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2021年06月14日 イイね!

2020年式BMW320d xDrive M Sport感想文

2020年式BMW320d xDrive M Sport感想文


友人が長年保有していたボルボV40からBMW3シリーズへ買い替えを果たした。8年前、前保有のV40を検討していた当時、一緒にAクラスや1シリーズに試乗し、私は別で個人的にCTにも試乗することでプレミアムブランドのエントリーモデルを横並びで堪能するいい経験が出来た。当時は各社が特徴を出しながら、プレミアムブランドに興味がある層を吸引しようと魅力的な新商品が多く出た時期であった。

かつて国産高級車と輸入車の間には価格帯に大きな隔たりがあったが、輸入ブランド側が大いに国産車に歩み寄ることで今まで上級国産車を選んでいた層が輸入ブランドにチャレンジしたくなる契機のようなモデルが多くデビューした時代である。そのセグメントもいまやFFが当たり前となり、各社がクルマの個性というよりコネクテッドやらエモーショナルデザインに傾倒していく昨今、たっくる氏は(メーカーの思惑通りに?)ステップアップを決断。品質とアフターサービスに重大な懸念があったブランドからの乗換えに至ったというわけだ。

BMW3シリーズは言わずと知れたかつてのエントリーモデルである。現代の5シリーズの祖先となる1500(ノイエクラッセと呼ばれた)の縮小版である02シリーズが源流である。




そういえば小学校の時に、オレンジの02に乗っていた先生が居たので今でもマルニを思い浮かべるとオレンジ色をしている。(そう言えばあの麻生元総理大臣も若い頃はマルニに乗っていたらしいと雑誌で読んだ)



3シリーズとしては1975年に初めて歴史に登場している。5シリーズをベースとした軽快な2ドアサルーンだったが、1982年の2世代目で4ドアが登場してメルセデスベンツの190Eと共に日本でも大ヒットした。私が通っていた中学校では技術家庭科の先生が若い頃に買った320iをピカピカにして乗っていた。



1990年の3代目はグッと現代的なプロポーションを得つつ、エンジン搭載位置を後ろに引いて運動性能を飛躍的に向上させ、アルテッツァに大きな影響を与えている。



その後も小型スポーツセダンの世界的ベンチマークとして君臨し続けて世界累計販売1500万台を記録したBMWにとっても最重要モデルともいえる3シリーズは2019年のフルモデルチェンジを受けG20型を名乗った。友人が購入したのはG20系の320d_XdriveのM Sportである。

現行型は2019年にデビューし、始祖である02シリーズの様に5シリーズと同じP/Fを使うことになったが、それどころか7シリーズとも同じP/Fであるというから、P/Fのもつ柔軟性は相当に高い。
先代よりも110mmも全長が伸びて軸距は40mm伸びたのは兄貴分に引きずられたとも言える。

スリーサイズは全長4715mm、全幅1825mm、全高1440mm、軸距2850mmという立派なものになった。最大の競合車といえるメルセデスベンツC200は全長4690mm、全幅1810mm、全高1425mm、軸距2840mmと少々BMW3シリーズよりコンパクトだ。いまの日本で似たサイズを探すならレクサスISが挙げられる。4710mm×1840mm×1435mm、2800mmと非常によく似た諸元であるが、これは競合車なのである意味当然である。自分にとって分かり易い比較対象はやはりプログレとなるのだが、プログレは4500mm×1700mm×1435mm、2780mmだから、較べれば215mm長く、125mm広く、5mm高く、70mm長い。完全に格上の車である。(当たり前だろ)

駐車場でねっとりと車を見せてもらったが、さすがプレミアムカーと思うのはボディの素材にアルミが惜しみなく使われていることだ。例えばフードはプレスによって作られたアルミフードで、サスタワーはアルミダイカスト製だ。後者はリブが配置されており剛性を高めている。



