
マリアへ
マリア、今までありがとう。
出会ってから僅か4か月で、お別れになったけど、
いつまでも、マリアの事は忘れないわ…
初めて出会ったのは、梅雨真っ只中の雨の日の夜。
マリアは不安げな顔で、私を見つめていたね。
私が動く姿につられて、目がキョロキョロと可愛く動いてた。
やがて、私の後についてきた時は、うれしくて涙が出ちゃった。
小さな頃の甘噛みは、今では穴が開くほど痛くなり、
日々成長していく姿は、私には凄く羨ましかったわ。
そんなマリアとも、今日でお別れ…
私の役目は、もう終わったわ。
これからも元気で、頑張るのよ!
あなたが大好きな、チュー子より
って、ネズミのチュー子さんですか!!
ビックリさせないでよ、もう!
衝撃スクープ「チュー子さんの最後」はじまります~
おっとマリアちゃん、チュー子さんを狙ってます!
イスの上の両手に力をかけて、ジャンプをするのか?
予想は外れて、ダブルネコパンチ炸裂!!
チュー子さんを捕らえにいった~!!
手元に引き寄せ、噛みつき体勢に。
このままチュー子さんは、やられてしまうのか~
『かぷかぷ、にゃん♪』
これは、甘噛み攻撃です。まだチュー子さんは生きています!
「助けて、じたばた~」
チュー子さんの体が激しく揺れました、すると…
奇跡的にマリアの手から、脱出するチュー子さん。
「このまま、逃げるわよ!」
チュー子さんの体は、高く飛びます。
『逃がさないにゃ~』
マリアは、追撃の手を緩めません。
「チュー太さん、助けて~」
チュー子さん、愛しのチュー太に助けを求めますが…
『いただきにゃん♪』
悲しいことに、マリアに捕らえられてしまいました。
もはやチュー子さんの命は、風前の灯火です。
そのとき、奇跡が起こったのです。
『にゃんですと~!!!』
なんとチュー子さんの尻尾が、切れてしまいました。
引っ張っていた力の反動で、マリアの手が滑ります。
『何が起きたにゃ~?』
徐々にチュー子さんは、マリアの手から離れていきます。
『あれっ、どうしてあそこに尻尾があるにゃ~??』
尻尾に注目しているマリアは、逃げていくチュー子さんには気づきません。
チュー子さんは、命からがら逃げることに成功したのです。
しかし失った代償は大きく、尻尾の無くなったネズミでは、
もはやマリアの遊び相手は出来ないのです!!
「さよならマリア、あなたのことは忘れないわ…」
一枚の手紙を残し、チュー子さんはマリアの前から姿を消しました…
雨が降る日、マリアは普段より長く窓の外を見つめています。
ひょっとして、チュー子さんの帰りを待っているのかもしれません。
おしまい
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マリア | 暮らし/家族
Posted at
2010/10/31 11:22:06