キッシンジャー元国務長官が来たそうだ
そしてドジョウはTPP参加を伝えたそうだ。
ニクソン政権、ユダヤの大物キッシンジャー。
ロックフェラーの番頭が本当かどうか走りませんが・・・
親中派のトップでもあります。
沖縄返還の当事者でもあります。
最終通告と何かの脅しに来たとしか思えない特使なんですが・・・
TPPの裏の顔をさらしてまで来た・・・
残念ながら米中の枠組みの中で、日本は埋没せざるを得ないようです。
そしてアメリカは中国をパートナーとして選んだという事が明らかになりました。
「貧国の覚悟」が必要かもしれません。
勝ち目なんてなかったということです。
悔しいなあ。
おまけ
キッシンジャー元国務長官が中国について語ることの難しさ
2011年 5月 24日 17:27 JST ..
【ニューヨーク】「質問に対する答えが分からないのではない」--。ニューヨーク、パーク・アベニューの角地にある、歴代米大統領や外国首脳のサイン入りの写真が飾られた広いオフィスで、キッシンジャー元米国務長官は考え込むように話した。「今このインタビューでその件について話すべきかどうか判断しかねるのだ。わたしはインタビューを打ち切り、これ以上話すことを拒んだとあなたが書いたとしても構わない」
米国務長官を務めたキッシンジャー氏にこうした逃げの姿勢を取らせるとは、どんな痛烈な質問だろうか。1970年のカンボジア侵攻から、チリのサルバドール・アジェンデ政権を崩壊に追い込んだ1973年のクーデター、米ニクソン、フォード両政権内で繰り広げられた縄張り争いまで、キッシンジャー氏が答えにくい質問は事欠かない。だがインタビュー開始から数分後の筆者の質問は「過去における中国の脆弱性の原因は何だったか。また、現在では?」という、穏やかな質問だった。
これを話題にしたのは偶然ではなかった。インタビュー時に、キッシンジャー氏の16冊目の著書「On China(仮題:中国について)」の発売が間近に迫っていたのだ。キッシンジャー氏は質問の3分の2を中国関連に割くとの条件でインタビューに応じた。新著に関する取材に応じるのは筆者が初めてだったという。筆者は、未来に向けた、著書の内容を超えた質問をするという条件でこれに同意した。(筆者の「On China」についての書評はインタビュー翌日の5月12日に本紙に掲載された)
88歳の誕生日を今月末に控え、相変わらず活発で知的にも鋭いキッシンジャー氏は、筆者がオフィスを訪れた時には上機嫌だった。だが最初の質問がキッシンジャー氏と同様にノーベル平和賞を受賞した中国の民主活動家、劉暁波氏に対する中国政府の対応についてだと分かると、同氏は表情を曇らせた。
キッシンジャー氏は「彼の著作を読んでいない」と前置きした上で、「私の印象では、中国政府は『ジャスミン革命』(政権転覆につながったチュニジアの民衆デモ)の影響に極端に敏感になっており、もしデモが広がれば米国政府が支持に回るのは分かっている(と思っている)ため、ジャスミン革命がそれを誘発するようなことはすべて阻止しようとしているのだろう。中国政府の厳しい監視をこう解釈している」と述べた。
続けて、中国政府の劉暁波氏に対する対応を非難するかと尋ねた。キッシンジャー氏は「これについての私のポリシーは、(中国の指導者)と対話せよということだが、私の個人的な見解は、中国政府を公然と非難をしてはならないということだ」と語った。
「中国政府に人権問題をうまく提起する方法、また間違ったやり方とは」という先の質問より一般的な質問もした。キッシンジャー氏はこの話題を繰り返し自著で扱っており、米国がこの問題で沈黙を保つのは難しいとする一方で、「特に中国のような歴史的体験についての考えを持つ国では、対立により人権主義を押し付けようとしても自滅的な結果を招く可能性が高いのは過去の経験から明らかだ」と述べている。
米オバマ政権については「本質的に正しいことをしている。すなわち、一般的な見解を明確に示した上で、非公式の話し合い向けには別の概念を維持している」と評価。「米国の政治家は圧力や経済制裁で求められる態度以上にはっきりとした態度を人権問題でも示せるはずだ」とも話した。
このポイントをもう少し詳しく説明できないか求めたところ、同氏は「このことについてさらに話したいとは思わない。いくつかの件で干渉したことがあるし、私が民主主義制度の方がよいと考えていることに疑いを挟む余地はない。だが人権問題に対する影響力を維持するため、公の場での非難に加わったことはない」と語った。
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「影響力の維持」が、キッシンジャー氏が1977年に政権中枢を去って以降の経歴を大きく特徴付けているのはもちろんのことだ。同氏は様々な方法でこれを実践してきた。数え切れないほどの雑誌記事や新聞コラムに加え、ベストセラーとなった回想録や外交論文を執筆した。米政府高官の相談役や、非公式で非常にセンシティブな政権内や海外政府高官との「特使」を務めた。さらに多くの企業を非公開で顧客に抱える国際コンサルティング会社、キッシンジャー・アソシエーツの創設者でもある。
同氏の多様な役割は、問題視されたこともあった。同氏は2002年、キッシンジャー・アソシエーツの顧客名を公表するよう求められ、「9・11委員会」の委員長職を辞任した。一方、1989年には中国の反体制物理学者、方励之氏が北京の米国大使館に逃げ込んだ件で米中政府間の仲裁役を務め、同氏の米国への亡命を成功させた。方氏は、現在では米アリゾナ大学で物理学を教えている。