アルミは高価な材料なのだが惜しみなく各部に活用されている。エンコパ内を見ているとエッジ部のシーラーがふんだんに塗りたくられており、さらに塗装は艶々のアルピンホワイト。「高級車だからメンテナンスはディーラー任せ、どうせエンジンルームなんて見ないから、上塗りは不要、無駄なところにお金をかけるのはお客様に失礼」的な小賢しい屁理屈を並べ立てる事無く、愚直に積み上げる防錆に対する意識の高さ、長く使おうとするユーザーの期待を裏切らない姿勢はまさしくプレミアムブランドに相応しいもので感銘を受けた。

ボディスタイルはBMWである事は主張するが、適度な範囲に収まっているのは好ましい。ボディサイズが大きくなったこともあり、室内空間に不満な点は無い。大きなセンタートンネルを必要とするFRであることを意識させない広さだ。なにもミニバンやSUVを買わずとも家族三人でお出かけすることも十二分に対応可能な実用性がある。走らせるとボディサイズの大きさにより持て余すかと思いきや、不思議なことにワインディングではその時だけ車体が縮んだかのような扱い易さを見せてくれる。少々、ステアリングアシストの力が強すぎたりして工事で片側通行の道路を走ったときに看板に突っ込みそうになったり、車線維持装置が過敏でかえって疲れてしまったり、まだ運転支援技術とドライバーズセダンとしての立ち位置に埋めなければならないギャップがあったことも事実だが、個別調整により大幅に改善するので大きな欠点になっていない。

更に高速道路ではガッチリした車体の醸し出す安心感を背景にハイペースの走行をしても一切の恐怖感を感じさせない。仮に何か怖いなと思うことがあればブレーキさえ踏めば安全に危険から遠ざかることが出来る。試乗当日は久しぶりに会う友達とドライブを楽しみながら320dと半日を共に過ごした。近況報告や320dの印象などたくさんの話題に富んだ会話の端々で「BMW」という単語が出るたびに、今度は320dのBMWインテリジェント・パーソナル・アシスタントがすかさず会話に割り込んでくるのを楽しんだ。

自動車業界には徐々にEVシフトの波が迫ってきている。そんな2019年にデビューした3シリーズは5シリーズを基準に7と3を共通P/Fで開発したという。既にエントリーモデルはFF化が完了しているが、3シリーズ以上は商品として古典的なFRセダンを貫かねばならない。ボディサイズ拡大はその影響をもろに受けているが、それでもなんとか3シリーズを3シリーズらしくまとめようとした意思を感じた。3シリーズが他ブランドよりも有利なのは、そもそも古典的なプレミアムセダンのBMCとして君臨しているので自ら立ち位置を探してあれこれと自分探しのたびに出なくてもよいということだ。制約はあれどもとにかくBMW自身が信じる自らの立ち位置から動く事無く駆け抜ける歓びを体現するセダンを作ればよい。このクラスのセダンは何となく「スポーティ」を売りにしたグレードが前面に立つことも増えており、本来は「走り命」なBMWが本領を発揮するはずだ。私が始めてBMWを運転したのは2003年頃で、同級生のお父さんの宝物のZ3に乗せてもらった。ウエット路面を走っているとは思えないグリップ感、1900ccとは思えない強烈な加速。こういう味わいが今回試乗した320dでもちゃんと感じられた。スポーティを身上とするBMWはしっかり得意としてきた伝統の味を守って商品にしている。こういった永続性こそがプレミアムブランドに必要でころころと売れ筋の商品だけを店頭に並べれば良いというわけではないことをよく理解している。

買ったばかりの車をわざわざ予定を合わせて思いっきり運転させてくれた友人に大感謝。
Posted at 2021/06/14 23:04:19 | コメント(3) | クルマレビュー

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「@シケイカ★わらしべマダムキラー さん 愛車がスクリーンに!かと思ったら、まさか中の人とは!これは見るしかない。」
何シテル?   04/18 22:49
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