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あきちん328のブログ一覧

2010年11月21日 イイね!

フェラーリ328購入記 第三章

翌週末、試乗に出掛けた。
K氏には、フェラーリ328とポルシェ964のNA、ティプトロ(オートマ)に乗りたいと伝えた。
自分の中では、未だ何も決めていなかった。
車を替えなければならない、必然性も全く無かったのだ。

K氏が運転席に乗り込み、キーを捻る。
少し弱々しくセルが回った次の瞬間、3.2L、8気筒エンジンが元気に目を覚ます。
ショールームに大きなエンジン音が響く。

悪くない。

ショップの前に車を出し、俺は助手席に乗り込んだ。
車内は狭く、天井も低いが、決して窮屈とは感じなかった。
K氏がドライビングのコツを口にしながら、ゆっくりと走り出す。
以前乗っていたポルシェを試乗した時と同じ内容だった。
フェラーリは高回転型エンジン。ローのクラッチミートも回転を上げてからと思っていた。
しかしK氏の話では、アイドリングで繋いでからアクセルを踏み込めば良いということだった。
K氏がアクセルを踏み込むと軽く回転数が上がって行く。
体が後方へ持って行かれる感覚。
頭の中では、以前のポルシェターボ2と比べていた。
実際にはわからないが、体感速度は328の方が速いと思った。
K氏が車を道の端に停める。
緊張しながら運転席に乗り込んだ。
K氏が先に運転してくれたため、328が非現実的な車ではないことはわかっていた。
少し重めのクラッチを床まで目一杯に踏み込み、ギアをローに入れる。
「サイドブレーキがかかっています」と言われ、シートの左にあるレバーに目をやる。
床まで下がっているので走り出そうとすると、K氏に止められた。
レバーを持ち上げると、抵抗無く軽く持ち上がる。
ボタンを押しながら、更に上に持ち上げてから下げると、サイドブレーキが解除されるらしい。
シートよりドア側に位置するそれは、乗降時の邪魔にならないように効いている状態でも下がる仕組みだという。
クラッチを押さえ込んでいる左足の力を少しずつ抜いて行く。
車体が揺れる。
アクセルに軽く右足を載せながら、更に左足の力を抜く。
ほぼアイドリングで走り出し、アクセルの感触を確かめながら、ゆっくりと踏み込んで行く。
2速、3速と加速すると、すぐに前の車に追いついてしまう。
パワステは装備していないが、問題なさそうだ。
近所を一回りして、ショップの前に戻る。
ドアを開け、低い屋根に注意しながら体を捻り、左足を車外に放り出す。
車高が低いため、地面がすぐ近くにある。

「降りたくない」

そう思った。
Posted at 2010/12/25 21:52:19 | コメント(0) | トラックバック(0) | フェラーリ328購入記 | クルマ
2010年11月13日 イイね!

フェラーリ328購入記 第二章

ポルシェを手放してから3年が経っていた。
そろそろ車を買い替えようと思ったが、現在生産している車には全く魅力を感じない。

やはりポルシェしかなかった。

前回、世話になった川崎のショップのHPは毎日欠かさず見ていた。
Kという営業マンがポルシェに惚れ込んでいて、いつでも数台の在庫を抱えている。
ターゲットはMTのみ。
やはりターボが良いと思っていた。
ある日、2台のターボ2が出た。
ショップに電話し、懐かしい営業K氏の声を聞く。
アポを取り、そうそうに現車確認に向かった。

メインの展示場から少し歩いた所に多くのポルシェが置かれていた。
964のNAが4、5台。ターボ2が3台。その他、ボクスターや968もある。
そこで営業のK氏と立ち話するが、奥に潜むターボ2を勧めてこない。
こちらの出方を窺っているのか?
ショールームに戻ると数台のキレイなフェラーリが並んでいる。
フロントガラスに掲示されている価格を見ると、相場よりはかなり安いが、自分にとって現実的な車は328くらいだった。

しかし、自分にフェラーリは似合わない。

理由はわからないが、そう思っていた。
暫くK氏と話していると、それとなく328を勧めてくる。
価格的には手の届かない距離ではない。
心配なのは、自宅の車庫に収まるか?
そして壊れないか?メンテは通常の範囲か?
K氏は、全く心配要らないと言う。
手の届くところにフェラーリがある。
この時は冷静な判断が出来ないと思い、とりあえず考えると言ってショップを後にした。
Posted at 2010/12/25 22:00:08 | コメント(0) | トラックバック(0) | フェラーリ328購入記 | クルマ
2010年11月12日 イイね!

フェラーリ328購入記 第一章

ポルシェに乗っていた。
1991年式。911のターボモデル。ターボ2という車だった。
3年。
一緒に過ごした日々が、今では一瞬のように思える。

仕事で知り合ったM氏が好きな漫画に出てくるポルシェ。
964の3.6ターボ
狩っているのはイケメンの若手医師だった。
俺は漫画を読まなかった。
通勤電車で漫画を読んでいるサラリーマンを見下していたからだ。
3つ上の兄貴に話すと、その漫画を持っていると言った。
当時発売されていた全巻を兄貴に借りると、一晩で10冊以上を読み終えた。

インターネットでポルシェの中古車を探した。
ターゲットは964のターボ。
暫くすると、ターボには2種類あることに気付いた。
3.3Lのターボ2と最終型3.6Lのターボ3.6。
漫画に登場する3.6は球数が少なく、相場が異常に高かった。
検索を続けると、安いターボ2を見つけた。
川崎の中古外車専門店。
問い合わせフォームからコンタクトすると、すぐに良い感じの返事が届いた。
電話で営業マンと話し、とりあえず現車を見に行くことにした。

初めて近くで見るポルシェの第一印象は「小さい」だった。
しかし、その存在感は馬鹿デカい国産車の比ではない。
恐る恐るドアを開けると、精密機械の様な「カチャ」という小気味良い音がした。
本革を贅沢に使用した車内から、革とオイルの混じったような匂いが鼻をつく。
嫌いではなかった。
キーを捻ると、直ぐにエンジンが目を覚ます。
頭の後ろでバタバタと騒いでいる。
「これがポルシェか」
アクセルは踏まず、ゆっくりとクラッチを繋ぐ。
車が動き出したら、ゆっくりとアクセルを踏み込む。
営業マンに教えられた通りにやってみた。
バカ重いクラッチには、すぐに慣れた。
スムーズに加速して行く。
3千回転を超えたくらいから、何かが体をシートに押し付ける。
ハンドルをしっかり握り、更にアクセルを踏み込む。
意識して顎を手前に引いた。
クラッチを繋ぎ、ギヤを変える。
7万キロを越えた車体が軽々と加速して行く。
ミッションの手応えも古さを感じさせない。
10分程度の試乗を終え、店の駐車場に戻る。
興奮を抑えられないまま「いいですね」と言うと、
営業マンは「でしょう?」と微笑んだ。

この時点で俺はポルシェオーナーになっていた。
Posted at 2010/12/25 22:06:30 | コメント(0) | トラックバック(0) | フェラーリ328購入記 | クルマ

プロフィール

「[整備] #デイトナ675 リアタイヤ交換 ピレリ ディアブロロッソ3 http://minkara.carview.co.jp/userid/924992/car/2421295/4488711/note.aspx
何シテル?   10/29 23:18
平成29年2月にプジョー208GTiのオーナーとなりました、東京都在住のあきちんです。 宜しくお願いします。
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