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モータージャーナリスト 町山絢香のブログ一覧

2011年10月18日 イイね!

【プレイバック試乗記・第28号】 五選に選出された、昭和なトヨタ車達。

’73 トヨタ カローラ 4ドアセダン 1200 デラックス 4速MT (30)


① 成り立ち

 800cc級小型車のパブリカと、1500cc級乗用車のコロナとの中間車種として、1966年(昭和41年)に初代E10系を発売開始。

 小型車としての機能主義に徹したものの販売台数に繋がらなかった初代パブリカの教訓から、お手頃価格で豪華さを望む日本人の心理を突きながら、高速道路の整備が進みつつある中で高速化志向が高まることを想定して開発され、ライバルの日産サニーよりも100cc多い排気量をバックに、1969年から2001年までの33年間、新車販売台数1位の座を守るベストセラーに輝いた経歴を持っています。

 今回紹介するのは、2代目に当たるE20系で1970年にデビュー。2度のMCを経た後期モデルの73年式になります。

 この頃から、初代セリカなどに搭載された1.6L・DOHCを移植したレビン・トレノが追加されるのですが、今回は一般ファミリー向けの3K型1.2L・OHVに4速MTが組み合わされた仕様です。


② 運転環境

 昔の日本車なので、シートのクッション抜けがあったり、調節機能が極めて限定されているにも関わらず、現行140・150系や先代120系より遥かに車両感覚が掴みやすくて乗りやすいほど。

 なんと言うか、この時代のクルマはあくまでもエンジニアの発言力が強くて、「素人は黙ってろ」的なところで、さほど歪にならずに済んでたかと。

 シートベルトは3点式ながら、自動巻取り機能のELRでないため、安全装備はそれなりですが…。


③ パッケージング

 安全装備といえば、後席シートベルトの存在が確認できず、今の時代に4・5人で乗る際には、それなりの安全対策は必要な模様です。

 それを除けば、驚異的にコンパクトで軽量なボディなFRということで、今や特殊なスポーツカーの専売特許となってしまった「人馬一体感」に溢れていたのです。

 しかも、一般ユーザー向けの大衆車で、という贅沢付きで。


④ パワートレイン

 シリーズ中、最も排気量の小さい1.2Lながら、低速トルクの太い実用向けなエンジン特性で、カタログスペックでは、信じ難いほどの軽快な加速性能を持っています。

 というか、今時のエコカーと称するCVT車のほうが、余程出足鈍くて遅いくらい…。

 先日乗ったミニカF4は、超低速向けで高速道路向きではどう考えてもないけど、このカローラなら80km/h巡航も何とかなりそうな予感で、1台所有でこなすなら、カローラの方が向いてるかと。


⑤ ハンドリング

 シンプルなシャーシ構造で、ノンパワステで細身のタイヤで、今時のクルマではあり得ないソリッドな乗り味が魅力です。

 大径で細身で見た目やる気のなさそうな純正ステアリングですが、パワステに頼らない取り回し性の確保や、ドライバーがしっかりとステアリングを切らせる、いい意味でスローなハンドリングも、見どころです。

 これに強馬力で重いエンジンを積んで、ワイドタイヤを履いたスポーツグレードだと、運転が相当な重労働になることが容易に予想がつき、これに対処するが如くパワステが普及する歴史を踏んできた今となっては、そのベーシックさが返って非常に貴重な存在になってきています。

 ただ注意点として、4輪ドラム式ブレーキのため(フロントディスクはハイデラックス以上からでしたので…。)、ブレーキングするには相当な踏力が必要です。(ブレーキアシスト慣れした、急ブレーキ禁止の観念に犯された右足の持ち主は、特に注意が必要です。)


⑥ 判定

 :文化遺産

 もし最初に乗ったのが27レビン・トレノだったとしても、この判定だったと思います。

 ただ、27は中古車市場でも人気でハチロクに次いでタマ数が多い物件。

 それだけに、ベーシックな1.2Lを積んだ仕様は忘れがちな今のクラシックカー市場だからこそ、大切にしたい物件の1つなのです。

 わたしがここまで、20系カローラに乗ってここまで持ち上げているのは、単にアンティークだからでも物好きだからでもないのです。

 純粋に、人とクルマとが一体になって会話がダイレクトに出来る、今のクルマが忘れてしまった価値を持っているから、なのです。

 その意味では、よりコンパクトで端正なデザインである初代の方が、よりピュアでしょう~。

 そこで、ジャパンよりもハコスカが持てはやされる現状と同じことが起こるのですが…。


 さらに、この個体。まだまだ現役でしっかり走れるのです。

 これが、ボディが錆で遣られてエンジン機関の調子が悪ければ諦めも付くのですが、このまま廃車にされてしまうのは、どうにも歯がゆくて仕方ないのです。

 わたしが、このカローラを買取できれば、当時の福山ナンバーのまま継続できるのに…、そう思えてならないのです。

 もし買取できるのであれば、今乗ってるシルビアを手放しても、全然惜しくないのです。

                                         2010年03月14日 加筆訂正あり

 ’86 トヨタ センチュリー Eタイプ 3速ATコラム (30)


 ① 成り立ち

 初代センチュリーがデビューしたのは1967年で、2代目クラウンをベースにV8エンジンを積んだ「クラウンエイト」の後継として、世界の高級車に匹敵するモデルとして本格的に投入され、1997年に2代目に移行するまで長年に渡って製造されました。

 主に法人ユーザーに使用されることが多かったことで、今回紹介する物件のように、年式の割りに驚異的に綺麗な物件が目立つ傾向にあります。

 平成に入って、3ナンバーサルーンが大衆化されて失ったものが、このセンチュリーにはある、そんな気がします。


② 運転環境

 最高級車なのにチルトステアリングがなかったり、今時のミニバン体型の正反対で、全高が低くてステアリングコラムも低いけど、車両感覚が驚異的に掴みやすいボディ形状で、クッションがしっかりあって、しかもコシのある極上なシートのお陰で、今時の下手な高級車よりも、運転しやすさでは圧倒しているくらいです。


③ パッケージング

 日本人好みの水平基調なデザインで、トランクスペースは深さがない分劣るものの、後席居住性に大きく配慮している証拠として、あえてフロアを高床にして、後輪駆動車にありがちなセンターフロアの出っ張りをなくして、後席3人掛けが楽にできるところは、さすがVIPカーといったところでしょうか?(ビップじゃないよ。)

 シート表皮はブルーの布地でしたが、これなら下手な革シートより余程座り心地が快適で、高級ですら思いましたね。

 あと、昭和の名残で三角窓が付いているけど、これエアコンがない時代には重宝してたアイテムだったのですね。

 さすがにこの年代になるとエアコンは普及していたのですが、それでもエアコン使用を控えるには便利なアイテムです。(バックドアのガラスが開閉できるハイラックスサーフも以下同文。)


④ パワートレイン

 低中速トルク重視に徹したV8・4L・OHVで、Dレンジホールドで十分満足のいく、ゆったりした乗り味で、むしろ高級車のベンチマークのような乗り味です。

 これが、やれ直噴だ8段だ電動パワステだエアサスだで、むしろ歪になっているのが、今の高級車ではないかと。


⑤ ハンドリング

 実をいうと、V12になってからの2代目に少しだけ乗った経験があるのですが、ステアリングインフォメーション面で言えば、今回乗った方がむしろ情報が掴みやすくて乗りやすかったくらいです。

 何気にクラウンにも言えるんだけど、90年代に入ってからのモデルよりも、むしろ80年代以前の方が乗ってて気持ちいい。

 おそらく、ボールナット式がいい味を出しているのかも…ですね。


⑥ 判定

 :ベンチマーク

 乗り味面で言えば、1000万円級高級車を上回っているのですね。

 おそらく、スポーツカーのような走りやら、小型車並みの低燃費とか、求められているうちに歪になったのでは…と思えてならないのです。(輸入車も含めて。)

