ゴルフ・オールトラックに乗って、もう一度ステーションワゴンについて考えた

　30数年前に運転免許証を取った時は、日本車にはステーションワゴンがごく少数しか存在していなかった。ライトバンはたくさんあったけれども、人間も快適に乗れることを前提としたステーションワゴンというクルマのカテゴリー自体が一般的ではなかったのだ。

　ライトバンは荷物運搬用だからシートや装備が貧弱だったり、乗り心地やハンドリングなどもベースとしている乗用車よりも劣っていた。乗用車のセダンの動力性能と快適性を損なわずにボディ後端を伸ばして荷室を拡大したのがステーションワゴンで、ヨーロッパやアメリカのメーカーはたくさん造っていた。

　思い返してみれば、ステーションワゴンという概念そのものが当時の日本ではまだ理解されていなかったのだろう。休日にスポーツやレジャー用の道具を積み込んで郊外に出掛けて行くというライフスタイルそのものが、まだ稀なことだったのだ（続きはこちらから）。