• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

モータージャーナリスト 町山絢香のブログ一覧

2011年12月08日 イイね!

【試乗五選・第115号】 平成の元祖ブリティッシュスポーツカー。

’92 ユーノス ロードスター 1.6スペシャルパッケージ 5速MT (29)


 1960年代は、英国製コンパクトスポーツカー全盛期で数々の名車を生み出すも、70年代にはダットサン240Zがデビューしたことで、スポーツカーでありながら豪華装備をも兼ねたコンセプトが北米市場で大好評となり、次第にスポーツカーも高級化高速化高出力化贅沢化していくうちに、ライトウエイトスポーツカーは、いつしか消えていったのです。

 そこに目をつけたのがマツダであり、当時のバブル経済に乗じてユーノスブランドを立ち上げ、その第1弾として導入されたのが、1989年にデビューしたユーノス・ロードスターだったのです。

 60年代の名車であるロータス・エランをモチーフに、当時の安全基準・排ガス基準・燃費基準を満たしながら、現代に蘇られたブリティッシュ・FRスポーツカーだったのです。

 89年当時、わたし個人にとってもインパクトが非常に強いクルマで、これまでのカタログスペック重視の日本のスポーツカー作りを根底から覆し、適度なパワーでドライビングを楽しませることを、何よりも優先させたことが衝撃的であり、同時期に数値的な速さで衝撃的だったR32スカイラインGT-R以上に支持していたくらいなのです。

 なので、わたし自身にとっても、クルマの見方をスペック重視からコンセプト重視へ、超高速化よりも適度な速さで楽しさを重視する、大きなきっかけにもなったのです。

 そして、みん友(と呼ぶのもおこがましいですが…)である伏木悦郎氏によって93年に起こした「1.8L化反対声明」は、ユーノス・ロードスター本来の姿からかけ離れる仕様変更である、と開発陣に対して抗議されたことを、未だに鮮明に記憶に残っております。

 あれから10年以上の月日が経ち、昨年1.8LのSスペシャルのオーナーになった時がありましたが、ユーノス・ロードスター本来の姿である1.6Lモデルにはまだ乗ってないことが、心に引っ掛かったままでした。


 今回、その1.6Lモデルにようやく出会って試乗記を執筆することが出来ました。

 クルマの状態としては、タイヤ・ホイール以外は基本的にノーマルのスペシャルパッケージで、発売当初からあるモデルでパワステ付の売れ筋仕様でした。

 モノコックボディでオープンであるため、ボディ剛性はどうしても低めになり、それとのバランスの意味で、正直ハードサスを入れてレーシーに仕上げようという気には、個人的にはどうしてもなれないのですが、スポーツカーであることからハードサス=スポーティという固定概念が根強く、こうした動きから1.8Lモデルを生み出し、現行NCが2L・3ナンバーで出る背景になっていることは、価値観の転換がついていってない現状で、ある程度は仕方ないかな?とも思ってます。


 確かに個別に機能評価をすれば、先月乗ったホンダS2000には完敗でしょう。ボディ剛性・エンジンパワー・内外装の質感等…。

 では、どちらがアクセル全開にしやすいか、等身大で人馬一体になれるかと言えば、それは間違いなくユーノス・ロードスターなのです。

 非現実的なスピードを貪欲に求めなければ、この1.6Lで何ら不足ないし、コンフォータブルな脚でバランスがいいし、ハンドリング特性も下手な車高調入りよりも自然でしっかりとステアリングを切れるのでクルマと対話がしやすいし、とこれぞ元祖である、と思ったものです。


 問題は、次の4代目ロードスターで歴史上初のダウンサイジングを行うとのことですが、最新のスカイアクティブ技術を導入して徹底した低燃費を誇りながら、この初代の精神に戻って絶対スペックに翻弄されない、純粋なライトウエイト・スポーツカーとして登場することを願ってます。

 今や、最高出力が高いことよりも燃費がいいことが重視されるご時勢だからこそ、大きなチャンスなのです!
Posted at 2011/12/08 19:34:05 | コメント(4) | トラックバック(0) | マツダ | クルマ
2011年12月08日 イイね!

【試乗五選・第114号】 真のでんきのちから!