 というわけで、このセンチュリー。

 少しでも速く走らせようとするとグラングランロールするだろうし、燃費もチェロキー並みで5~6だろうし…。

 アウトバーンほどの高速域には通用しないだろうし…。

 日本の街乗り走行する限り、それがどうした…ですけどね。

                                            2010年05月31日(月) 執筆
Posted at 2011/10/18 18:51:31 | コメント(1) | トラックバック(0) | トヨタ RWD | クルマ
2011年10月17日 イイね!

【試乗五選・第70号】 アバタもエクボ^ー^

 今日の五選
      (2)           
10・1610・1610・510・1010・17

 今日の圏外;w;

10・1010・17


 シトロエン DS4 シック 6速ロボタイズMT (309)


 以前、この試乗五選でC4のエクスクルージブに対して、あまりいい評価をしなかったものですが、その最大の理由はロボタイズドMTの完成度の低さで、エンジンのポテンシャルを引き出すにはシフトショックが大きいことに加え、シフト時間も遅いため、通常のMTやATの方が余程乗りやすくて魅力的だと評しました…。

 その意味では、今回のDS4シックに搭載されるパワートレインも基本的には同一のもので、机上では同じような評価になると考えるのが自然です。

 ところが、DS4の個性が強くて且つ大人の鑑賞に耐えるデザインで、それはまるで恋する人の弱点が気にならない、一種のノロケのような魅力がDS4にはあったのです。

 ベースとなったC4よりは全高が高くなってSUV風だけどFFのまま、というのはプジョー3008と同様で、4ドアクーペというジャンルでありながら、前席よりも高い着座位置に設計されて十分に快適な居住空間を実現した後席で、高くなったとはいえ全高は1530mmなので立体駐車上にも収まるという、実用車としても十分に機能するパッケージングに思いましたね。

 現車ではオプションとして装着されてなかったのですが、赤と黒のコンビになった何とかベルソと呼ばれるインテリアにすると、より一層ビビッドな雰囲気になって、DS4の個性を更に引き出す形になります。

 このDS4には今回乗った2ペダルのシックと3ペダルのスポーツシックの2機種があるのですが、後者に関しては乗った経験なしなので言及しないでおきます。

 もちろん、C4の時と同様にオートモードでは自動変速時のシフトショックの大きさ・シフトの遅さが気になってドライビングの組立は困難で、専らマニュアルモードでの試乗となりました。

 そして、DS4の個性でパワートレインの癖が許せるようになったわけですが、油圧式パワステによる自然なフィーリングは健在で、森慶太氏曰く戻り時に癖があるとのことですが、それに関しては若干戻りの悪さは感じましたが、これもアバタもエクボでしょうか・・・。

 脚はシトロエンらしくしなやかなもので、路面からの情報をきっちり伝えつつ、路面の凹凸を綺麗に吸収する優れものです。

 
 つくづく思うに、クルマとは摩訶不思議な乗り物で、以前紹介したC5なら普通のATで余程乗りやすいにも関わらず、それには然程印象には残らず、むしろパワートレインの弱点を抱えながらもDS4に魅力を感じてしまう…、こうした演出に関してはラテン系のクルマは秀でたものがありますね。かつて、徳大寺氏もその趣旨をおっしゃってまして、今になってもなるほどと思わせるものです。

 ただ、いくらアバタもエクボと言えど、これだけは要注意です!

 突起物注意!


 後席ドアノブ形状なのですが、リアガラスの隣に設置されたドアノブ周りが突起になっているのが、おわかりいただけるかと思います。

 こうした要注意物件としては、かつての三菱・デリカスペースギアの助手席ドアでもあり、その場合はちょうどお子様の平均身長で頭の位置に相当していただけに、くれぐれも格安中古車でご検討中の方々には、特に注意願うところです。

 DS4に話を戻すと、突起している部分がデリカのそれとは違って若干高い位置にあるので、お子様の場合はそれ程ではないのですが、我々大人の平均身長に置ける頭の位置になるので、大人こそ要注意です!

