’97 ホンダ ライフ Gタイプ 3速AT (走行7.9万km)
① 成り立ち
軽自動車の排気量が660ccに拡大された1990年規格では、最期の新型車となったライフです。
この名称は、360cc規格で製造されていた当時に使われてたもので、1975年の550cc規格・排気ガス規制強化に伴って、ホンダが一旦軽乗用車の生産から撤退するのですが、それ以来のリバイバルとなります。
直前のホンダの軽乗用車事情としては、実用性よりもスタイリッシュさを優先したトゥディが主力商品で、1993年デビューのスズキ・ワゴンR、翌94年デビューのダイハツ・ムーヴといったトール系に販売の主流が移行しつつあるマーケットを見越して、ライフを投入したといったところです。
翌98年に全幅を広げる規格に変更されることもあってか、97年当時のライフは、インパネデザインがトゥディと共用されていることから、急ごしらえな感はしないでもなかったですね。
果たして、実際のところは…。
② 運転環境
インパネがトゥディと共用なため、着座姿勢も自ずとトゥディに似た感じ、背高パッケージにフィットしたとはいい難い面も…。
今で言えば、スバルのR1R2から派生したステラが、これに似た状況か。
とはいえ、軽便な乗り物と割り切るならば、これが致命傷とはなっていないのが、またクルマの摩訶不思議なところで…。
③ パッケージング
トゥディ派生で急ごしらえだった割には、そこそこまとまったパッケージではないかと。
というか、トゥディがあまりにもスタイリング優先過ぎて、後にアソシエという4ドアモデルを投入したり、通常のハッチバックに改めたりはしてものの、後席の住人のつま先を前席下に入れることすら出来なかっただけに、その意味ではようやくホンダから真っ当に大人4人座れる軽乗用車が出た、と。
④ パワートレイン
トゥディにラインナップされてた可変吸気バルブ付きのMTRECは搭載されず、極平凡なシングルカムエンジンのみの設定で、その意味では軽便車として割り切ってましたね。
トランスミッションも平凡な3速ATですが、今時の燃費対策重視で著しくレスポンスの鈍いCVTよりは、遥かにナチュラルで爽快に思ったくらいで、これなら機械が新しい以外に新車の魅力が見えにくいなと。
⑤ ハンドリング
実は、この項目がこのライフで割かし気に入ってるのです。
というのも、後の98年規格になると電動パワステが導入されて、燃費対策には貢献しているかもしれないけど、クルマからの情報をつかみやすいナチュラルなステアフィールが消えてしまっているのですね。
その意味では、2代目トゥディから引き継がれている基本コンポーネンツの良さが、ここで露になったのではないかと。
このライフでは、普通車と共用のエアバック付きステアリングで、外径が大きい分、いい意味でスローなリズムでハンドリングが成立している感覚で、バランスの高さが垣間見えます。
⑥ 判定
:お勧め
10~15年落ちの軽四の場合、あくまでも車種よりも程度優先が基本なのですが…。
余程クルマの状態が悪くて整備費用が掛かるのでなければ、97年型ライフは隠れ名車としてお勧めです。
確かにスピードで言えば遅いクルマで、走りを求める人たちの共感を得られそうな部類ではないものの、中途半端にスポーティーさを強調していない分、普段の足として安心して乗れる1台ではないかと、そう思いました。
その意味では、新規格後のモデルよりもさらにお勧めと。
2010年04月08日 加筆訂正あり
今でも、このライフは名車だと思います! 新型、たいして進化してませんから。^^;
ホンダ ライフ ディーバ・スマートスタイル FF 4速AT(133.5)
実のところ、98年新規格になってパワステが電動になって以来、ライフが良いと思った試しがないのです。^^;
それでも現行フィットの異様に操舵力の軽い電動PSよりかは幾分マシに思ったものですが、今回オッティと同日試乗した感触では、このライフの良いところを見つけるのが非常に困難に思ったくらいです。
ホンダと言えば、かつてはカーマニアやエンスーのハートを掴んでいるメーカーの1つでしたが、今やスポーツカーなしタイプRなしのミニバンメーカーへと変貌してしまい、いつの間にか本邦試乗記で取り上げる機会が劇的に減ってしまいました…。
そして、上記の2代目初期型と最新型を比較しても、機能的には乗り換えるだけの価値を見出しにくい状況なのです。
確かに、走りと関係ない部分で鍵がスマートキーであったり、夜間のメーター照明がお洒落な青い光を灯したり、黒いエアロでカッコがついたりとそれなりの特典もあるのですが、これらに惹かれた瞬間、あなたは「ミーハー」です!
さっきのオッティ同様、車重が重いことで動力性能面へのダメージが大きく、一見速そうに見える外観が嘘のような鈍足ぶりです。
これでも下手にタコメーターがあったりして、スポーティーな演出がなされているだけに、昭和生まれのカーマニアには欲求不満が溜まるところです。>w<
という訳で、フィットよりはマシだけど、結局ゼストと同じようなクルマで、目新しさで若干勝ってる、しかもそれも経年変化での飽きが早い可能性大と評して、現行ライフの評価を終わらせます。☆サッ彡
Posted at 2011/09/26 18:50:51 | |
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