• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

freureinのブログ一覧

2011年01月31日 イイね!

つきもの。












右肩がずっと凝っていました。




僕はそれを揉んだり叩いたりして、
何とかほぐそうとしていたんです。



原因は何かと考えれば、
それは不景気でうまくいかない仕事か、
言うことを聞いてくれない彼女か、
寝心地の悪いベッドか、


そんなことしか浮かばなかったのです。







原因を何とかしようと躍起になっても、
余計におかしくなるばかりで、


もうこの肩凝りとは、
上手にお付き合いするしかないと、
ちょっと諦めていました。






だってほら、
誰にだって持病みたいなものの、
ひとつやふたつ、
あるものでしょう?





肩凝りぐらいで死ぬわけじゃないし、
我慢できることならすれば済むこと、
そう思っていたんです。








凝りが酷いときは、
つい眉間にしわを寄せたりしてしまうけれど、


仕方ないじゃないか、


それだけ僕は、
毎日一生懸命頑張っているのだよと、
自分に言い聞かせながら、
過ごしていたわけです。






それが。







肩凝りが、
なくなったんです。






不思議なくらい、
すっと、
なくなったんです。









憑き物が落ちるというのは、
こういうことなんじゃないかと思いましたよ。







朝起きたら、
普段は石のような肩と首が、
羽根のように軽くなっていて。






その前日は休日で、
僕は歯医者に行きました。



歯並びをほんの少し整えて、
噛みあわせをよくしてもらって、


その後、
帰って部屋の掃除をしました。







忙しくて、
なかなかできていなかったことでした。






部屋にはいらないものがたくさんあり、
ごみ袋に5つ分のがらくたを処分しました。




処分している途中に、
母の写真が出てきました。






小学生の僕と、
まだ若い母の写真でした。





母とはもう何年も話していないことに、
気がつきました。




心のどこかで、
僕は彼女に対して恨みがましい感情を、
抱いていて、
ろくに話すらしてませんでした。






そこで、
田舎の母に、
電話をしました。






何の様だね?

と、

相変わらずの憎まれ口をたたかれながらも、
また顔見せなさいと言われ、




普段なら、

忙しいんだよ。

と、
返しているだろうところを、



ありがとう。



と、
返していたんです。








きっと、

噛みあわせがよくなったからに、
違いありません。







それだけです。







肩凝りがなくなってからというもの、
僕の周囲は変わっていきました。




人ともめたり、
いらいらしたりが減って、
時間にも余裕ができているように感じます。







人のせいにすることをやめると、
とても楽だということにも、
気がつきました。






自分が気にかかることを、
すぐに片付けるようになりました。





自分ひとりでできないことに、
無理をしなくなりました。





悩んで夜更かしも、
しないようになりました。





それを彼女に話したら、
とても喜んでくれました。






そしてそんなことを、
心から幸せだと感じています。





こんな話を長々と、
聞いてくださってありがとうございます。





では、
これから仕事に行ってきます。










Posted at 2011/01/31 09:46:07 | コメント(0) | トラックバック(0) | 文書保管庫 | 日記
2011年01月31日 イイね!

新月の夜。








ろうそくがもう短くなっちまった。




今宵は月も見えねえで、

おらのぼろ提灯の明かりで照らされる、

おらの足元だけがかろうじて歩いてやがる。




あたまン中の道筋たどって、

ぼろ長屋までこころぼそく歩いてんだ。




今宵はいつものおつっあんとこで、

いい酒でもねえが、

うめえ酒呑んで呑まれちまったよ。



提灯が揺れてんだか、

おらの足元が揺れてんだか、

ちょいと区別がつかねえなあ。





この先はええっと、

四辻をこっちにまがって・・・と・・・・









『ぐええええっ!!』









どさん・・・・










な・・・・なんでい・・・・・・




ざかざかざかざかざか


提灯をあげれば、

黒い影がこっちに向かって擦り寄ってきてるじゃねえか。





ぎらりと鈍い光がひらめく。





ひいいいいい!


