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2018年06月17日

鳥海山

鳥海山 「鳥海」音読み効果も手伝って,力強さを感じさせるこの山.
いつかは見てみたいと思っていました.
できれば残雪のある季節に.








広い裾野を持ち,海にも近いこの山の佇まいは威厳があり,
古くは旧日本海軍のなかで,全長200mを超える重巡洋艦の艦名(現在はひらがなで護衛艦にもその名を残す)にもなっています.


私個人は,国鉄時代に上野-秋田間を,上越線/羽越線経由で走っていた夜行急行列車で,初めてその名を知りました.


当時は小学生でしたが,古色蒼然とした旧型客車を連ねた急行列車の編成には,いかにも似合う名前だと思っていました.

その後,鳥海の名を付した列車は,昼間の特急列車になり,さらにブルートレインと言われた寝台特急に継がれ,1997年に姿を消してしまいました.
特急に格上げされた際に,残雪を戴いた鳥海山をあしらったイラストのマークが使われ,実物の鳥海山を観たことが無い私は,密かに思いを馳せていました.


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いつしか鳥海山へと思うも,北に向かう飛行機の窓から見下ろしたり,他の人の撮った写真でその姿を眺めるだけで,時が流れていきました.


ようやくその思いを成し遂げるときがきました.
この春から手掛けた仕事が一息ついた6月15日の金曜日,週末の予定は空き,東北の天気予報もまずまず.翌土曜日の昼間は身体の休息にあて,午後7時半にハンドルを北に向けました.



前々から目星をつけていた登山口までは500余キロの道のり.
東北道では時折,雨がフロントグラスを叩きますが,構わず走り続け,栃木県と宮城県は停まらずに走り,途中2回の休憩と,酒田市内のコンビニでの買い物を挟み,鳥海山の東麓から鳥海ブルーラインを少し登った大平の駐車場に入ったのは約7時間半後の午前3時過ぎでした.


ガスが流れていましたが,気にせずリアシートを倒し,仮眠をとります.
夜が明ければ,往復15kmあまりのルートを歩くことにしているので...
他にクルマは一台しかおらず,空は白み始めていましたが,それでも1時間以上はぐっすり眠れたようでした.




午前5時半に標高1080mの大平登山口からスタートです.
この時はまだガスっていましたが,切れ間から青空が覗け,予報通り昼間には晴れそうな予感.
標高1340mの見晴らし台まで急登が続きますが,一気に駆け上がります.

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左下は仮眠をした大平山荘の駐車場と建物.右端には象潟.
青い日本海が広がっているはずなんだけど...




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雨に打たれて落ちた花びら...




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標高1340mの見晴台でも見晴らしはこの通り.





その後は傾斜もやや緩くなりますが,標高1400m付近で早くも最初の雪渓が現れます.
本格的な雪渓を歩くのは初めて.
ガスが濃くなるとホワイトアウト現象になり,容易にミス・コースという落とし穴へ向かってしまいます.

他に登る人は見当たらず,視界が悪い中,しばし様子を観ることに.
コースには所々に小さいながらもフラッグが立てられており,視界さえ確保できれば,ミスコースの危険性は少なそう.
気温が氷点下を下回らないこの時期の雪渓は表面は柔らかで,氷状になる季節に比べれば遥かに歩きやすいですが,斜面で不安定な態勢になれば,すぐさま転倒して,傾斜が強い場所なら滑り落ちる可能性大です.




慎重に歩みを進め,最初の雪渓は難なくトラバース.
「とよ」の先のふたつ目の雪渓もなかなか長かったけどガスもまだ薄く,慎重な足取りで通過.

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まだ太陽が遮られておりず,視界も効いていた時間帯の雪渓.


下の写真は同じ場所で快晴の下山時に撮ったもの.
この写真ではよく見えませんが,コースを記す旗竿が奥まで続いています.
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次の河原宿から愛宕坂の間にある雪渓は,行けども行けども続く印象.風が強いからか,細い竹で作られた旗竿は,ことごとく倒され,その都度拾い上げて雪面に突き立てていきます.


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そうして進むうちに,さらにガスが濃くなり,太陽の位置も不明に...
ついに立往生です.行く先のフラッグが見えないばかりか,周囲はすべて白い世界に包まれてしまいます.




振り返ると,幸いにも来た道の旗竿が見えているので,引き返すルートは確保できそう.身体をそちらに正対させ,しゃがんで待つことにします.

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10分くらいはそうしていると,ようやくガスが薄くなり,この雪渓の終点が視界に入ってきました.とりあえず,ハイマツのある場所まで行って,周囲を見渡してみると,コースから南へ20mほど離れた場所でした.



困ったことに,登山路からコースを振り返ると,視界の中にフラッグは見えず,帰りに同じ状況になると,帰れなくなる危険があり,周囲の景色を頭に入れ,念のためGPSを起動させたカメラで何枚か写真を撮っておきます.





河原宿からはお花畑が続きます.

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見事なチングルマの群生.






