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メルボルンのytのブログ一覧

2012年06月23日 イイね!

Dead pixel (第3回)

それほど大きくないメルボルンのダウンタウン。その北の端に市民病院はある。保険に加入していれば、私立病院でもそれほど追加費用を払わずに治療を受けられるのだが、普段病気やらをしない自分は、節税対策なども考えず、保険には入っていない。なので、Medicare だけで無料治療がうけられる市民病院や Medicare をサポートしている開業医に行く事になる。市民病院といっても、税金をたっぷりつかって近代化を図っているので、時間外受付の待ち合い室もうっとおしい、重苦しい雰囲気があるわけではなく、照明は十分行き届き、壁にかかる薄型TVからはフットボール(オージールール)の放送が流れている。地元チームの大ファンの友人は今日の試合を見るためにアデレードまで車で行っているはずだが、どうやら今日は St Kilda は追いかける流れで、なかなかおいつくことができないようだ。さぞ友人のムードはよくないことだろう。

冬になって風邪も流行ったりしているし、金曜日といえばお酒がはいって怪我をする人もいることだろう。待合室にいる人たちは明るい顔などは目につかない。右手の皮がむけた指からはまだ血が少しずつしみ出しているようだが、まだ呼んでもらえないので、あまり体より低くしないようにしてソファに座って待った。洗面所に行って洗ってしまおうかとも思ったが、もう少しすればプロに綺麗に拭いて消毒をしてもらえるわけやし。近くに座っている人にはあまり血を見たい人はいないだろうが、サイクリング用のジャケットを羽織っているので、喧嘩して剥けたようには見えないと思いたい。

やっと中に呼んでもらえたのは、2時間半だったか、3時間だったか待った後だった。まずは手前の検査室でクレアというナースが簡単な状況の質問をして、右手を綺麗に消毒してくれた。ちゃんと名前を発音できているか気をつかってくれたり、少し話をして気持ちを落ち着かせてくれる気遣いは、看護士という人たちにはいつも頭がさがる。医者が見るまでは、ということで、その上に包帯や絆創膏はなし。他にも何カ所かぶつけているので、前回破傷風の注射をしたのはいつか尋ねられる。正直、覚えていない。過去10年以内ぐらいに受けていないなら必要があるし、そうでなくても、複数回注射して問題のあるものではないから、覚えてないなら、といって、注射される。痛み止めも二粒と小さい使い捨てコップの水を出してくれる。

それからまた外で待って、やっと中へ。医師が「まっすぐ行って右」と指をさしている先へ行くと、レントゲン室だった。あばらと肩の写真をとられ、すぐにまた外の待合室へもどされる。

また待ちぼうけをしたけど、しばらくしてやっと中によばれる。若い男性の医師が空いているブースを見つけて、そこで荷物を降ろして事情を聴く。あちこち骨をかるく「コツコツ」とたたいてみて、「これ痛いですか」とひとつずつ確認。どれも痛みはない。気を失ったわけでもない。吐き気なんかもない。ヘルメットもしてたということだし。関節もいろいろ動かしてみるが、痛みはない。大丈夫そうだな。とりあえず、今日は大丈夫だよ。もし調子が悪くなったり、頭痛がしたりしたら、すぐに来るように。

それでベンという医師は握手をしてくれて去って行った。それでまっすぐ待合室を横切って、外へでて、やってきたタクシーに乗って帰ったら、真夜中の12時が近かった。


 〜 〜 〜 
 
あれから1週間。この3日ほど、右肩の痛みが少し強くなった。週の真ん中ぐらいに会社においてあった自転車を電車で持ってかえって、駅前においてあった車に乗せて持って帰ったのだが、前輪をはずした自転車を載せるために持ち上げた時に少し負担がかかったのかもしれない。なんにせよ、まだ自転車で通勤しようとは思わない。自宅の近くのタイトな90度左へ曲がる角では、いつものように曲がれない。多分、右肩の後ろが引っ張られていて、伸びきっていなくて、左へ送りステアが十分にできていない。

今日土曜日にはまだ痛みがあって、肩甲骨の方に問題があるのかなぁ、とも思ったりしているけど、手を伸ばして叩いてみても何もないので、迷っている。くしゃみをすると、筋肉がひっぱられるのか、確かに体をこわばらせてこらえたくなる痛みがあるのだが。

デッドピクセル。脇のポケットにいれていた iPhone にはやはり何か衝撃があったのだと思う。

Posted at 2012/06/23 21:19:10 | コメント(2) | トラックバック(0) | 自転車ネタ | 日記
2012年06月18日 イイね!