 その点をご考慮いただいた上で、DS4ライフを堪能していただけたら…と思います。
Posted at 2011/10/17 21:16:49 | コメント(1) | トラックバック(0) | シトロエン | クルマ
2011年10月17日 イイね!

第3回 となりの五選 ~ 年代別トヨタ車編 ~

 この度は、第3回わたしの五選に参加いただいた方に、改めて感謝御礼申し上げます。

 毎回参加者の中から1名選出して、となりの五選と称してマイブログでも取り上げることに致しておりますが、今回はトヨタ車一筋で乗り継いで、現在現行ヴォクシーをお洒落にドレスアップしたkino-dai様の五選を紹介させていただきます。

 毎度わたしのブログで取り扱っている試乗五選とは大きく選考基準が異なるのが特徴ですが、トヨタ車を支持し続けてトヨタを買い支えているユーザーの一人として貴重な五選ですので、参考になるところがあれば…と思います。

 https://minkara.carview.co.jp/userid/851877/blog/24170242/

こういうのは初めてなので緊張しますがいきます!!

90年代①
 セプターワゴン2.2 4AT
 5台ほど前に乗っていた車です。
 逆輸入車だったのが仇となりあまり売れなかったようで・・・
 このデザイン好きなんですけどね~
 またこういうワゴンを日本に出して欲しいものです。


90年代②
95年型コルサ1.5シンシア 5MT

 現在祖父が乗っている車です。
 選んだ理由は、あんなコンパクトなサイズでありながらも広々とした室内、そして元気なエンジン!
 しかも装備も必要なものは大体揃っており今の車の装備が十分すぎる気もしました。
 シンプルな車ってのもやっぱりいいですね!


2000年代
01年型イプサム240S 4AT

 この車こそ隠れたトヨタの傑作!!・・・と自分では思っている車です。
 2.4LVVT-iの心地よいサウンド、ヨーロッパ基準でも作られた足回り、掛け心地のいいシート
もう全てが最高の車だと思っています!!
 ステアシフトマチックのギアの変速感が今のトヨタ車のパドルとはまた違う感じがして良いです
 イプサムは売れてはいませんでしたが、復活してほしい車です。
 特にVVT-iエンジンが最近衰退気味なのでもっと充実して欲しいと思います。


現行型①
ヴォクシー2.0ZS CVT

 現在乗っている車でもあります。
今のトヨタではイプサムの次に良い車だと思っています!!
長距離走っても燃費が良い、室内が広い、パワーがあるなどと言った点でこの車は優れていると思います。
 パドルもイプサム時代のとはまた違う感じでこれもまた良いですね。
トヨタでもかなり売れている車種なので今後も期待できる1台です。



現行型②
カローラアクシオ1.5G 5MT

 トヨタの中では一番バランスの取れている良いセダン・・・と思っています。
カローラ自体は名前が広く知られていますが、最近はプリウスに隠れているような状況・・・。
なぜ5MTを選んだのかというと、単にあまり見ない仕様だからというのもありますが、
やはり走りが楽しく尚且つ値段もちょうどいい値段だと思うので選びました!
やっぱり走りは楽しく!!ですよね!