辻斬りかい!!




なんでこんなとこに居合わせちまったんだ、

間が悪いにもほどがあるぜ!!!





『おい!』


『ひいいいい!

い・・命だけはご勘弁を・・っ!』




逃げようにも千鳥の足じゃあ飛ぶに飛べねえ、

すくんで拝むしかがたがたがたがた。






『提灯をよこせ』



『へっ、へへいっ・・

・・・・・しかしあの・・・・

もうろうそくがほとんど残ってないんでして・・・・』



『いいからよこせ』





ぎらり。




ひいいいいい!






ぼろ提灯欲しけりゃくれてやるってんだ、

頼むから追っかけてこねえでくれ!



足がもつれてひいこらひいこら、

けつまづいてはよつんばいで、

逃げて逃げて逃げて、

ほうほう、

逃げおおせたか、

・・ほうほう、




・・こっちはどこやら、

道に迷っちまったじゃねえか・・・・






どっかのお屋敷の軒の影だが、

しばらくおらを隠してくれい、

心の臓がやぶれっちまうよ、

ほうほう・・・・






がた。







『・・・・どちらさまか。』


扉のむこうは主の声か。


『夜分すまねえ、

道に迷っちまって・・』



『今宵の暗がりじゃ仕方あるまいて、

あかりをお持ちいたしましょう。』


『おお・・ありがてえ・・

このご恩忘れませんぜ、

お名を頂戴できゃあせんか』


『よいから気をつけてお帰りなされ。』


『へい!かたじけねえ』





ああしかし・・・

今宵はとんだ災難だぜ、

たまんねえ酒もとんじまったぜ。





ざりざりざりざり・・


足音だってたてたくねえ気分だ・・・




ざざりざざりざざりざざり・・・・



ん?

後ろに誰か・・・・・



ざざりざざりざざりざざり・・・・・・



『おんなし方向ならお供いたしゃあしょか』



『・・・・』




なんでい、返事もしねえで。




ざざりざざりざざりざざり・・・・・・





まあいい、

ひとつの提灯がふたりの足元をてらしゃあ、

御仁の提灯はふたつ仕事をしたってもんだ。



もらいもんが名乗らずのやからにゃまたもらい福、

それでいいんじゃねえか、



『おっと、おらはここいらで失礼するが、

よかったらこいつを使ってくれい、

どうせもらいもんだ・・・』







提灯をかざせば、


黒い影がゆらりと動き、


提灯を受け取ると、


また暗闇に消えていっちまった。








Posted at 2011/01/31 09:44:16 | コメント(0) | トラックバック(0) | 文書保管庫 | 日記
2011年01月31日 イイね!

ギルティ。







少年は、

小さな瞳で見ていた。



カマキリが、

カマキリを食うところを。



じっと。




目をそらすことなど忘れ、

その音までも、

聴いていた。




さて、


足と羽根のみを残し、

二体が一体になったのを、

見届けると、

少年は立ち上がる。




ひざの裏が痺れている。



三角の顔が、

少年をまた、

じっと見ていた。



目をそらせない。



足がすくんで、

後退できない。



やがて日暮れを知らせるチャイムが鳴る。



暗くなる。

闇が来る。

帰れなくなる。



少年はつばを吐いた。

何度も吐いた。



やがてカマキリが草陰に身を隠す。



少年は這うように、

来た道を逃げていく。



背後には巨大な釜。

口にはカマキリの味。




家の暖かな光に、

母を求め、

その胸に頬を着地させる。




母の手には、

カマキリの腹が握られていた。









Posted at 2011/01/31 09:43:05 | コメント(0) | トラックバック(0) | 文書保管庫 | 日記
2011年01月31日 イイね!

