からけんのブログ一覧

先日近所の鉄工所で溶接体験させてもらった。
生まれて初めての溶接。当然へたくそ。

だけど基礎学力のある僕は要領をつかむのが速い。職人さんから、
「おう、筋がいいぞ。うちに来ないか。」と言っていただいた。




頭がいいやつは医者か弁護士になる。子供のころは不動の価値観としてそれがあった。昭和30年代。町内から医者になった人が出ると住民は心の底から羨んだ。

溶接工になった人がいたとしても羨望の的になることはなかった。

労働を頭脳労働と肉体労働に分け、肉体労働を下げずむ風潮。それはいまだにどぶの悪臭の様に蔓延している。


僕はそういうでっち上げの価値観を嫌悪する。

溶接は自動化が進むが、いまだにいかに多くの知恵が注がれる作業であることか。

学んだ。工夫を続ける人たちは楽しく仕事をしていた。これは人間の本質に合致するからだ。

我々は数百万年も狩りをして生きてきた。道具を工夫し、狩りの方法を模索し、獲物を共有した。自己肯定感が発露するときだ。

この喜びの本質はモノづくりの中に生きている。こういう労働に敬意を払わない国は衰退する。栄えてはいけない。


今年一番楽しかった日になった。

現代社会におけるつまらない単純作業とか、どうでもいいことをする多くの仕事は人間をいびつにし鬱（うつ）にし狂気にする。ところが、そういった不健全な仕事のほうがかえって大きな顔をしている。

わくわく感がない仕事はいらない仕事だ。



最初は鉄板を仮止めしてもらった。それでも画像左のスタート部分はいびつだ。まだ「から」がついてる部分。


右半分はよくできたが、半自動化されているのでそのおかげだ。しかしやりながら考えない人はいつまでたっても下手だった。

この違いこそがポイントだ。溶接工と外科医に違いはない。なのに日本では不器用であっても数学ができると医者になる。僕ほどはできなかったくせに。そして称賛を受ける。これが不条理でなくしてなんだ。


どうだっ、この呑み込みの速さ。


ちょっと飛び跳ねが多かったか。



でもこんなのを作って、



さび止め。




この後、色を塗り玄関のオブジェになった。

ぼくにはよすぎる一日でした。