読影をしていてやっぱり苦手だなぁと感じるのが肺疾患、特にびまん性肺疾患です。
今回は間質性肺炎(UIP/IPF、NSIP)について勉強したので少しまとめてみました。
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UIP: usual interstitial pneumonia 通常型間質性肺炎
慢性かつ進行性の経過をたどり、肺の高度繊維化が進行して不可逆性の蜂巣肺形成をきたす予後不良の疾患である。

①UIP pattern
・病変が胸膜直下、肺底部優位に存在する。
・蜂巣肺あり。牽引性気管支拡張も伴うこともある。
・網状影を呈している。
・
Inconsistent with UIP patternを呈さない。(陰性所見)
↓
↓
・上・中肺野優位
・気管支血管周囲優位
・広範なすりガラス状陰影
・多発する粒状影
・蜂巣肺と異なる嚢胞
・びまん性のモザイク状陰影・air trapping
・区域性の浸潤影
②Possible UIP pattern
・病変が胸膜直下・肺底部優位に存在する。
・網状影を呈している。
・Inconsistent with UIP patternを呈さない。
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NSIP:nonspecific interstitial pneumonia 非特異性間質性肺炎
NSIPはIPFより予後は良好で、病変が空間的・時間的に均一である。
両側下肺野優位にGGAやconsolodationが胸膜下/気管支血管束に沿った分布を示す。
・
cellular type:GGA(ときにconsolidation)が主体で内部にair bronchogramを認めることが多い。気管支血管束周囲に沿った分布が主体である。
・
fibrosing type:不整な線状・網状構造が重積したnetwork patternが様のGGAが主体で、consolidationが優位になることはまれである。

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UIP/IPFとNSIPの鑑別は??
治療・経過・予後といった観点からIPFとNSIPの鑑別は重要!!
UIP/IPF⇒蜂巣肺の範囲が広い、網状影が多くGGAが少ない、上肺野に斑状分布の索状構造が見られるなどの所見。
NSIP⇒胸膜直下の病変がspareされる、気管支血管周囲性分布を示す、GGAの占める範囲が広いなどの所見。
NSIP patternの画像は膠原病肺、過敏性肺臓炎、薬剤性肺障害でも見られるので、背景因子の検索が重要です。
いや~教科書のような典型的な画像ばかりではないですし難しいですね(^^ゞ
例によっていつもお世話になっているこちらの教科書を参考にさせていただきました。
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Posted at
2014/09/07 12:22:05