2010年10月19日
独立行政法人 放射線医学総合研究所
ストレスをコントロールする脳内物質の作用メカニズムを解明
ラジカル≒(酸化)ストレスとする
ラジカル、アレルギー仮説。
さすが放医研はお見通しです。
毎度の事ながら本当にびっくりしてしまいます。
概要)
これまで報告されていない神経活動が、ストレスに関わる事を初めて示した。
脳内に放出されるカンナビノイド※1が、この神経活動を抑制することによりストレスに対処していることを明らかにした。
■独立行行政法人放射線医学総合研究所(理事長:米倉義晴、以下、放医研)分子イメージング※2研究センター分子神経イメージング研究グループ(須原哲也グループリーダー)の辛龍文(しんりょんむん)主任研究員らは、ストレスを感じた時に脳内で起こる神経活動について研究を行い、ストレスに対処するメカニズムの一端を明らかにしました。
今回の研究では、ラット脳の神経活動を記録し、これまで報告されてきた神経活動とは異なる別の神経活動がストレスに関わっていることを見出しました。さらに、ストレスを感じた時に脳内に放出されるカンナビノイドという物質がストレスを抑制することを明らかにしました。今後、PET※3を用いて脳内カンナビノイドのイメージングを行うことによりストレスの定量化が可能となり、ストレスの客観的な診断につながる可能性があります。
本研究は、放医研と米国ハーヴァード大学との共同研究による成果で、2010年10月19日午前4時(日本時間)、米国科学アカデミー紀要※4のオンライン版に掲載されます。
なお本研究は独立行政法人日本学術振興会の科研費、基盤研究(B)(課題番号19390309)の助成によって遂行されました。
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次に、このLTPの脳内での修飾機構を調べました。神経活動が活性化した状態では、細胞が脱分極※12状態になっており、この時、脳内カンナビノイドという物質が放出されることが知られています。これまで報告されていたNMDA受容体が関わるLTPはカンナビノイドでは抑制されないため作用メカニズムが不明でした。今回、新しくカイニン酸受容体が関わるLTPがあることを示したので、これにカンナビノイドが作用するのかもしれないと考え、カンナビノイド受容体を刺激する類似物(anandamide)を加えた状態でLTPの誘導を試みました。その結果、
LTPが抑制された(図2C)ことから、カンナビノイドはカイニン酸受容体が関わるLTPに作用していることが明らかにされました。また、細胞を人為的に脱分極状態にして繰り返し刺激をしたところLTPが起こらなくなり、ここにカンナビノイド受容体ブロッカー(AM281)を加えるとLTPが誘導されることが分かりました(図2D)。これらの結果より、ストレスなどで扁桃体神経細胞が活性化した状態になると持続的に脳内カンナビノイドが放出され、そのカンナビノイドによってLTPの誘導が抑制されているというメカニズムが推定されます。
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カンナビノイドが不安障害の治療に効くと言う報告があり、海外では脳内カンナビノイドの濃度を上げる薬を用いた臨床研究が進められてきましたが、その作用メカニズムは不明でした。恐怖などのストレスを感じた時にLTPが起こり、これがストレス記憶の基本要素であると考えられてきましたが、これまで報告されてきたLTPはカンナビノイドでは抑制されませんでした。今回の研究により、カイニン酸受容体が関わるLTPが存在することが発見され、そのLTPがカンナビノイドで抑制されることが明らかとなりました。これにより、初めて脳内カンナビノイド濃度を上げる薬が不安障害の治療薬となりえる根拠を明らかにしました。
一般的にストレスの程度は本人の主観のみから論じられ非常に曖昧なため、個体間の比較などが不可能でした。また不安障害になりやすい気質の実体も全く不明でした。ストレスにさらされると扁桃体ではカンナビノイド濃度が上昇するという他グループの報告と本研究成果を考え併せると、扁桃体でのカンナビノイド放出をPETを用いてイメージングすることにより、人でのストレスの程度の定量化ができ、客観的な指標が得られ、例えば不安障害になりやすい度合いを診断できる可能性があります。
カンナビノイド受容体リガンドは既に多く存在しており、本所の世界最高水準の分子イメージング技術を用いて脳内カンナビノイド放出をイメージングする方法を実用化し、ヒトでのストレス指標として用いて不安障害の診断に応用したいと思います。
※8 LTP
Long term potentiationの略。何らかの刺激により神経細胞間の伝達が持続的に向上する現象。現在では学習と記憶の根底にある主要な細胞学的メカニズムの一つであると広く信じられている。
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あとは金沢大学の
研究内容:生体恒常性維持機構としての自然免疫、特に細胞性免疫応答の細胞貪食反応の研究
3)取込: 目印分子が受容体に結合すると,取り込み反応を誘導する情報が食細胞内に伝達されると予想されます。この貪食シグナルの伝達機構は,線虫での遺伝学的解析を中心として明らかにされつつあります。私たちは,精巣セルトリ細胞の貪食誘導性ホスファチジルセリン受容体について,ホスファチジルセリン結合後のSR-BIを介した細胞内情報伝達経路を調べ,MAPキナーゼ経路の活性化が貪食に必要であることを報告しました。現在は,SR-BIを介する貪食誘導と調節の仕組みを明らかにするために,SR-BIと結合する細胞内情報因子や,細胞骨格再編成を導く低分子量Gタンパク質経路の同定を目指しています。また,スカベンジャー受容体ファミリーは,細菌認識受容体としても働くことが提唱されており,その一員であるSR-BIは感染免疫にも働いている可能性があります。一
方,炎症時に産生される生理活性脂質であるエンドカンナビノイドが,カンナビノイド受容体を介してマクロファージの貪食反応を調節することを見いだし,微生物感染時の貪食反応調節と微生物排除の仕組みを調べています。
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大麻とカンナビノイド
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これらの研究はいまだ途上です。最後の研究内容は2011年3月の内容の和訳。
記憶と免疫とストレスに関係するエンドカンナビノイド及びカンナビノイド受容体
これらは放射性セシウムを語るときなどに有効な機序の一つと推測されますが
いまだ研究途上である、と言うことしか現段階では申し上げることが出来ません。
Posted at 2012/01/18 23:11:21 | |
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