E320カブリオレを引き取りに行った日は雨だったため、事故の有無しかロクにチェック出来なかった。
朝、仕事に行く前に、じっくりとチェックし、その後知り合いの工場に持ち込み素通し車検をお願いするつもりだ。
ガレージを開けるといきなりヘッドライトの曇ったカブリオレと対面。まぁ、こんなもんは、しょうがない。
外装を見まわす。両ドア二枚は塗ってる。汚い仕上がりだ。レベルの低い仕事。
タイヤの製造月日を確認。2002年の46週!10年タイヤを替えて無い。前オーナーはブランド好きだがパンツを履き替え無い性格の方だったんだろう。
細かなパーツの欠品が目立つ。いちいち注文しないといけない。極上車と聞いていたんだが?
トランクを開ける。CDチェンジャーがネジ止めされずに鎮座していた。査定したなら戻しとけよな。
続いてボンネット。開けた瞬間はキレイに見える。・・・が数秒だ。呆れてしまう。これ、展示してたんですよね?高級車が何十台もあり、極上車だけを取り扱う店なんですよね?
取りに行った日、コの字パッキンからのオイル漏れが無いのは確認。今日はカバーを外す。・・・やれやれ、オイル漏れがタップリだ。というか、このクルマ、おそらく消耗部品を一切交換してない。
エンジンルームがあまりに汚いのでジャッキで上げて下を覗いて見た。
絶句・・・・・遺跡発掘??砂の彫刻??・・・これ、整備どころか点検も出来ないじゃん・・・
いや・・・きっと新たなコーティングなんだろう。オシャレな大都会の東京で半端無い汚さのまま展示してるワケが無い。僕よりも目利きの出来るオシャレな人達が放りっぱのクルマを展示してる店で買うワケが無い。雑誌にもバンバン広告を売ってる店だ。
そう、泥パックエステみたいなもんなんだろう。泥でパックしとくと劣化を防いで、燃費が良くなるみたいな・・・そう思う事にした。
クルマを知り合いの工場に持って行き車検と点検をお願いしといた。
「ついでに下回りも洗っといてくれます?」と最後に付け加えといた。
しかし、このベンツで何よりもムカついたのがウッドパネルと灰皿、そしてアンテナだ。アンテナはTVアンテナが付いていた。酷い付け方で。(おそらく大型量販店の仕事)だがオーディオは純正のラジカセだ。当然、ラジオは聞けない。
ひび割れたパネル。動かない灰皿。そしてTVアンテナ。
推測だが、このクルマは買取屋か中古車の営業マンにナビを盗まれている。
ベンツの客はナビなど付け替えたりしない場合が殆どだ。買い取った店だか営業マンが小遣い欲しさに無理やり外して、技術も無いのにパネルを取り外し、取り付けた。おかげでパネルにはクラック。灰皿は無理やり押し込んでるから動作しない。アンテナはそのまんま。この推理、おそらく当り。
どちらにせよカーペットの下は配線が無茶苦茶になってる事だろう。見飽きた光景だが毎回、呆れる。
クルマの内装を壊すのは殆どが業者だ。まあいい。クルマの神様からきっと天罰が下るはずだ。
仕事中、工場から電話があった。
「RAYさん、下回り洗浄、終わったよ。いや、半端無く汚かったわ。どこであんなの拾ってきたの?」
やれやれ・・・腕が良くても所詮は神戸のオッサン整備士。オシャレな街、東京で流行っている最新のトレンドを理解してない。
「あれはね、泥パックエステと言ってね、オシャレな・・・」
僕の話を遮るようにオッサン整備士は話を続けた。
「洗浄したらね、ステアリングのギアボックスからオイル漏れが酷いんだけど。あれは交換しないとダメだなぁ。あれ新品で取ったら高いよぉ。取りあえずリビルト探してるけど。ん?今、何か言った?」
「・・・えっ??ギアボックス?・・・いや・・・何も言ってないよ・・・そう・・ギアボックスがダメなの?」
泥パックエステ・・・・・・・・何の効果も無かった。
Posted at 2012/10/30 23:36:55 | |
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