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あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF) [文庫]
テッド・チャン (著), 浅倉 久志・他 (翻訳)
内容(「BOOK」データベースより)
地球を訪れたエイリアンとのコンタクトを担当した言語学者ルイーズは、まったく異なる言語を理解するにつれ、驚くべき運命にまきこまれていく…ネビュラ賞を受賞した感動の表題作はじめ、天使の降臨とともにもたらされる災厄と奇跡を描くヒューゴー賞受賞作「地獄とは神の不在なり」、天まで届く塔を建設する驚天動地の物語―ネビュラ賞を受賞したデビュー作「バビロンの塔」ほか、本邦初訳を含む八篇を収録する傑作集。
≪八篇題名は下記≫
「バビロンの塔」(Tower of Babylon)
「理解」(Understand )
「ゼロで割る」(Division by Zero)
「あなたの人生の物語」(Story of Your Life)
「七十二文字」(Seventy-Two Letters)
「人類科学の進化」(The Evolution of Human Science)
「地獄とは神の不在なり」(Hell is the Absence of God)
「顔の美醜について --- ドキュメンタリー」(Liking What You See : A Documentary)
年末年始を挟んでしまったので、読み進めるのに時間を要してしまった・・・また、前半の三篇「バビロンの塔」「理解」「ゼロで割る」が読みづらく(つまらなかった・・・)、これも時間が掛かった原因と言わざる得ない、個人的には本書の構成を変えたほうが良いと思う。
八篇の中では最後の「顔の美醜について --- ドキュメンタリー」が解り易いので一番面白かったかな・・・もしかしたら、最後になってようやくテッド・チャンの文章構成に慣れたからかもしれませんが・・・
では一遍ずつ簡単に感想を・・・
「バビロンの塔」
う~ん・・・正直つまらない伝記ファンタジー、いつ面白くなるのかと期待したが特に盛り上がる事もなく終わりました。
「理解」
事故の治療によって超知性を得た主人公の物語です。超知性の物事の捉え方などアイデアとか目の付け所は非常に面白い・・・けど、なんか取っ付き難かったです。
最後、超知性同士の戦いになるわけなんですが・・・展開は全く面白くありませんでした。
「ゼロで割る」
どんな内容かも忘れかけている・・・とにかく読みづらく半分飛ばし読んだ・・・テッド・チャンの作風に慣れて再読したら違ってくるかもしれませんが、非常につまらなかった。
「あなたの人生の物語」
相変わらず読みづらく読み進めるのは結構しんどいが・・・読み進めるうちに全てが纏まる。
書き方・構成・アイデアが非常に上手い・・・素晴らしい。
テーマ的には、ある意味2篇目の「理解」と被る部分がある。
普通であれば主題となりそうなエイリアンとの遭遇が物語のテーマの中ではきっかけにしかなっていない所が面白い。
再読したら、より理解が深まりそうな作品。
「七十二文字」
呪術が現実のものとして生き科学として捉えられている、パラレルワールドの19世紀後半のお話。
七十二文字の呪符(プログラム)で色々って・・・感じなんだけど・・・
前半面白かったのですが、後半、正直よく解らなくなっちゃいました。
「人類科学の進化」
読み飛ばしちゃいました・・・
「地獄とは神の不在なり」
七十二文字同様パラレルワールドのお話。
天使降臨(自然現象のよう)、天国と地獄が現実に存在する世界、天使降臨は病や体の障害を取り除いてくれる奇跡がある一方、死に至らしめたり障害を付与することもある・・・迷惑極まりない・・・。
この天使降臨に翻弄される人々の物語なんですが・・・無駄な宗教観や倫理やらでグダグダで発想は面白いのに勿体ない感じ。
宗教を皮肉ってるのかな・・・思い切ってギャグ路線にしたほうが爽快感があったかと思う。
「顔の美醜について --- ドキュメンタリー」
「人は見た目が9割」って本を以前読みましたが、その見た目を平均化する仕組み「カリー」を導入するか否かって話をドキュメンタリータッチで描いた話。
この作品は他の作品と違って非常に読みやすい。
個人的には内面と外面は対となるものだと考えてますので、「カリー」には反対ですね・・・見た目を意識しないという事は、見た目に関する努力を怠るという事で、それは内面の堕落に繋がるのではないでしょうか・・・結果、両面ともダメダメ
全体として、テーマ・アイデアは非常に秀でているが、余計な倫理を持ち出す部分や読みづらさがスッキリしませんでした。
Posted at 2011/01/07 14:27:55 | |
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