
私が自分でお金を払って手に入れた最初のクルマがKP61でした。
最後の「後輪駆動スターレット」でありました。当時、テレビでオベアンダーソンというラリードライバーが山道をカッとんでいくCMを流していて、それを目にしていた私は、すごいエンジンを積んでいるスポーツカーだと思い込んでいました。
実際に中古車を買ってみると、それが全くのイメージ戦略に過ぎないことがわかりました。だって、非力すぎるエンジンで全然吹き上がらない。吸気排気ともパーツを総入れ替えしないかぎり、まともに走らない代物。よくもだましてくれたな!って感じのクルマでした。非力すぎて公道では怖いくらいだったんで。
トヨタって、昔からこういうことばっかりするんです。AE86にしても、ノーマルでは全くたいしたことない!(KP61よりはマシだが)頭文字Dはあくまでマンガの世界であって、少々いじったくらいではあんなことは有り得ない。私がノーマルのワンダーシビックSIRを運転すれば、ノーマル86には絶対に負けません。
しかも、我がKP61はマニュアルシフトでしたがなんと4速!5速はスポーツ仕様のグレード(sだったっけ?)専用・・・スポーツグレードといっても全然低グレードのものと大差ない・・・
唯一、気に入ったのがシフトフィーリング!コクンコクンと決まりました。
それがフツーと思っていたのですが、次の愛車スーパーシビックのシフトを使ってみて、実は「素晴らしいフィーリング」だったことを思い知りました。
実車が届いたら、真っ赤な中古車でサイドに黄色い車名のステッカーがドア下半分に・・・いくら20代前半のオーナー(私のこと)といっても、こりゃあさすがに恥ずかしくて、全塗装をお願いしました。
黒は再塗装見え見えになるので避けて、チョコレート色に塗り替えてもらったのです。記憶では12諭吉で仕上がりました。ため息が出そうなほど、美しいボディになりました。
板金塗装屋さんがとても立派な方で、コツコツと時間をかけてくれたので、エンジンルームの目につく箇所はすべて塗っていただいてました!ひと月近くかかったのはそういうことだったんですね。総支払50諭吉でやってもらいましたが、今から考えると、歴史的な名車でもあるまいに、そんな立派な仕上げをしてくれて、感謝すべきでした。
金のない私は、60回ローンで支払い始めました。毎日、仕事が終わると、山道を走りに出かけました。ドリフト遊びでした。誰に教えてもらうわけでもなく、下りでずりずりと後輪を滑らせるスリルを味わって楽しむようになりました。
ちょうど1年たったころ、深夜のアイスバーンでドリフトを・・・失敗して谷底に落下・・・全損でした。横倒しになった愛車から、潜水艦のハッチを開けるような格好で脱出しました。エンジンは停止していましたが、イエローバルブに換装していたヘッドライトが谷底で寂しげに点灯しておりました・・・嗚呼。
Posted at 2020/07/18 13:33:44 | |
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