<ごく稀ではありますが、ボディカバーの使用によって問題が発生したとお客さまからご報告を受けることがあります。仲林工業では、そのような事態になった際、原因を追究させていただくとともに、今後、その内容をネット上にて公開することに致しました。
公開することでさまざまなご意見や情報を頂戴できるかもしれませんし、また、仲林工業ボディカバーをご検討されている方にとっての情報や判断材料にもなり得ると判断したためです。
お客さまのお名前はもちろん、特定される場所柄やディーラー店さまの名称は伏せております>
このカテゴリーの記事を記すのはおよそ2年ぶりになります。掲載を開始してから同じ問題の発生は減っていて、問題の公開、掲載に効果があることを実感しています。
今回は、まったく同じ形状・サイズのカバーを再作成させていただいたのに、お客さまが「サイズが小さい」「丈が短い」と思われることについてです。
2014年6月6日注文のお客さまですが、2019年5月22日にまったく同じものをと再注文くださいました。
2014年当時の指図書は管理しており、同じ形状・サイズで作成のうえお届けさせていただきました。ところが翌月、お客さまから「丈が短い。特にリアのホイールが覗いているので、ウィングなしのサイズで作成していませんか?」というご指摘を頂戴しました。
改めて指図書を確認してもまちがいはなかったこと、また最初に購入いただいたカバーは使用年数が5年も経っているので(平均耐久年数の倍です)、全体的に車体になじみ、生地も伸びている可能性があることを説明させていただきました。
実は、このようなことは以前からなんどか報告されており、実際にサイトでも「
再注文だからこそ起こる問題」として掲載させていただいています。
お客さまは納得されず、「古いカバーは最初からタイヤの下までかかっていた」「新旧のカバーを送るので確認してもらってもいい」とまで申されました。
解説させていただきますと、仲林工業カバーは異なった形状のいくつかのパーツの組み合わせでできています。ジグソーパズルのようなものです。ひとつでもパーツの形状・サイズが異なれば、そもそも1台のボディカバーとして整わず、縫い上げることができません。そのため、形状・サイズをまちがえて仕上がることは、基本的にあり得ないのです。
もしちがいがあったとすれば、別車種等、そもそもの型をまちがえて仕上げた場合です。
それをお話させていただいても納得いただけませんでした。
弊社としては裁断ミスはないという思いだったのですが、あと何cm、丈の長いものが正解であったのかお尋ねしましたら、5cmか6cmかで悩まれました。
5cmか6cm、丈を長くしたものが、古いカバーと同じサイズになるというのです。
しかし、問題が発生します。
仲林工業の起毛生地の幅は、昔から約130cm。お客さまが言われるように、5、6cmカバーの丈を伸ばすと、生地の原反幅をそもそも超えてしまうのです。
お客さまに確認したところ、古いカバーのサイドに継ぎはなく、原反幅以内で作成されたことがわかりました。しかし今回、お客さまの申し出通りに作成するならば、130cm以内に収まらないのです。
この内容もお客さまにお伝えさせていただきました。
通常ここまで申しますと、お客さまも何かのまちがいかなと疑問を抱いてくださるのですが、今回はちがいました。とにかくカバーの丈が短いと主張を変えられません。
ご希望の丈で仕上げることは物理的に不可能なので、5、6cm延長すれば継ぎが出ることを伝えたところ、古いカバーは縫製ライン(縫い目)から裂けたので継ぎは作らないで仕上げてほしいとのお返事。
どうすることもできなくなってしまいました。
古いカバーと丈が短いとされる新しいカバーを送っていただき、ブログへのアップも含め、お客さまのご了承のもと、比較、検証をさせていただきました。
結果は以下です。
左が丈が短いとされるカバー、右が5年使用いただいた古いカバー。
カバー内側には該当車種のメモを鉛筆書きで行っています。
最近は、弊社にしかわからない暗号の数字と車種名だけで、簡易化されています。
それぞれ糸を解いて、パーツを展開していきます。
まずは古いカバーです。
そこに、新しいカバーを重ねてみました。
伸びも縮みもしていませんでした。
細かなパーツを見てみます。
細長いパーツがありますが、上がうしろマチ、下が前マチになります。
マチとは?
横生地と天井を走る生地の間、コーナー四隅に入っている細長い三角の生地のことです(車種形状により、四隅に入っていないものもありますが、だいたい、四隅にこのマチがあります)。もっとわかりやすく知りたい方は、
コチラの記事をご覧ください。ページ後半から、灰色の生地にて縫いつけてある部分(パーツ)のことを「マチ」と呼びます。
こちらも、サイズは同じです。
フロント部分。
ちょうど、長さ5cmの付箋があったので、わかりやすく添えて掲載していきます。
リア部分の丈。一緒です。
中央(胴部分)の丈も同じ。
ルーフ上を走る生地の幅、長さも同じでした。
自ら言うのも何ですが、5年ぶりのすべて手作業による工程を経た再作成にしてはぴったりで、どの個所にも1cm以上の誤差は見当たりませんでした。
同じサイズ・形状でお作りさせていただいても、今回のようにご連絡を頂戴することはこれまでもありました。お調べさせていただいても、結果は同じで、カバー自体の寸法にまちがいはありませんでした。
今回のお客さまも「古いカバーは最初からタイヤの下までかかっていた」と申されたのですが、上記のリンク先でも解説しています通り、人間の記憶というものは少なからず変化、改竄されてしまいます。
このようなことがあることも、ご理解いただけましたら幸いです。
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Posted at
2019/07/11 11:41:31