それでもなお、キッシンジャー氏の多様な個人的役割が同氏の公式見解に影響や制限を与えるのか、また与えるとしたらどの程度なのかはわからない。人権問題への質問で同氏の忍耐が限界に達しているのを感じ、筆者は「アラブの春」と呼ばれる中東諸国の民主化運動や、これが中国に波及する可能性に話題を変えた。
同氏は「『アラブの春』は必ずしも民主化運動ではなく、大衆化運動だと思う。中国が政治分野で直面している課題は自国の経済変化が政治の発展に及ぼす影響だ」との見方を示した。
その後同氏は長い間黙り込み、「正直に言って、このインタビューでこれ以上話すことが有益かどうか分からない。中国の人権問題について意見を述べたいなら、インタビューの様な形式で話すべきではない」と語った。
では、ちょうど話題に上った、中国の経済成長が政治の発展に及ぼす影響について話そうと考えた。米カーネギー国際平和基金研究員のミンシン・ペイ氏が著書「China’s Trapped Transition(仮題:中国の変遷に潜む罠)」で示した、一党独裁体制の中国では真の経済改革は決して果たせないとの議論について意見を求めた。キッシンジャー氏はこの著者も本も知らなかったため、筆者が論旨を要約した。
キッシンジャー氏は一般論として、「次の段階では、(中国政府は)政治的現実と、改革の影響下でこの20年間に起きてきたこととを合致させなくてはならないだろう」と主張。筆者はさらに、米グーグルの件を例に挙げ、中国政府が経済改革を後退させつつあるように見える点についてどう思うか尋ねた。同氏は「政治改革の問題は次の指導者グループ次第となるところが大きい」と述べた。
筆者はキッシンジャー氏の幅広い人脈を知るチャンスが訪れたと感じた。胡錦濤・中国国家主席の後継者となることが確実な習近平・国家副主席に会ったことがあるか尋ねると、キッシンジャー氏は「ある」と答えた。
「彼についてどんな印象を得たか」
「中国の指導者の場合、以前に会ったことがあるといって、その際の印象で判断することはできない。序列が上がれば、他者との違いや、対案すら、示すことは無意味になる」とキッシンジャー氏は断じたが、習氏は胡主席よりも「自己主張が強く」、文化大革命で被害者となった一族の出身であるため、「伝統的な中国政府の見方とは違う見方を提供するだろう」と示唆した。
この新たな観点は今まで以上に国家主義的なのかという問いに、キッシンジャー氏は「国家主義は重要な役割を果たすだろう」と述べた。
この答えを受け、最近相次いでいる南シナ海での中国の強硬姿勢に米国と同盟国はどう対処すべきかを尋ねた。キッシンジャー氏は再び、永遠かと思うほど長い間沈黙し、「これについて考えたことがないという訳ではない」と答えた。筆者はこれがキッシンジャー氏の著書の最終章のテーマだったことに気づいた。
キッシンジャー氏は長い沈黙の後、「これはまさに私が最終章で述べていることだ」と話し、晴れやかと言ってもいい表情をみせた。「米国はアジアの一部であり続けなくてはならず、そのために多くの国との関係を維持しなくてはならない。だがこれは軍事的な封じ込め政策に基づいてではなく、中国にとって協調的な選択肢となる枠組みの中で実現されなくてはならない。果たして、これができるのかどうかが我々の課題だ」と強調した。
こうくれば、台湾問題を提起することは避けられない。少なくとも筆者はそう考えた。米国が台湾に武器を売却した件について、キッシンジャー氏はそれ自体には反対しないものの、「長期的には対立につながる」との見解を示した。では、長期的に台湾の運命はどうなるのかとの問いに、同氏は「台湾の事実上の自治権が保たれた状態での」中国本土との交渉を提唱。香港をモデルとするのかとの質問には、「香港のパターンを超えるのは確実だ」と答えた。
これ以上のことは引き出せなかった。
「この問題について掘り下げる努力はした、とあなたは書けばよい」と言った上で、こう続けた。「お断りだ。書く必要のあるテーマについては既に著書で触れている。もうやめてくれないか。これは私がインタビューで話せるような小さな問題ではない。私は中国と対立するような戦略について、公式なかたちで論じるつもりはない」
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キッシンジャー氏は90分間の予定のインタビューで30分が過ぎた頃、こう語った。その後主に中東に話題を移し、雑談のような会話がさらに30分間続いた。キッシンジャー氏は思うままに明快にも、散漫にも、痛烈にもなれることを完璧に示した。だが中国に関しては、注目に値する発言をさらに二つ行った。
一つ目は「私は米中間の政治的関係におけるオプションを保持しようとしている」という個人的な発言。
二つ目はむしろ予言的な発言だった。「お互いのつま先を踏みつけ合い、相互の誤解が続き、最終的には対決が回避できない状況に陥るのを避けるため、中国政府と十分な協力パターンを実現することはできるのか。われわれが小さな戦争の終結方法も知らないという事実を考えると、両国が衝突の解決方法を知っているというのは期待薄だ。将来に期待するかと聞かれても、答えはノーだ」
二つの発言はおそらく、キッシンジャー氏の米中関係に対する基本的な見解を示唆している。両国関係はすでに非常に脆弱なため、キッシンジャー氏が新聞のインタビュー程度でも率直な意見を述べてしまえば、レールから外れる恐れがあるのだ。あるいは、単に自らの「影響力を維持する」ことに期待を抱いているのかもしれない。
少なくとも一つだけ明確にできたことがある。インタビューの翌日、キッシンジャー氏から追加して欲しいコメントが寄せられた。「劉暁波氏の投獄を遺憾に思う。同氏が釈放されることを強く求める」