
鏡の国のアリス 広瀬正・小説全集・4
(広瀬正・小説全集) (集英社文庫) [文庫]
内容(「BOOK」データベースより)
銭湯の湯舟でくつろいでいた青年は、ふと我に返って驚愕する。いつの間にか、そこは「女湯」に変わっていたのだ。何とか脱出した彼が目にした見慣れぬ町。左右が入れ替わったあべこべの世界に迷い込んでしまったらしい。青年は困惑しながら、新しい人生に踏み出そうとするが―。「鏡の国」を舞台に奇想天外な物語が展開される表題作ほか、短編三編を収録。伝説の天才が遺した名作品集。
[感想]
鏡の国のアリスと言えばルイス・キャロルの小説ですが、またまた広瀬氏の小説になります。
この短編集ですが、以前よんだ2作品
「エロス」と
「マイナス・ゼロ」と比べると一歩劣る感じでしょうか・・・
「鏡の国のアリス」
う~ん、いまいちと言わざるを得ない・・・
設定は面白いとは思うのですが、それだけでした。
私の次男が左利きなのですが、少しこの点で考えさせられました・・・今でこそ右利き左利きで差別的なものは全くありませんが、この本が刊行された当時は、まだそれが生きていたようで、時代によってはこの内容もセンセーショナルで面白かったのかもしれません・・・
「フォボスとディモス」
これも、いまいち・・・火星から帰還した地球人の本物なのか火星人に作られた偽物なのかの非常に重要な判断を、証拠とは思えない内容で判断してしまう軽率さに閉口してしまいました・・・無能な地球人を書いた短編でしょうか。
「遊覧バスは何を見た」
これは、「エロス」「マイナス・ゼロ」で通じるものがあり、時代に翻弄された人々のダイジェストを見ているようでノスタルジーな物悲しい物語でした。
短編4編の中では非常に良かったです。
「おねえさんはあそこに」
読んでて徐々にアレ?アレ?っと全体像が見えてくる。
よく潰されなかったなな~・・・と、子供は容赦ないぜ・・・
Posted at 2011/01/25 16:40:11 | |
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