2015年12月05日

今週もクロエを連れて病院に行きました。鼻炎は、抗生物質の投与の投与により、ほぼ気にならないていどまで回復してきています。このまま完治するのか、ほどほどで治まるが、この子の持病としてのこるのか?は、今後の推移を見守るしかありませんが、最善を尽くしてやりたいと思います。

さて、病院の待合室にて薬と清算を待っている間の出来事。
この病院は、日本では珍しいNPOさんが野良猫や野良犬を救う事を救うために設立された病院で、毎週末、全国の保健所にて殺処分される寸前だった犬猫が救出され、里親会が開催されており、この日も、待合室の片隅で、猫を譲り受けるらしい母娘が病院のスタッフより、譲渡にあたっての説明を受けていた。
最近、世の中は物騒で、里親詐欺とか動物虐待などの事件も発生しており、まずは犬猫の命の安全を考え、厳しいルールや対策を考えて譲渡されている。
その長時間にわたる説明の最後に、ワクチンや不妊手述の費用+一時預かり金等を支払う段階になり、その額2万数千円という額が聞こえた。
そこで娘(中学生位)の方が 「え、譲渡してもらうのに、そんなにお金が掛かるのですか?」「お母さんごめんなさい」と泣き始めた・・・
母は、「イイのよ。大丈夫だから」 と娘に言いきかせ、スタッフに当然と言う態度で支払った。
それでも娘は「何か助成金制度はないのですか?」「お母さんごめんなさい、ごめんなさい」と泣き続けた。
娘の自分のために母にとんでもない負担を掛けてしまったと言う気持ち・・・
娘の気持ちを何よりも大切にしようと毅然と振る舞う母の思い・・・
その家庭に譲渡される猫の幸せを願うスタッフ達の気持ち・・・
その場にいたお医者さん、スタッフ、私、皆、何とも言えぬ複雑な展開、そしてどの気持ちも切実に理解できて、ちょっと苦笑い・・・
私も野良猫は10匹ほど保護して、関東近辺、遠くは滋賀までお届けしてきた。
毎回、その治療費や交通費は、2、3万から多い時には5万は超える。
その費用をいただいたことは無いが、それは、幸いな事に、現時点では、少し余裕があるからで、このNPOさんは、すでに千匹を超える犬猫を救ってきており、それ程の数の命を無償で救うことは無理なのだ。
日本では、野良猫は、無料で手に入るものと言う、保護の現場を知らない無知な思い込みがある。英国やドイツなどでは、ペットの販売は禁止されており、犬猫を飼う際には厳しいチェックを受けNPOから譲渡されるしくみ、またそれを支える数十億円の寄付を集められる文化になっている。
いろんな立場の人達の子や犬猫を大切に思う、強い気持ちが入り混じった場面に遭遇し、目頭が熱くなった事を、妻に気付かれないように、「ちょっと車まわしてくる」と病院の外にでた。
Posted at 2015/12/05 18:44:48 | |
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