 今回は自分の思いのままに書きましたが、年々楽しいと思う車が減っているような気がします。
いつの時代も楽しいと思う車をこれからも作って欲しいと思います。
いまはFT-86とヴィッツターボ、そして最近どこかのモーターショーで出たオーリスのTRDスーチャー仕様に期待を寄せています♪

        (以上で、掲載された画像の添付は控えさせております。)


 ドレスアップ仕様のミニバンに乗っていても、MTの面白さをも胸に秘めているのが伝わる五選に思いました。^^

 セプターは確かに人気車にはなれませんでしたが、日本国内市場を意識しなかった分クルマとして歪でなくなったところを、当時の自動車評論家筋で高く評価されてたのが印象的でしたね。

 高速有鉛デラックスで流行りのUSDMのベースには格好の1台ですが、今ではタマ数も減ってきましたね。;w;

 コルサは、今にして思えばミニバン勢よりも遥かに軽くて燃費重視でないエンジンでパワフルだったので、スポーツモデルでなくても結構速かったのでは…と思います。

 イプサムの240Sは、正にトヨタのオデッセイ・アブソルートでしたね。^^

 初代のファミリーイメージが大きく払拭された2代目でしたが、エスティマやアルファードの認知度が高まるにつれて、存在感を失ってしまった感はしましたね。

 そしてヴォクシーのドレスアップですが、ノーマルよりも明らかにかっこよくて、且つ品良く仕上げるのが至難の業で、それこそがセンスの見せ所なのですが、個人的な経験から言うと、G’z仕様に乗ったことがあるのですが、エコカー減税対策重視のエンジンがノーマルのままで、固めの脚とインチアップされたタイヤとの組み合わせで、レスポンスの甘いエンジンとハードな脚との組み合わせに違和感を感じたものでした…。

 そこのところは、いかがかな?とも思うのですが、スタイリング重視と割り切っていらっしゃるなら、問題にすることではないのですけどね。^^;

 実のところ、カローラの普通の1.5LにこそMTが必要だと、わたしも思っているところで、次期型でも継承して欲しいところですね。^^



 次回は、年代別日産車の五選を企画しています。

 告知は、後日改めてブログにアップしていきますので、今後ともよろしくお願いします。
Posted at 2011/10/17 20:35:44 | コメント(2) | トラックバック(0) | トヨタ | クルマ
2011年10月16日 イイね!

【試乗五選・第69号】 究極のエコスポーツカー!

 今日の五選
           
10・1610・1610・510・1010・10

 今日の圏外;w;

10・1610.710・610・16

’10 ロータス エリーゼ 1.6ベース 6速MT (458)


 これこそが、軽量コンパクトでトヨタ製1.6L実用エンジンで一流のスポーツカーの走りを実現し、しかも燃焼効率のいい今時のトヨタエンジンに軽自動車以下の軽いボディに載せた組み合わせで、これ以上有り得ないエコ・スポーツカーの組み合わせに思うのですが…。

 実際には、重量が嵩んだクルマの方が排ガス規制でも燃費規制でも優遇されて、エコカー減税でも現税率が高いという理不尽な状況下で、粘り強くライトウエイトスポーツカーを作って商売を成立させているのは、マツダのロードスターとこのロータスだけではないか、と思う程です。

 そして今回、ようやくロータス・エリーゼに試乗する機会を得たわけですが、さすがマツダ・ロードスターに倍以上のプライスだけの価値を十分に感じさせるもので、ミッドシップであるにも関わらず音振は見事に抑えられており、マツダのガサツさはスポーツカーであることを言い訳にした単なる怠慢ではないか、と思った程でした。

 今回乗ったエリーゼは、最もベーシックな仕様であるため、エンジンパワーに振り回されることなく、初心者でも運転しやすい1台ではないか、と思ったほどでした。

 それは、ノンパワステによる豊富なステアリングインフォメーションであり、AT設定を考慮しないエンジンマウントでクラッチミートが非常にしやすくて、フレキシブルな実用エンジンなので、まるで一昔前のカローラのように扱いやすいエンジン特性なのです。

 走る運動物体としての無駄を省いたパッケージングであるため、車両感覚も非常に掴みやすくて、サイドシルが太くて乗り降りにひと工夫が必要なこと以外は、ヴィッツよりも遥かに運転しやすくて買い物にも適した1台でもある、と思いました。