ビリジャンの瞳。




『アマルフィに行きましょう』


彼女の誘いは、いつも突然だ。

しかも、言う事が突飛だ。


『後数年のうちに、
あそこも世界遺産登録なんてされて、
今の環境が維持できなくなるわ。
その前に行っておきたいの』



彼女は、
真っ赤なクーペに乗っている。

結構な遠方であっても、
それで出かけるのだ。


今回は、
五指に入るくらいの遠出で、
空港に着いた私に、
酔い止めと水を用意してくれていた。


運転が、少々、あらい。


高速道路を降りると、
視界が急に明るく開け、
海沿いに出る。


断崖の海岸線の、
細いワインディング・ロードを、
慣れた様子で走る。


窓を全開にし、
彼女の赤毛とビリジャンの瞳が、
鮮やかに輝く。


彼女は、
いつも黒い服を着ている。

この日も、
暑いくらいの日だったにもかかわらず、
黒のハイネックに黒のスラックス、
履きこんだ黒の革靴で、
薬品のにおいを漂わせていた。


道の脇には、
栗の木の青や、
レモンの木にかかった羅紗の黒、
小さな赤い花、
断崖、入り江にへばりつく建物、
すべてが流れていく。


一段と深い入り江の街は、
アマルフィ。


一面陽の光を浴びて、
紙粘土を張り付けたような人工物が、
白く浮き出ている。


レモンチェッロをソーダで割り、
ぐびぐび飲みながら、
細い路地を、
迷うこともなく歩く彼女。


私はもう、息が上がっている。


もうどこだか分からない。

壁に囲まれたくらい路地を抜けると、
広場があり、
広場の隅っこの暗い路地に、
また入り込んで進む。


明暗にくらくらする。


不意に彼女は立ち止まり、
上に向かって、

『Ciao!!!』

と、大声をあげる。


古い白壁の建物から、
女性の声が聞こえてきたかと思うと、

いきなり私の脇のドアが ばんっ 
と開き、
花柄ワンピースのでっかい中年女性が、
黒服の彼女に突進し、
何かを叫びながら抱きついた。


二人は、
満面の笑顔で何かを話しているが、
私にはイタリア語は分からない。


汗だくで突っ立っている私に、
二人はまた笑顔を向けた。


『彼女はローザ、私の友人よ』


彼女の住まいには、
たくさんの絵が置かれていた。

飾るというより、
置かれている様子から、
それは彼女の描いたものだと分かった。


からだに巻きついた脂肪を、
ぶるんぶるんさせながら、
花柄の彼女はキッチンに舞い込んだ。

黒服の彼女は、
慣れた様子で、
テラスに私をいざない、
古い椅子に座った。


そこからの景色は、
息を吸うことも忘れるくらいの、
あまりにも美しいものだった。


入り江にへばりついてまで暮らす、
その心は瞬時に解せた。


呆然とする私の、
背後からパイ生地のいいにおいがしてくる。


横を見れば、
黒服の彼女は、

なんと、
うたた寝をしている。

いや、目を閉じているだけか。



よくよく考えれば、
私は彼女と十年以上付き合っているわけだが、
彼女のことはよく知らない。

こんなイタリア人との仲だって、
さっきはじめて知ったのだし。


口数だって少ない。

最低限の会話で、
私たちは付き合ってきた。


それでいいと、
また、今もそう思っている。


風が、あまりにも心地よい。



こんな時間を、

過ごせているだけで、

もう、他に何がいるか。



歌声が近づいてきた。

花柄の彼女は、
片手にワイン、
片手にでっかいパイを持ち、
近づいてくる。


そして、また何かを言った。



『ねぇ、ミュウ、今彼女はなんて言ったの?』


彼女は目を開け、微笑んで言った。




『あなたの娘は、きれいな黒髪ね、と言ったのよ』













Posted at 2011/01/31 09:42:02 | コメント(0) | トラックバック(0) | 文書保管庫 | 日記
2011年01月31日 イイね!