Dead pixel (第2回)

(前回からの続き)

周りに人があつまってきて、「大丈夫か?」「救急車呼んでやろうか」とかいろいろ声をかけてくる。

自分が歩道に横たわっていることはわかるけど、どうゆう経緯でそうなったのかがわからない。「息が出来ない」と声を絞り出して言う。

なんとか仰向けのまま仰向けになったのか、エビおりのようにしたのか、体を動かして、思い切って息を吐いてすってみる。2−3度やると、なんとか息が普通にできるようになった。あー苦しかった。

左手の指に血が付いていたので、見てみると、右手の指、手の甲の側が剥けている。グラブしてたのにな。 iPhone をポケットにいれていた少し上の右脇腹に打撲したような傷みがある。でも、響く訳でもないし、脈や呼吸に呼応して何かがあるわけでもない。ヘルメットをちゃんとしていたので、頭は打っていない。不思議な事に、左の太もものところで黒いライクラの下から少し血がにじんで、右のほほも少し痛みがあった。あごを打たず、しかも透明なサングラスを掛けて乗ってたのに、どうやってほほをぶつけたのかがわからない。ただ、その辺りから落ちて行ったのか。太ももの方は、ハンドルにでもぶつけたのかもしれない。

周りを見回すと、ハンドルに着けてた安物の反射プレートのプラスチックのステーが折れて転がっている。ヘルメットに着けていた、先日購入したばかりのすごく明るい充電式ライトは、クイックリリースが外れて1mほど先の植え込みの中からまぶしい光をこちらにむけている。

周りの人たち数人が手を貸してくれて、起こしてくれる。やっとのことで周りを見回してみたが、自分が走っている足下をちゃんと見ていなかったのか、何故自分が転倒、というか、ジャックナイフのようなことかもしれないけど、したのかわからない。そばにいる人に「私は何にぶつかったの?」と尋ねてみると、「縁石につっこんだんやで」(もちろん、英語ですが 笑)とか、「うまく転んだな!」とか、言われる。何がうまく転んだのか、この時点ではまったくわかっていない。

「頭打ったか?」「手首とか動かせるか」「どっか折れてないか」という質問に答えながら、いろいろ体の部分を動かしてみる。どうやら、大丈夫らしい。右手からは血が少ししたたっているけど、それほど深くなさそう。ぶつけたらしい脇腹に傷みがあるけど、これも折れたとかいう感じではない。ただ、こうゆう事故のときは、起こしてすぐのときはアドレナリンが大量に流れてて痛みをあまり感じなかったりしても、後ですごく痛みがやってくることもある。「救急車呼んでやろうか」とか「どうしたい」と聞いてくれるので、自分で病院に行く旨を伝えて、周りに駆け寄ってくれた人たちにお礼を行った。通りがかりの車を停めて降りて来てくれた人もいた。おそらく、交差点で信号を待っていて、目の前で起こったことを見ていたんだろう。

「誰かよんでやろうか」とか言ってくれる人もいるけど、悲しいかな、一人で生きている私には緊急時に連絡する人もいない。一応友人の電話番号は職場などに緊急時連絡先を出さないと行けないときには出しているけど、彼は全然携帯への電話に出ない人なので、正直あまり意味はないかもしれない。実家の連絡先を教えてあるわけでもないので、もし連絡が行ったところで、通訳して日本へ連絡を転送してもらえるわけでもない。

「自分で病院に行って、念のため検査してもらいます。ありがとう。」と周りの人たちにお礼を言うと、みんな去って行った。最後の人は、連絡先とかなくて大丈夫か、とまで言ってくれた。

飛んで行ったライトを拾い、折れた反射板も鞄にいれてから、ゆっくり自転車をひきあげて、会社の方に押して行った。線路を越える橋の坂がやたら長く感じられて、押している限りでは問題なさそうな自転車のギアを低い方に落としてから、またがった。ゆっくり歩道をブレーキかけたまま走って、会社の地下駐車場にまた戻り、自転車置き場にロックして、更衣室でジーンズに履き替えて、エレベーターでオフィスに戻った。

もう8時近くになっていたけど、まだ帰る準備をしていた同僚二人が「なんで戻ってきたん」というような顔をして何か言っているので、血みどろの右手だけをみせて、「ちょっとコケてね」といいながら、自分のデスクへ行き、 Specialized のシューズを脱いで、スニーカーに履き替えた。同僚の少し年上のおばちゃん(自分ももうおっさんですが)が出るところだったので、一緒にエレベーターへ向かう。どうやって病院行くの、との問いに、迷わず「タクシーで」と答えた。金をケチっている場合ではない。表の通りに出たところでちょうど空車のタクシーが通りかかったので、運転席の反対側のドアをあけて、前の席に乗り込んだ。(※)


(※ こちらオーストラリアでは、タクシーではドライバーと並んで前に乗るのがマナーです)

Posted at 2012/06/18 17:16:45 | コメント(1) | トラックバック(0) | 自転車ネタ | 日記

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「サーキット上は止んでる?こっちはまた降り出したで。雷も」
何シテル?   03/15 15:39
オーストラリアに住んでいます。 熱くなった昔の愛車の写真とか、足車で買ったフィット(現地名 Jazz )を少しでも乗りやすくしていくお話をしたいと思います...
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