 これ程にも割り切ったパッケージングであるにも関わらず、エアコンもエアバックも装備され、そこは現代車の基準に準じたものになっています。

 そんな訳で、クルマと徹底的に会話したい、そして峠道を自在に走らせたい、そんなドライバーに最も適したのが、正にこのエリーゼだと思うのです。

 ポルシェ911も非常に完成度は高いのですが、絶対的なエンジンパワーが圧倒的で且つ重量級になるため、そのポテンシャルを使い切るには相当なスキルを必要とし、万が一コントロールを失った時のリスクはエリーゼの比ではないところです。


 それでも重量級・メガトンパワー級スポーツカーにも魅力はあるのですが、あくまでもスポーツカーの本流は軽量なエリーゼである、そう確信しています。

 ATはないのですか?という野暮な質問はご遠慮ください。MTのみです!

 ノンパワステで重くないですか?重いけど、そんなの問題ではなくなる程、クルマを操るのが面白いクルマです!

 そんな、今の時代では珍しい硬派なクルマです!
Posted at 2011/10/16 21:13:20 | コメント(3) | トラックバック(0) | ロータス | クルマ
2011年10月15日 イイね!

第3回 わたしの五選 ~ 世代別トヨタ車編 ~

 本邦試乗五選で、再三トヨタ車の居住空間設計や運転環境、そしてハンドリング特性に苦言しているわけですが、それは決してトヨタ車に技術がないから、ではないのです。

 むしろ、我が日本が誇る凄い技術を持っているのです。

 なので、本来トヨタ車だってメルセデスやBMWにも負けないクルマを作ることは十分に可能であり、むしろ高温多湿な日本においては、よりタフなクルマを作り上げるのです。

 こうした卓越したトヨタ車の技術が反映されるのは、プロ向けに作られている商用車や公用車であったりするわけで、こうした背景を持った今回の五選となりました。^^


【 70年代 】 ’73 トヨタ カローラ 4ドアセダン 1200 デラックス 4速MT (30)


 これは、プリミティブなコンパクトFRの代表格です!

 巷ではハイパワーなスポーツモデルがもてはやされておりますが、当時のシャーシは基本的にFストラット・Rリーフリジットといった簡素なもので、大パワー向けではなく、現代のクルマでは成し得ない軽量コンパクトボディを活かし、ノンパワステでも十分に街乗りに耐えうる作りこそ、今のクルマが見習って欲しいところです。

 その点を突き詰めていけば、同じカローラでも初代10系の方がよりプレーンなデザインで説得力が強く、更には空冷エンジンの初代パブリカの方が説得力が強いかもしれないですが、如何せんタマ数が激減して中古車市場も高騰している中、こうしたクルマ達との出会いは正に一期一会なのです。

 なので、極力小さな排気量との組み合わせで段数が少なめのフィーリングがダイレクトなフロアシフトにこだわり、最も感銘したのがフルオリジナルな状態であることです。

 こうしたプリミティブな楽しみは、来年FT-86がデビューして最高の出来だったとしても、色あせることはないと確信しています。(それよりも、動態保存がより重要になってきますが…。)


【 80年代 】 ’86 トヨタ センチュリー Eタイプ 3速ATコラム (30)


 80年代はエレクトロニクスの時代になり、今ではないことが有り得ない程普及したエアコン・パワステが、大方の高級車には装着されてきた時であり、現代でも十分に便利なくらいに進化したときとも言えます。

 トヨタもやれば出来ると思うのも、永田町御用達であるセンチュリーともなると、さすがに民生向けのクラウンやマークⅡのような背が低くてセンターピラーの細いハードトップは採用されず、また間違った着座姿勢である寝そべり姿勢を推奨することもなく、あくまでも人間工学に理に叶った居住空間設計がなされているのが、正にセンチュリーなのです。

 現行の12気筒に少しだけ乗ったことはあるのですが、ステアリングの適度な操舵力であり路面からのインフォメーションの高さでは、このV8時代の方に分があると、試乗した当時思ったものでした…。