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シナノキンバイ


その後は順調に高度を上げ,標高1700mの御浜へ.ここまでちょうど3時間.夏山晴天時の標準タイムよりプラス30分のペース.





視界は数百メートルといったガスのなかでは鳥海湖も見えず,小休止の後,先へ進むことにしました.
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1759mの扇子森までは,なだらかながら石がゴロゴロして歩きにくい.
木は一本も無いのに何で「森」と名付けるのか...

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先ほどの御浜もそうでしたが,こんな山の中に「浜」は無いだろうと,独りごちていると,徐々に明るくなり,一瞬ですが山頂が顔を出してくれました.

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せっかく登ったのに八丁坂を下りまた雪渓,それでも天候は完全に晴れとなり,ひとまずホワイトアウトの心配は無くなります.その間を利用して御田ケ原(1692m)へ.ここの雪渓にはロープが渡してあり,ホワイトアウトになってもロープを辿れば良い訳で,取り敢えず帰りの心配は少々和らぎます.

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標高1800mの七五三掛まで,小さな雪渓をひとつ巻き到達すると,ここからの景色は最高.
前方には最高峰の新山(2236m)とその南には外輪の峰々.新山と外輪の間ある千蛇谷に横たわる広大な雪渓.
うしろを振り返ると,これまで越えてきた御浜や扇子森が雲海から僅かに姿を見せ,周囲は一面の雲海が広がっています.

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ここまでコースタイム(夏道で休憩なし)の3時間50分通りで踏破.時間は9時20分.


撮影と食事タイムを長めに取り,今後のルートを検討します.
順調とはいえ,まだこの先まで道のり2km/高さ+400mのコースを4時間半で往復するとして,何事も無ければ,登山口に戻るのは17:00頃と予測.
何事も起きないという保証はなく,ホワイトアウト,怪我,降雨といった障害があれば,暗くなっての下山の可能性があります.
できれば今日のうちに帰宅したいので,遅くても16時には帰途につきたいところ.


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岩に張り付くように咲くミヤマキンバイ.



七五三掛から30分間だけ登って,そこを折り返し点とすることを決めて再スタート.



ここからは鳥海の最高峰である新山をまっすぐ目指す千蛇谷コースと,外輪山コースに分かれます.
千蛇谷コースは谷に下って,そこから登り始めるコースで,状態を確認しに少し歩いてみましたが,大きな雪渓を渡るのでパス.外輪山コースを進むことにしました.

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雪渓上でなにやら動く物体を発見.




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なんと15人くらいの方々が斜度30度くらいの雪渓を登るトレーニングをしていました.




ここからは急登.

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右下に千蛇谷からの登山路を歩くハイカーが小さく見えます.





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折り返し点の南側の雪渓には大きな亀裂.





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そしてキッカリ30分後,標高1955m地点から山を下ります.

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中央に見えるのが扇子森(1759m)





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特急列車のヘッドマークに描かれた雪渓はこのあたりのかな?





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右側の最上部の雪渓の脇まで行ったことになります.





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ハクサンイチゲもたくさん咲いていました.





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鳥海湖はまだ残雪の下でした.





往路で立往生した雪渓でふたたび足止め.
風に乗って,他のハイカーの持つ熊鈴の音が聞こえてきて,思わずその方向へ行きそうになりますが,じっと我慢.

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コースは左端に抜けていくのですが,右奥にはBCスキーでしょうか,3人のパーティー.





コースが木立に覆われるようになると気温も上がり,初夏の陽気に.
鳥海山の植生は,針葉樹林帯がなく,広葉樹林から一気に高山帯に変わります.
帰りはこの逆なので,萌えるような新緑に包まれながらの下山となりました.


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登山口には14時20分に帰着.
水平距離14.3km/最大高低差875mの今年初の山歩きは,
何事もなく無事に終えることができました.




下界は雲に覆われることなく,鳥海の頂きを見せてくれています.
順調に下山できたので,帰りは秋田県側に下りて,別ルートで帰ろうかとも思いましたが,もう少し鳥海山を眺めていたくなり,遊佐町側の麓から仰ぎ見ることに.




山麓の街は,広大な田んぼと,傾斜地の畑,それに小さな漁港を持っていました.
雄大な鳥海山を抱かれた遊佐町での暮らしが,とても羨ましく思えると同時に,もしこんな環境で自分が育っていたら,どんな大人になっていただろうかと想像を巡らせながら写真を撮りました.





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最後は鳥海山をバックに,この地を誘ってくれた鉄道を撮って,16時38分に酒田みなとICから高速に乗り,許す限り首を捻って,背後の位置にある鳥海山に別れを惜しみつつ家路につきました.

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復路は寒河江SAで15分ほど仮眠し,月曜日に入って3分後に自宅前に無事に到着.

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最後までご覧くださり,ありがとうございます.



