2011年10月18日
こんばんわ
天野です
ポルシェにはなぜ目玉があるのでしょうか?
先般、福野礼一郎先生の、スーパーカーファイル2を読んでいて、わかったことがありました。
現在の997型でも、目玉が復活するほど、やはりポルシェは目玉がアイデンティティですよね。
現在のポルシェはそれほどでもありませんが、古いポルシェには目玉に後ろに「太腿」と言われた、フェンダーが張り出しておりました。
実は目玉は、ヘッドライトの高さを保つということもあるのですが、強度と視界を確保するうえで必要不可欠だったのです。
車のスカットル(ダッシュボードや、インパネの上部やフロントガラスとの間の部分。)の地上からの高さは、地上からの高さが一定ならば、高ければ高いほど車の強度は増します。
(当然ですね、厚いものの方が強度は高いわけです)
ポルシェのような比較的背の低い車でスカットル高さを稼ぐと困ったことが起こります。
そう、前が見えないのです。
そこで、前が見えるように、フロントのボンネット高さを下げます。
リヤエンジンのポルシェなら、エンジン高さに邪魔されないので、かなりボンネット高さを
下げることができます。
スカットルが高く、ボンネットが低く。ライトは固定式。
そうなると必然的にあのカエルのようなフェイスになるわけです。
ところで、ここで一つ、革命的レーシングカーご紹介しましょう。
フォードが打倒フェラーリを目指して作ったレーシングカーフォードGT40です。
こいつは、ミドシップの純然たるレーシングカーですが、スポーツカーデザインに
革命的なことをやりました。
コックピットをぎりぎりまで前進させ、フロントノーズを短くしたのです。
これで、もはや視界に悩まされることはなくなりました。いわばキャブオーバーのトラックみたいなもんです。
そこで、ポルシェのようにボンネットを下げずに、まったいらなノーズを実現したのです。
この驚愕のデザインは、その後のスーパーカーデザインの下敷きになったと先生は考察しています。
ミウラしかり、カウンタックしかり。
GT40本物は高いですが、フォード渾身の現代版レプリカ、フォードGTは中古車市場にたまに売られております。
お値段は新車のポルシェと変わらないぐらいかな。
歴史に残るこの一台、フォードのブランド名が災いしたような気もしますが、内容を考えれば、恐ろしくお安いスーパーカーかと思います。
私もいつか、とひそかに狙っています。

こちらは本物

こちらレプリカ
Posted at 2011/10/18 00:36:15 | |
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ポルシェよもやま話 | クルマ
2011年01月27日
古雑誌読むのが趣味な私
古いカーグラフィックをよみかえしておりましたら、敬愛するポールフレール師匠が寄稿していた。
エンゾフェラーリ師匠との対談。
当時彼は、フェラーリのワークス(おかかえ)レーサー。
フェラーリが直線で遅かったので、どうして空力の改善(空気の抵抗を減らしてより早くすること)をしないのだと尋ねたところ、
「わかっているだろうが、空力などというものは、良いエンジンを作れない者がやることなのだ」
と言い放ったらしい。
頑固おやじだ。
よくレースで勝ち続けられたものだ。
でも全盛期の本田宗一郎師匠も似たり寄ったりだったかも。
周りで働いていた良いエンジニアは、上役をだまくらかすのもうまかったのかもね。
Posted at 2011/01/27 21:21:05 | |
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2011年01月21日
本日は駆動方式とトラクションについてのつづき
前回は、エンジンが前についている車について解説いたしました。今日は、エンジンが後ろについている車に仲間についてお話いたします。
エンジンが後ろについている車には後輪の後ろにエンジンが置かれているタイプと、後輪の前、あるいは車体の中央部にエンジンが搭載されている仲間とがあります。前者をリヤエンジンリヤドライブ(RR)
後者はミッドシップ(MR)と称します。
エンジンがリアにおかれて、リヤを駆動するというのは、トラクションをかけるという意味では非常に理にかなった駆動方式で、エンジンと、駆動輪がそばにあるため、エンジンから動力を伝達するための、シャフトなども不要です。
スペースもコンパクトにまとまり、室内も広く取れます。
このような方式を取り入れた車両はかつてはたくさんありました、たとえば国産車では、スバル360などの小型の軽乗用車群、海外ではフォルクスワーゲンビートル、フィアット500などです。
あとは身近なところでは、大型のバスなどもリヤエンジンリヤドライブです。
さて、いいところばかりのようなRRですが、困ったことがあります。トラクションはいいのですが、エンジンが重くておしりが重いので、前輪に荷重がかからないので、曲がりにくい、あるいは限界を超えると突然ステアリングの特性が変わってしまうということです。
ポルシェにはじつはここに最大の利点と欠点があります。
ポルシェはその始祖になるポルシェ356の時代からRRレイアウトをとっていましたが、それはベースとなるフォルクスワーゲンがRRレイアウトをとっていたからです。
まだ911に比べて小さく軽く、スピードも遅い356のときはさして問題にならなかったということも言えましょう。
一方大きく重く、そしてパワーが増した911は、初期モデルはとんでもない欠陥を抱え込むことになります。突然のリヤタイヤの横すべり、そしてスピン、いわゆるファイナルオーバーステアです。
ポルシェはさまざまな策を講じますが、結局決定打はなく、初期のモデルはなんと、フロントバンパーに20キロの重りを仕込むという荒業でなんとかステア特性を改善しようとします。
結局これらがある程度解決を見るのは、ナローポルシェの終盤から、930がでた74年ごろまでかかってしまいます。
ポルシェは後ろのタイヤが太くて、前は細いタイアをはいている車が多いのですが、じつは、リヤタイヤにかかる負担は非常大きいため、太いタイアをはいているという事情があります。
こうした欠点はあるのですが、ポルシェは、このリヤエンジンであることに味があります。つまり、トラクションの掛かりがよく加速がいいということです。
また前のタイヤにはどうしても荷重がかかりにくいので、コーナー前ではブレーキで、荷重を前に移動させて、しっかりステアリングを利かせてやらねばなりません。
スローインファーストアウトですね。
さて、ミッドシップレイアウトですが、
ポルシェの356のプロトタイプも実はミッドシップでした。しかし、ロードカーでは、ミッドシップはなかなか作るのが難しいのです。特に大きなエンジンを搭載したスーパーカーではエンジンの場所がとられて居住性が悪くなってしまうからです。
ロードカーとして、ミッドシップとして成立したのは(あちこちから石が飛んできそうですが)カウンタックと、マクラーレンF1、それとBMW M1ぐらいではないでしょうか?