 また、同時に5ナンバーサイズでめいいっぱい高品質で高級感を打ち出していた時でもあり、正直なところ5ナンバーで勝負したかった気持ちもあったのですが、最近で試乗に巡り会うこともなく、また過去の車歴からでも納得の行くグレード選択には至らなかったため、割愛となりました…。


【 90年代 】 ’95 トヨタ ハイエース ワゴン 3.0Dターボ リビングサルーンEX Wサンルーフ 4速AT(39)


 この100系ワゴンのターボディーゼルに乗った時に、ハイエースの偉大さを認識したのです。

 それは、強靭なシャーシの上で成り立っているパッケージングであり、ターボディーゼルエンジンの余裕のパワー・トルク・経済性であり、それによって快適で長距離ドライブでも疲れにくい乗り味を実現し、これこそがトヨタの真の最高級車であり、トヨタ最強のスポーツカーである、と誇りに思ったくらいです。

 グレード選択に関して、より煮詰めたいところでもあり、全長が伸びて4列シートになってよりゆったり感を演出しているグランドキャビンが気になっているところです…。(ヘッドレストが付かない点以外では、いっそのことロング10人乗りデラックスで、硬くてコシのあるビニールレザーシートで挑むのもありかと。)


【 2000年代 】 ’09 トヨタ プロボックス バン1300DXコンフォートパッケージ 4速AT (89.8)


 正直なところ、90年代以降をハイエースで包囲してもいいくらいの迫力ですが、100系の相場は21世紀モノだと高騰し、鼻付きのレジアス系では人馬一体感で大きく見劣りしたので除外。

 そこで、2000年代でも比較的安値の中古物件が多いプロボックスを選択したのです。

 ベースが初代ヴィッツで、後に増殖するトヨタ・コンパクトミニバンと共通の弱点であるステアリングコラムの低さを抱えてしまうのですが、プロ向けに作った商用バンなので、他の乗用車のように素人な顧客様の足元を見ながらの設計は、決してしないのです。

 この際のグレード選択ですが、タマ数が少ないとはいえMTにこだわりたい…。

 ATだと空走感による恐怖心がある傾向にあるので…、理想はターボディーゼルMTか?



【 現行型 】 トヨタ ハイエース バン DX 3/6人乗り 5ドア 2000ガソリン 4AT(205.7)



 グレードは、あくまでも暫定です。

 最近思うに、200系ハイエースには無限の可能性があるのです。

 圧倒的なパワー・トルクを求めて走り重視でいくなら、MC後の3Lターボディーゼルで安全性に問題ある後席なしの4ドア3人乗りMTか?

 また、基本骨格が頑丈に設計されているため、社外品パーツでウッドコンビハンドルや本革シートカバー・ウッドパネルなどでドレスアップして様になる、数少ないクルマの1つではないか、とも思うのです。

 その意味では、アルファードの本来の姿を表明する意味で、10人乗りワゴンDXをベースに、社外品を使って豪華仕様に仕立ててみるもの面白いかと。

 それはそうと、一般的に近い4~5人での使用ならば、後席シートベルト・ヘッドレストが付くスーパーGLにするのが筋でしょう。^^

 まだまだ、200系ハイエースで研究してみたいところですね。^^大阪のショップではドリフト仕様も製作したようで。^p^

 来年デビューのFT-86とも、いい勝負ですね。^^




 徹底的にプロ志向で選択してみました。

 なので、ハイブリッドカーもエコカー減税も関係なしです!
Posted at 2011/10/15 00:20:55 | コメント(5) | トラックバック(1) | トヨタ | クルマ

プロフィール

「メルセデスやBMWと比較するのはやめましょう──レクサス新型ESを考える
https://carview.yahoo.co.jp/news/market/20190123-10378107-carview/

これね、次期GSが計画されてない、というのが謎の答えだと思うんだけど。」
何シテル?   01/23 21:07
モータージャーナリスト 町山絢香です。よろしくお願いします。
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