<今回の走行距離>1028km(無給油最長距離更新)
<今回の旅行時間>28時間27分(出発19:36/帰着24:03+2)
<今回の運転時間>14時間32分
<今回の平均燃費>20.8km/l
<本日の高速料金>往路6,860円(465.0km)/復路7,180円(470.7km)









ブログ一覧 | 山歩き/トレッキング | 日記
Posted at 2018/07/01 22:44:08

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この記事へのコメント

2018/07/02 08:10:03
おはようございます!
秋田に行かれたんですね。
鳥海山は夏に2度行ったことがあります。
娘が歩けるようになったばかりの頃なので、もう15年以上前ですが。
ブログ拝見して知ったのですが、「ちょうかいざん」と読むんですね。「さん」と思ってました。
山の上では危ないところ(?)だったようですが、いい天気で良かったですね。
コメントへの返答
2018/07/02 17:52:12
えんちゃん.コメントをありがとうございます.

鳥海山は美しいですね.
実物を間近に観て,つくづくそう感じました.

週末の2日間すべてを使って,山登りと麓からの撮影の両方が理想でしたが,時間がとれず残念でした.
撮影は,にかほ市にある冬師湿原と決めていますので,またの機会に伺うつもりです.
2018/07/03 19:02:58
はじめまして。
初コメ失礼しまーす!!!
鳥海山すごくいいところですね~。いつか行ってみたくなりました!
(私が住んでいる長野県からは結構な道のりですが。。。)

お写真もとっても素敵でついつい見入ってしまいました。
また、ゆっくり拝見させていただきますね~~~。

コメントへの返答
2018/07/04 00:54:31
katsuuu!さん.初コメントをありがとうございます.

鳥海山は,北アルプスの山々ほど高度がありませんが,周囲に高い山が無いこと.その裾野が海まで連なる点は,富士山にも似て,孤高の存在感すらありますね.
そんなところが,この山が人を引き付けるのでしょうか.
といっても,この日の登山者はすごく少なかったです(笑).

また拙ブログに遊びにきてください.
2018/07/04 23:45:39
懐かしの鳥海山麓です。自転車ロードレースをしており自身学生時代に矢島町の花立に宿をとり、他校との合同合宿を行っておりました。下界よりかなり涼しくクルマも少なく走りやすく大切な経験を積んだ場所です。思い出すたびに行きたい衝動に駆られるのですが、なかなか実現出来ずにおります。確かブルーラインを駆け登るヒルクライムレースもありました。
美しく素朴な風景は他にはないですよね〜。

鳥海は寝台車でしたか?私の住む地では、当時は急行「きたぐに」が20系客車で走っていて(小学生の頃)早起きして近くの操車場や無人駅までチャリンコこいで見に行ったりしてました。あの客車のスタイルがメチャメチャ好きでした。あの頃の国鉄の車両は魅力的なものが多かった様な気がします。

ステキな写真ばかりですね。ありがとうございました。
コメントへの返答
2018/07/05 18:47:53
terao1206さん,コメントをありがとうございます.

当時の鳥海はA寝台/B寝台(10系かな..)にボックスの普通座席車の編成で
それに荷物車もついていました.
「津軽」や「八甲田」に似た構成だったと思います.
「きたぐに」懐かしいですね.最後は583系になっていましたね.

ブルーラインは確かにクルマは少ないですね.
鳥海山もアルプスあたりに比べると,ウソみたいに登山者が少なかったです.

当日は,ちょうど鳥海山ブルーラインヒルクライムという自転車競技の開催日だったんですよ!
2018/09/05 20:53:27
こんばんわ。
鳥海山行かれたんですね。懐かしく拝見させていただきました。
私は、3度登ってやっと山頂を制覇しました。ここは、真夏でも、雪渓が残っていますからね。この時期は、まだまだ雪が残っていたようですね。ブログを拝見していて、登山途中で、ガスが出てきて、大丈夫かなぁ?と不安になりつつ拝見させていただきました。大丈夫だから、ブログアップしているわけですが..(汗
今回は、山頂に至らなくとも、適切な判断だった思います。この状況では無理は禁物ですね。引き返すも勇気だと思います。
いつか、再びチャレンジされることを楽しみにしています。鳥海の周辺は、元滝など、見どころがたくさんあるので、お時間があるようでしたら、是非、連泊して楽しまれることをお薦めいたします。

それにしても、お車の燃費は驚異的ですね。
コメントへの返答
2018/09/06 12:54:43

鷹山さん.コメントをありがとうございます.

鳥海山はその山容/たたずまいが素敵で,
いつかは行こうと思っていた憧れの山です.

ちょうど仕事が一段落し,ささっと調べて思い切って行ってみました.
雪渓が残る部分が思ったより広く,しかもガスに阻まれるなど
前半は,思案が続く道のりでしたが,晴れるや足取りも軽くなるのでした.

とはいえ,時間やその後の天候の変化(結局は心配無用でしたが)を考え撤退しましたが
実は満足感に浸れる時間になりました.

今回は山形側の遊佐町をぶらっとしましたが,秋田側のにかほ市も魅力的なところが多く,次回は冬師湿原を歩きながら,鳥海山を仰ぎみてみたいと思っています.
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