 今日の五選

12・812・412・412・812・2

 今日の圏外;;

12・2


 三菱 ミニキャブMiEV モーター ハイルーフ 4シーター CD 16.0kWh 急速充電機能付 無段変速 FR (302.4) 27.32(1120kg/41馬力)


 8月初頭の本ブログにて、「でんきのちから」というタイトルで、このミニキャブMiEVのプロトタイプに試乗し、いかにも貨物車的な脚のピッチング・路面への追従の悪さに閉口したものですが、今回の市販モデルで、劇的に改良されて乗用車として乗っても遜色ない仕上がりになってたのがサプライズです。

 現状では航続距離の関係で法人向けに絞ったラインナップで、グレードも商用低グレードのCDのみと割り切ったもので、標準状態ではシートはビニールレザーで豪華さを演出するものは一切なく、今時の乗用車では見なくなった実用本位な内装に、ある意味新鮮さを感じさせるものです。^^

 ガソリンのミニキャブでは油圧式パワステなのに対し、電気の方ではiと共通のパワートレインを使った関係で電動PSになるのですが、その仕上がりは下手なガソリン車では太刀打ちできないほどの完成度を誇っており、癖のないハンドリングで毎日の配達でも安心して乗ることが出来るのは間違いないところです。(笑)

 重心の高い軽ワンボックスなのでスポーツカー並みとはいかないものの、荒れた路面での追従性が向上したしなやかな脚との組み合わせで、コーナリングでも安心して楽しめる1台である、と思ったくらいです。

 そしてモーターと駆動系が直結であるため、トランスミッションが存在しないため変速操作が不要となり、アクセル操作に対してのスピードコントロール性の高さは相変わらずで、更に回生ブレーキを匠に使うことで、内燃機関で言うエンジンブレーキの役目も十分に果たしており、パワートレインの躾は理想的といっても良いほどです。

 カタログ数値上は、最高出力が41馬力でガソリン車よりもむしろ非力なくらいですが、最大トルクが20kgf・mでガソリン車の倍以上で2L・NA並を誇り、ガソリン車比約200kg増のボディを異次元の速さで引っ張るほどのポテンシャルを秘めています。


 やれ航続距離がインフラが…と言って実用化され切れてないという意見も根強く、それはある意味御もっともな話ではあるのですが、冒頭で法人ユーザーにターゲットという話から、ルート営業など短距離を走り回るような使い方であれば、現状の航続距離でも十分に事足りる話であり、遠距離時には現行の内燃機関を使うことで、電気とそれぞれ並行して使うことで、今後電気自動車の普及は十分に果たしていける、と確信しているのです。

 今後、農業に従事する方向けにトラックにも電気自動車を導入する案もあるようですが、これも大いにやっていただきたいものです。


 そして来年2月頃には、このミニキャブMiEVをスズキにOEM供給するようですが、三菱自動車としてのプライドよりも、電気自動車の普及を促進する上で、スズキでも急速充電器を導入されることでインフラの整備を進める意味での決断、という趣旨もあるようです。


 ただ1つ難点として、スペアタイヤが荷室内に残ってしまったことで、ガソリン車では後ろ側の下回りの収納されるのですが、電気モーターが占領してしまった関係だそうですので、荷室が狭くなってしまった、という意味では今後の課題の1つですね。^^;
Posted at 2011/12/08 18:48:29 | コメント(2) | トラックバック(0) | 三菱 | クルマ

プロフィール

「メルセデスやBMWと比較するのはやめましょう──レクサス新型ESを考える
https://carview.yahoo.co.jp/news/market/20190123-10378107-carview/

これね、次期GSが計画されてない、というのが謎の答えだと思うんだけど。」
何シテル?   01/23 21:07
モータージャーナリスト 町山絢香です。よろしくお願いします。
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2011/12 >>

     1 2 3
4 5 67 8 910
11 12 1314 15 1617
18 19 2021 22 23 24
25 26 2728 29 30 31

リンク・クリップ

「俺のカー・オブ・ザ・イヤー2015」 はどのクルマ!? 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2015/12/09 06:32:24
【 ムフロンの五選 ・ 厳選6号車 ・ 2合目 】積んで積んで走って走れ!  
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2015/06/21 21:45:37
五選の途中経過 ~ ドライビングプレジャーを求めて、MTロードスターvsAGSアルト♪ ~ 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2015/06/12 00:28:36

愛車一覧

ダイハツ ミラ 和製JCW仕様(笑) (ダイハツ ミラ)
絶品のサスペンションで、下手な普通車よりもスタビリティーの高い脚に定評のL900ミラ。 ...
ダイハツ ミラ 和製JCW仕様(笑) (ダイハツ ミラ)
絶品のサスペンションで、下手な普通車よりもスタビリティーの高い脚に定評のL900ミラ。 ...
三菱 ミニキャブトラック 土屋軽市@41T (三菱 ミニキャブトラック)
 2017年6月末の、クラコンシリーズ生産終了に伴い、小型FR絶滅の危機が迫る。  そ ...
ダイハツ ムーヴ 神ってる!史上最高のムーヴ♪ (ダイハツ ムーヴ)
 WA32セフィーロワゴンに代わる、長距離用の伴侶を探してる間に、遂に出会った名車の予感 ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation