「電球交換から株主総会まで」なんでもやるのが、我が総務部の仕事なのですが、その中のひとつに、「広報」という仕事も含まれます。
「宣伝」はまた別の部署がやるのですが、「広報」というのは、会社の窓口として各種問い合わせに対応したり、取材の窓口になったりする仕事であり、非常に神経を使います。
この「取材の窓口」という仕事、いろんなマス媒体から申し入れがあるわけですが、他の仕事で外部の人と接する場合と比べて、かなりカス人間と接する比率が高いと感じています。
もちろん、いい記者もいるし、いい会社もあるにはあるんですけどね。
電話では、取材を受けません。
何故なら、意図したものと違ったことを書かれると致命的ダメージを受けかねないこわい世界だからです。
なので、取材依頼があった場合、必ず取材意図や掲載・放送媒体や掲載日・放送日を書面にまとめた企画書を提出してもらって、社内で検討してから返事をすることになっています。
前置きが長くなりましたが、昨日も取材依頼の企画書がFAXで送られてきました。
仕事上の文書をネットで晒すのはルール違反ですし、私もクビになって路頭に迷いたくないので、支障のない程度になるのはお許しください。
内容はこんな感じです。
*******************************************************************************
(前略)
この度、小誌にて『母必読の放射能食生活ニュース』という企画を進行しております。
下の内容で取材をお願いいたしたく、企画書を送らせていただきます。
(後略)
【企画趣旨】
(前略)
福島第一原発からの放射能汚染で、現在食の安全ということに小誌読者も大変敏感になっております。
小誌読者層40~50代の母親世代が中心で、子どもやママ友とよく利用する外食産業の食材は安全なのかという懸念が広まっております。
そこで、全国に展開する外食産業を検証する企画を進めております。
以下に、質問内容を明記しております。
ご回答の程、何卒宜しくお願い申し上げます。
【質問内容】
1.御社に属する店舗で福島・栃木・群馬・茨城・千葉などの関東近郊の食材を使ってらっしゃいますか?
2.使っていらっしゃる場合、どのメニューにどの産地の食材を使っていらっしゃいますか?
3.食材を扱う企業として、企業努力・心掛けていることがありましたら、教えてください。
【取材方法】(略)
【掲載媒体】(書けません)
【掲載予定日】(略)
*******************************************************************************
どう思います?
私は、この企画書を読んだ時、あまりにも馬鹿らしくて腹立たしくて、隣のパートさんがちょっとひくぐらい、しばらく自分の席で悪態をついてしまいました。
もちろん、私が悪態をつかなくても、会社もこんな取材は受けませんがね。
でも、彼らはこう書くのです。
「○○○○株式会社 無回答」といかにも逃げたようにね。。。。
こんな馬鹿企画が載った雑誌が長年何十万部も売れてるんですよね。
そして、美容院の待ち合いなんかで読みかじったおばちゃんの一部がまたそれを口コミで撒き散らすわけです。。。
これは今回の震災にかぎったことではありません。
BSE、鳥インフルエンザ、中国野菜、虚偽表示などの食に関する問題が起こる度に同様の取材依頼がまいこんできます。
これって誰得だと思います?
誰も幸福にならない記事です。
言うまでもなく、「子どもが心配」という心理につけこんだ売らんがためのクズ記事です。
正直、ここでこんなことを書いているのが、相手に見つかるとどういう報復されるかわからんのがマスコミ世界のこわいところです。
書けるギリギリラインで書きました。
おつきあいありがとうございました。
Posted at 2011/04/21 22:16:35 | |
トラックバック(0) |
雑感・雑記 | その他