一連のフェラーリのミッドシップがV8のモデルを残して、V12モデルは基本フロントエンジン、ミッドシップV12はエンゾのような超高級な車だけになったのも、本物のミッドシップロードカーをでかいエンジンで実現するのは難しいということの表れです。
コンパクトな車体で、低い重心で、巨大なエンジンを車体の中央に搭載するというのは居住性をまったく無視したものになりますので、レーシングカーならいいですが、ロードカーとしてはなかな成立しないということです。
大変長くなりましたが、ポルシェのミッドシップレーシングカーといえば栄光のルマンに登場した917Kですね。あれは長大なフラット12を軽自動車並みのホイールベースに搭載したため、ドライバーのアクセルペダルの位置はなんと前の軸中心より前にあるというものすごいレイアウトです。キャブオーバーなみですね。
このぐらいコンパクトに仕上げることは難しいんです。
Posted at 2011/01/27 21:19:16 | |
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ポルシェドラテク | クルマ
2011年01月19日
本日は駆動方式とトラクションについて一席。
この間、ある方にRRとかFRとか、トラクションとか申し述べておりましたら、何のことか分からんといわれました。
自動車評論家とか、マニアはとかく分かりにくい言葉を使うのは世の常です。
たまには分かりやすく書いてみましょう。
世の車には、エンジンの搭載位置と、駆動輪(動くタイア)の関係がいろいろありまして、世の中のほとんどの車は、エンジンが前についております。
エンジンが前についている仲間の中には、前の車輪を駆動するものと、後ろの車輪を駆動するものがありまして、前の車輪を駆動するものを前輪駆動、後ろの車輪を駆動するものを後輪駆動といい、エンジン搭載位置とあわせて、前者をFF(フロントエンジンフロントドライブ)、後者はFR(フロントエンジンリヤドライブ)と申しております。
さて、エンジンの搭載位置との関係で、問題になるのはトラクションです。
トラクションは、車輪が地面をけって前に進ませようとする力のことです。
トラクションは、車輪にかかる荷重に比例します。ですので、エンジンのような重いものが、駆動輪と一緒にあるといいわけです。
そんなら、なんでFRなんていく駆動方式があるんだということになります。
ところがどっこい、車は走り出すと重心が後ろのほうに移動するんですよ。最近の車ではあまりないかもしれませんが、急加速をしている車が、車体前方を上げて走っているのを見たことはありませんか?(昔の刑事ドラマなどでおなじみ)あのように、重心が移動することで、後輪にトラクションがかかるのでです。
ですので、FFの車ってのは以外とエンジンが前輪より前にぶら下がっています。そうしないと、走り出したときに前輪にうまく荷重がかからないからです。
昔のアウディ(80とか100)などはエンジン縦置きFFで、これでもか、というぐらいエンジンが前車軸より前にありました。直進安定性トラクションは抜群でしたが、なかなか曲がらない車だったと聞いたことがあります。
逆に某国産メーカーはFF車のエンジンを前車軸より後ろにくくりつけ、FFフロントミッドシップ(エンジンを車の中心に搭載すること)なるコンセプトで売り出しました、運動性を高めようという意図だったのでしょうが、荷重がうまく前輪にかからなくて雪道は大変だったと聞いたことがあります。
FRはあんまり緻密な設計をしなくても、そこそこのものができますが、FFは緻密な設計をしないと、とんでもない駄作が生まれることがあります。
逆に、FRであれば、エンジンを前車軸より後ろに持って行っての、フロントミッドシップはありなわけですね。(ボンネットがめちゃくちゃ長い車はこのレイアウトを取っていることが多い、ロングノーズショートデッキというやつです。)
ポルシェの中でも、FRレイアウトを採用した、ポルシェ924,944.928シリーズは、フロントのエンジンをなるべく後ろに積むことはもちろんですが、変速機まで車体後ろに持って行くことにして、後輪に十分荷重がかかるようにするとともに、前に重量物が集中しないように工夫しています。
これをトランスアクスルレイアウトと申します。アルファロメオの古いFR車や、フェラーリ599、日本車では日産GTRが採用しております。
いずれにしてもエンジンのような重量物は、トラクションのことを考えなければ、できるだけ車の中心に近く、前輪後輪の間に入れて搭載したほうが、運動性能は高まります。
さて、次回は、エンジンが後ろにある仲間について解説いたしましょう。
Posted at 2011/01/27 21:16:45 | |
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