それほど大きくないメルボルンのダウンタウン。その北の端に市民病院はある。保険に加入していれば、私立病院でもそれほど追加費用を払わずに治療を受けられるのだが、普段病気やらをしない自分は、節税対策なども考えず、保険には入っていない。なので、Medicare だけで無料治療がうけられる市民病院や Medicare をサポートしている開業医に行く事になる。市民病院といっても、税金をたっぷりつかって近代化を図っているので、時間外受付の待ち合い室もうっとおしい、重苦しい雰囲気があるわけではなく、照明は十分行き届き、壁にかかる薄型TVからはフットボール(オージールール)の放送が流れている。地元チームの大ファンの友人は今日の試合を見るためにアデレードまで車で行っているはずだが、どうやら今日は St Kilda は追いかける流れで、なかなかおいつくことができないようだ。さぞ友人のムードはよくないことだろう。
冬になって風邪も流行ったりしているし、金曜日といえばお酒がはいって怪我をする人もいることだろう。待合室にいる人たちは明るい顔などは目につかない。右手の皮がむけた指からはまだ血が少しずつしみ出しているようだが、まだ呼んでもらえないので、あまり体より低くしないようにしてソファに座って待った。洗面所に行って洗ってしまおうかとも思ったが、もう少しすればプロに綺麗に拭いて消毒をしてもらえるわけやし。近くに座っている人にはあまり血を見たい人はいないだろうが、サイクリング用のジャケットを羽織っているので、喧嘩して剥けたようには見えないと思いたい。
やっと中に呼んでもらえたのは、2時間半だったか、3時間だったか待った後だった。まずは手前の検査室でクレアというナースが簡単な状況の質問をして、右手を綺麗に消毒してくれた。ちゃんと名前を発音できているか気をつかってくれたり、少し話をして気持ちを落ち着かせてくれる気遣いは、看護士という人たちにはいつも頭がさがる。医者が見るまでは、ということで、その上に包帯や絆創膏はなし。他にも何カ所かぶつけているので、前回破傷風の注射をしたのはいつか尋ねられる。正直、覚えていない。過去10年以内ぐらいに受けていないなら必要があるし、そうでなくても、複数回注射して問題のあるものではないから、覚えてないなら、といって、注射される。痛み止めも二粒と小さい使い捨てコップの水を出してくれる。
それからまた外で待って、やっと中へ。医師が「まっすぐ行って右」と指をさしている先へ行くと、レントゲン室だった。あばらと肩の写真をとられ、すぐにまた外の待合室へもどされる。
また待ちぼうけをしたけど、しばらくしてやっと中によばれる。若い男性の医師が空いているブースを見つけて、そこで荷物を降ろして事情を聴く。あちこち骨をかるく「コツコツ」とたたいてみて、「これ痛いですか」とひとつずつ確認。どれも痛みはない。気を失ったわけでもない。吐き気なんかもない。ヘルメットもしてたということだし。関節もいろいろ動かしてみるが、痛みはない。大丈夫そうだな。とりあえず、今日は大丈夫だよ。もし調子が悪くなったり、頭痛がしたりしたら、すぐに来るように。
それでベンという医師は握手をしてくれて去って行った。それでまっすぐ待合室を横切って、外へでて、やってきたタクシーに乗って帰ったら、真夜中の12時が近かった。
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あれから1週間。この3日ほど、右肩の痛みが少し強くなった。週の真ん中ぐらいに会社においてあった自転車を電車で持ってかえって、駅前においてあった車に乗せて持って帰ったのだが、前輪をはずした自転車を載せるために持ち上げた時に少し負担がかかったのかもしれない。なんにせよ、まだ自転車で通勤しようとは思わない。自宅の近くのタイトな90度左へ曲がる角では、いつものように曲がれない。多分、右肩の後ろが引っ張られていて、伸びきっていなくて、左へ送りステアが十分にできていない。
今日土曜日にはまだ痛みがあって、肩甲骨の方に問題があるのかなぁ、とも思ったりしているけど、手を伸ばして叩いてみても何もないので、迷っている。くしゃみをすると、筋肉がひっぱられるのか、確かに体をこわばらせてこらえたくなる痛みがあるのだが。
デッドピクセル。脇のポケットにいれていた iPhone にはやはり何か衝撃があったのだと思う。

Posted at 2012/06/23 21:19:10 | |
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自転車ネタ | 日記