<ごく稀ではありますが、ボディカバーの使用によって問題が発生したとお客さまからご報告を受けることがあります。仲林工業では、そのような事態になった際、原因を追究させていただくとともに、今後、その内容をネット上にて公開することに致しました。
公開することでさまざまなご意見や情報を頂戴できるかもしれませんし、また、仲林工業ボディカバーをご検討されている方にとっての情報や判断材料にもなり得ると判断したためです。
お客さまのお名前はもちろん、特定される場所柄やディーラー店さまの名称は伏せております>
2015年9月6日(日)、TT-9000(裏起毛)生地の専用ボディカバーを購入されたお客さまからご連絡をいただきました。
コーティングをしていない、納車されたばかりの新車S660にTT-9000(裏起毛)生地専用ボディカバーを使用されていたのですが、1週間程経過して剥がしたところ、ボンネットやリアカウル、フェンダー全体に艶がなくなり、若干白濁していたという内容でした。お客さまの申されることには、コーティング屋さまと相談し、ガラスコーティングをかけることに至ったようです。
このような事態により、お客さまはカバーの返品、そして返金を要望されました。
(お客さまに対しましては、弊社製品によりご迷惑をお掛けしてしまい、誠に申し訳ございません)
翌7日(月)に、仲林工業からお客さまへご連絡させていただきました。
ひとまず仲林工業の方でも調べてみたいので、お手元のTT-9000(裏起毛)生地のカバーの返品をお願い致しました。もちろん、返金についても了解致しました。
ただ、ご注文時に皆さまにご確認いただいています「
利用案内」の「
返品・交換・返金について」でも定めております通り、お車の状態を確認させていただくために、傷や問題の箇所を撮影したデジカメによる画像の提供をお願い致しました。
合わせて、お車を購入されたディーラー店さまとご担当者さまのご連絡先、またコーティング屋さまのご連絡先を教えていただくようお願い致しました。
仲林工業では、新車にTT-9000(裏起毛)生地の専用ボディカバーを装着して問題が発生したという報告は過去10年、1度も受けたことがありません。
またTT-9000(裏起毛)生地は、原反として何千-何万メートルもの分量を一気に加工して仕上げています。そのため、生地が通常とちがえば、その原反で作成した他の何百-何千台ものカバーでも、お車に悪影響が発生していておかしくありません。この時期、S660に対しまして、他にも3台、同じ原反の生地でボディカバーを出荷していましたが、そのお客さまからは何のご報告も頂戴しませんでした。
仲林工業の見解としましては、現段階ではボディカバーが引き金になったものの、お客さまのお車の塗装に何か問題があるのではという思いがあることをお伝えしました。
通気性のまったくないビニールシートで密封し、紙やすりのようなざらざらした生地で包んでいても、通常の塗装であれば、そこまでの影響は出ないくらいのレベルに思えたからです。
翌8日(火)にお客さまよりディーラー店さまとコーティング屋さまのご連絡先をお伝えいただきました。また、問題の起こっている車両のお写真も頂戴したのですが、写真では詳細がわからない状態でした。
同時にお客さまからご連絡を頂戴し、コーティング屋さまから「塗装の状態が非常に悪い」と知らされたことをお聞きしました。
仲林工業からもコーティング屋さまへ直接連絡し、お車の外装塗装の状態を詳しくお聞かせいただきました。そこで申されたのは、「塗装を磨いたらきれいになった」「塗装の磨き残しがあった可能性もある」ということでした。
仲林工業としましても、TT-9000(裏起毛)生地でここまでの悪影響が発生するのは、塗装面が非常に柔らかくなっていたのではと考えました。
その後、ディーラー店さまへお問い合わせさせていただきました。
お客さまのS660のカラーはソリッドの黄色で、もしかすると他のカラーとちがい特殊な塗装材、コーティングになっている可能性のあることをお尋ねしました。塗装の内容・工程に関しては、どのカラーでも等しいというお返事でした。お客さまのS660の製造過程についてもっとお聞きしたかったのですが、ディーラー店さまの言うことには、「店は販売する立場であり、車の製造過程まで関知はしていない」ということで、本田技研工業さまのお客さまセンターのお電話番号をお知らせいただくところで終わりました。
(コーティング屋さま、ディーラー店さま、調査のために貴重なお時間をくださいまして、誠にありがとうございました)
仲林工業としましては、これ以上、お店さまにご迷惑をお掛けすることもできず、ひとまず調査は中断することにしました。
判明したのは、コーティング屋さまが申された、「塗装の状態が非常に悪い」「塗装の磨き残しがあった可能性がある」ということでした。
この内容についてお客さまとお電話でお話しさせていただきました。お客さまとしては、ただ販売するだけで製造工程について調査をしようとしないディーラー店さまの対応に納得されなかったようでした。
後日、ディーラーの担当さまと同伴でコーティング屋さまにて車両の確認を行ってもらったと聞きました。
コーティングは問題なくきれいに仕上がったと聞きまして、弊社も安心致しました。
ただ、その作業の過程で、わずかですが黄色の塗料が出たようです。
お客さまの推測によると、何らかの理由により塗装が乾燥、硬化不足で、高い湿度が塗装表面に作用した可能性があるのでは、とのことでした。
今後、ディーラー店さまよりメーカーへ検証を依頼するそうです。
またお客さまからカバーが原因である可能性が低いため、返品は行わないとお伝えいただきました。カバーが必要な状況であり、引き続きお使いいただけるとのことでした。
明確な原因、理由は現在もはっきりしていませんが、以上が今回の一連の内容となります。
何か新たな情報がわかりましたら、ここで追記させていただきます。
お客さまはじめ、コーティング屋さま、ディーラー店さま、この度はご迷惑をお掛けし、申し訳ございませんでした。またお客さま、トラブルがあったにせよ、カバーを継続してお使いいただけるとのこと、誠にありがとうございます。何かございましたら、どうぞ弊社までお尋ねください。ありがとうございました。
2015年10月23日追記
別のお客さまから情報を頂戴しました。お客さまご本人曰く、あくまで推論と断りを入れてくださっているのですが、ここに記させていただきます。
最近の黄色のボディは塗装が退色防止の為に多層クリア塗装(下地、黄色、クリア塗装の黄色、クリア塗装)になっているとのことです。
また、同お客さまですが、受注生産のお車を所持されており、仲林工業のTT-9000(裏起毛)生地により、今回と同じような白濁、またガラスコーティングのダマが発生されたとのことです。
もっとも、お客さまの場合、ガラスコーティング施工から2ヶ月目のカバー使用になります。いわば仲林工業の注意書きに反したご使用をされていたとのことですが、提供いただきました情報として、その状況を記させていただきます。
雨上がりの炎天下の次の日にボディが白濁、一部ガラスコーティングのダマが発生。蒸れにより、コーティングが溶けかかり、触るとべたつく感触だったそうです。
発見後、高圧洗車機でまんべんなく水をかけ、洗車用マイクロファイバークロスで何度も拭き、クロスを絞りながら拭きあげることを繰り返したところ、徐々に白みがなくなっていったとのこと。
お客さまは「ボディの塗料やコーティングが乾燥不足だと起こるアクシデントでは」と申されておりましたが、このご意見には弊社も同意です。
お客さま、情報提供を誠にありがとうございました。