at 2021/10/12 15:12:34 |
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保坂兄弟列伝 | 日記