メモリアル・ファスナー。








雨の日の喫茶店には、


ラッコの店員がいる。




ラッコが二本足で注文を取りに来る。






『ご注文はお決まりでしょうか?』





毛皮が濡れてつやつやしている。


くりくりした目は、

傷がついたらかわいそうなくらい、

キュートだ。




『ホットココアで。』




ぺこりとお辞儀をすると、


よちよちと下がっていく。





純喫茶には似合いの使い込んだ猫足の椅子。

ビロードのクッションはちょうどよい感じにくたびれていて、

僕はここが大のお気に入りだ。



一番奥の二人がけの小さな席で、

待ち合わせまでの時間を、

のんびり過ごすのだ。





あと、

小一時間はあるかな。





仕事かばんから読みかけの小説を取り出し、

ふう、と、

背もたれにからだをあずける。





ふと気がつくと、

ラッコの店員が、

ホットココアをよちよちと運んできていた。





『お待たせいたしました。』




『ありがとう。』




店内の電球色に照らされて、

歩いた後の濡れた床が輝いている。




ココアを口に運び、

ソーサーに返そうとして、

そこに挟まっていた小さな紙切れに気づく。




片手に持っていた文庫本をおいて、

それを拾う。








『ファスナーが。』







あ。




ゆっくりと紙きれを胸ポケットにしまい、

ゆっくりとへその下のファスナーを閉める。





そしてココアをこくりといただく。





ああ、小説。

どこまで読んだか忘れてしまった。




いや、待ち合わせ。

窓がないから、雨の具合が分からない。





まだ時間はあるから、

もう一杯いただこうか。





『すみません。』





奥から店員がやってくる。


今度は蝶ネクタイをした、

革靴の男だった。





『おかわりを。』








ラッコより、小説だ。

えっと・・

まあいい、最初から読もう。

ああ、あれを栞にしよう、今度から。





ふふっ・・




何で笑ってるんだか。




そして二杯目のココアがやってくる。


革靴の音だから、顔を上げたりしない。





カップを取り上げ、

ソーサーを見ても、

そこには薔薇の花の柄が見えるだけ。







さ、時間が来た。

栞を挟んで・・・


・・・・・あれ。




さっきの紙がない。

胸ポケットをもそもそ探るが、

紙の感触に行き当たらない。





目線を落とす。

ファスナーは上がっている。






二杯目のココアをごくりと飲み、

まだ少し残っているがもういらない。





小説はまたふり出しに戻った。





店を出ると、

そこはさっきのラッコが歩きまくったであろう、

濡れて輝いている路面が広がっていた。







Posted at 2011/01/31 09:40:39 | コメント(0) | トラックバック(0) | 文書保管庫 | 日記

プロフィール

「禾乃登 [こくもつすなはちみのる] http://cvw.jp/b/924416/31022269/
何シテル?   09/02 14:31
   ふろいらいんです。よろしくお願いします。  このページでは、  写真と日記で毎日の生活を丁寧にしようなどと試みています。  車のブログ...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/8 >>

     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

リンク・クリップ

頂き物(^^) 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2014/03/13 09:25:12
空の神兵 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2013/01/17 14:18:58
後藤さんの活動。 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2012/06/03 00:33:31
 

愛車一覧

三菱 アウトランダー 三菱 アウトランダー
車に全く興味のない父が選んだ一台です。 でも、これが意外と走る走る。 キビキビしていて ...
スズキ ワゴンR スズキ ワゴンR
車椅子仕様です(^^) 軽自動車を運転するなんて、軽トラ以来何年ぶりなんですが、 やた ...
カワサキ 500SS Mach III (マッハ) カワサキ 500SS Mach III (マッハ)
18歳~26歳まで、乗っていましたが、 事故で大破し、さよならしました。 以来、 ...
アルファロメオ GTV アルファロメオ GTV
18歳から七年間乗りました。 赤のピニンファリナ、 大好物。
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation