
改めてお話させていただきます。
前回の記事につきましては、賛否含め、非常にたくさんのご意見やコメント、お声を頂戴致しました。御礼申し上げます。
指摘くださった冒頭の方や、お客さまからのお声を聞いて、内容的にお客さまにとっては気分の良いものではないという認識はありました。そのため、「不快な気持ちを与えてしまうだろう」「やはり、不快な気持ちにさせてしまった」という危惧があり、それはいまも続いています。それだけでなく、仲林工業の今後について心配くださったお客さまもおられ、頭が下がる思いです。
前回の記事ですが、結論を言ってしまうと、「公開することが前提」でした。
記した内容に嘘・偽りはないのですが、「本当のお客さま」に結果的に皺寄せが及ぶお客さまを牽制するのが第一目的でした。
まず私の業務、環境からお話します。
諸々ありますが、現在、仲林工業はサイトからの受注(ネット通販)をメインに活動しています。サイトを経由した問い合わせや注文は、代表である私が管理し、すべて私自身が返信、処理を行っています。発送連絡等、メール関連はすべて私です。
もちろん、スタッフに任せて大丈夫な部分もあるのですが、問い合わせや注文内容には、お客さまからの技術的な質問や疑問が多くあり、確実に答えきれるのは私だけであることから、反対に時間がかかってしまうということで、現状私自身がすべてを請け負っています。
このブログのメイン記事となっております、お持込みいただいた実車からの型出し作業、記事のアップ、SNS関連もすべて私です。
スタッフたちは、完成した型をもとに、決まった形状に裁断、縫製するという流れです。繁忙期には私も現場に入ります。
これは10年以上前から変わらぬスタンスなのですが、ありがたいことに注文数(特にリピーターさま)が年々、増えてこられました。そして3年前から、特に台風が通過する時期になると注文は殺到し、納期に最大で3週間(通常の3倍)も頂戴する事態も起こりはじめました。
かねてからお伝えしておりますが、受注生産により1台ずつ裁断、縫製を行っております仲林工業製品は、いくらフル稼働しても、1日に仕上げられる量に限りがあります。
機械のメンテナンスをつねに行い、受注もコンピュータ化、無駄なルーティンは徹底的に省いていき、代表という立場から取引先とも色々とあるのですが、私自身も現場へ参加できる時間を少しでも確保できるよう改善してきました。
社内のコンディションは変更が可能です。代表である私と、スタッフがいかにスムーズに、ミスなく作業を進めていけばいいのか、話し合って実行すればいいのですから。
しかし、ひと様(お客さま)の行動は、コントロールすることができません。
注文数が増え始めてきた頃(およそ3年前ですが)、値引き交渉されるお客さまが目立ちはじめました。「以前にも購入したから」「リピート割を希望します」という感じです。
最初の頃は受注生産であること、お客さまからの要望による割引は行っていないことを逐一お伝えしておりましたが、執拗な方もおられました。
結果的に、サイトの方で、「
値引き交渉される方へ」というリンクを貼りました(
コチラです)。
リンク先にも記しておりますが、執拗な値引き交渉のため、作業時間を奪われ、他のお客さまの納期が遅れてしまう等の悪影響が出始めました。
製造業や物作りに携わった経験のある方ならわかると思うのですが、作業の途中で例え20分、奪われたとしても、実質の損害は20分ではありません。ふたたびペースに乗り始めるのにそれ以上のコストがかかりますし、集中力も削がれ、ミスを生む結果にもつながります。止めた機械をふたたび作動し、順調に作業が再開できはじめたところで、また値引き交渉が来ることもありました。
結果的にリンクの掲載に至ったわけですが、最初は「値引きは行いません」というフレーズだけでした。しかし、効果は薄かったのです。リンク先のように、「他社さまをお探しください」(私どもも、こんなこと本当は言いたくありません)このフレーズを挿れたことで、値引き交渉される方は格段に減りました。前回の記事に、具体的にひとりのお客さまを挙げましたが、それはこのときの効果を狙ってもおります。
その次に注目していたのは、迷惑電話でした。
明らかに怪しい電話であれば、スタッフの森(電話をかけてくださった方ならご存知かと思いますが、うちの電話スタッフです)も断るのですが、なかには重要そうな雰囲気を装ってかけてくる業者も増えてきました。
この度に、作業の手を止めて、呼び出され……という、同様のことが起こり始めました。
これに対しては、以前にもここで案内させていただきました通り(
コチラの記事です)、お電話による会話を録音させていただくことに至りました。すべてとは言いませんが、迷惑電話は半分以下に減りました(ガイダンスの「録音します」を聞くと、悪徳的だと自覚している業者は、すぐに通話を切るようです)。
作業時間確保のため、こちらでできることはやってきました。
しかし、注文数が増えつづけていく現状、このままいけば、いずれは注文くださるすべてのお客さまに商品を提供することができなくなってしまう。
今年になってスタッフも増員して、1日に仕上げられる数もあがるよう作業場も改装していっておりますが、(商売をされたことのある方なら当然と思われるでしょうが)倍の人員、倍の作業場を確保したとしても、倍の儲けにつながるわけではありません。
「Mede in Japan」を謳っている仲林工業カバーの生地は国内生産で、昔ほど、大量に仕入れることも難しくなってきました。
お客さまを選ばせていただく。そういうときが来たのかなとつねに感じるようになりました。
もっとも、これらの問題を打開する方法はもちろんあります。
わかりやすいのは「商品の価格を上げる」こと。それも、倍くらいにです。現在、45,000円のカバーを90,000円で販売することです。
オーダーメイドとしては、他社さまよりも比較的安価に設定している仲林工業ですが、ボディカバーとしての効果や価値も、安い(低い)わけではありません。
言い換えますと、倍にして、ちょうど他社さまのカバーと同等前後になると感じています。
ただし、倍も上がるとなると、離れるお客さまも多いです。反対に、高価ということで新規に来られるお客さまもおられるでしょう。おしなべて注文数はいまよりも減り、作業時間に余裕ができて、クレーム的な内容にもお客さまにお願いする形で公表することもなく、その都度、時間をかけて対処、自社内で解決できます。
注文はネット注文だけにする(電話注文は受けない)、リピーターさまかその紹介のお客さまからの注文しか受け付けない等、色々と他の手段も考えましたが、穴も見えてきて、実行する気にはなれませんでした。
価格を倍にする……しかし、それこそこれまで支えてくださった「本当のお客さま」への皺寄せになると思いました。
うちは慈善事業ではありませんし、儲けを重視して当たり前で、ただ表面的なきれいごとを並べるつもりもありません。でもこういう結果は、私個人的に好きではありません。
当然、価格は大事な要素ですが、お客さまには必要な価格で提供すべきと感じます。もちろん値引きもなく、頂戴する金額は頂戴しますが、必要以上には御支払いさせたくない、そういう考えです。
そんななかで辿り着いたのが、「お客さまを選ばせていただきます」という表明、他のお客さまに結果的に皺寄せが及ぶようなお客さまに関わらないでいただくための掲示でした。表明せずに社内だけに置いていては、理不尽な時間が奪われつづけ、叶いません。
しかしこの方法は、繰り返しになりますが、ご理解くださっているお客さまにこそ不快な気持ちを伝えてしまうこと、心配をかけ、お気を遣わせてしまうこと、また「気難しい会社」と思われることで、ユーザーさまからの貴重なご意見を頂戴する機会が減るかもしれないこと、この点に関しましては、私の意図するところではなく、申し訳ない気持ちがあるのは事実です。改めてお詫び申し上げます。
じじつ、前回の記事を掲載して効果がなければ、あの記事は取りやめ、皆さまに謝罪するつもりでおりました。
ただ現状、効果を感じており、作業に専念できる時間も確保できています。まだ様子見の部分もありますが、記事の掲載はつづけるつもりです。
お陰様で今年は機械もつねにフル稼働、お持込みも絶えることなく(つねに2ヵ月待ちの状態です)、作業場も埋まりっぱなしでした。
休みもほとんどない1年で、大変、ありがたく感じています。
長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
2019 12/17 11:34 追記 何人かの方から、この場では公開すべきではない、ここはそういう場所ではない、とのご意見を頂戴しているのですが、目に余る言動をされる方の大半がみんカラメンバーさまであったため、この場を借りて記している部分があります。もちろん多くは良識ある良いメンバーさまです。
フォロワー数が1000くらいまでは、特に問題なかったのですが、、、数によっても何かあるのだろうかと感じています。