久々にホットな仕事ネタ書いてみようかなっていうそんな感じでw
これからの季節、新潟県民の皆様ほか日本海側地域の皆様にとっては白魔との闘いの季節でございますね。だからといって完全に仕事を休むわけにもいかず、ただひたすらにホワイトアウトのなかを聖地に赴く巡礼者が如く職場、学校に向かうわけであります。
そんな日常の足のひとつが高速バスな訳ですが、この乗り物、とにかく、
高速道路の状況と一蓮托生。
という特性がございまして。ええ。
早い話が、誰かが事故って道を塞ぐと全く関係ない第三者=バスのお客様を他の車のドライバー共々カオスのるつぼへ叩き落としちゃうという。まぁ普通の路線バスでもあり得る話ですが、高速バスの場合100km/hで走ってる区間でそれやられた日にゃあ、もう、
もうお分かりですね。半端じゃない大遅延になるんです。
本日朝は、雪。朝から雪。
一抹の不安を抱えながらも私はいつものように始業点検、点呼を済ませ出庫しました。
出発点呼の時に高速運転士には道路状況の申し送りがあります。この時点では「全線速度規制、三条燕から先は50km/h規制およびチェーン規制」でした。事故渋滞はこの時点では無かったんですね。
しかし出庫時の状況が覆されることはしょっちゅうです。時間が進むに従って交通量が増えていく。つまり事故発生確率は(お察しください)
6:45 長岡駅でお客さんを乗せる。今日のような天気の時の新潟行きの場合は出発前、忘れずに言わなければならないことがあります。
「お客様にお知らせ致します。本日雪のため、高速道路本線上では除雪作業が行われております。作業に引っ掛かった場合、新潟への到着が大幅に遅れることがございますのであらかじめご承知のうえご利用くださいませ。お時間に余裕のないお客様は新幹線のご利用をお勧めします。」
つまり、のっけからギブアップ宣言。
わかってる常連の地元のお客さんだけならいいのだが、たまーにいるんです。雪による遅れがどういったものか想像できないお客さんが。だいたい出張とかでこっちいらっしゃってる雪の無い地域ご出身の方々とかそのへん。
まぁ、最初から想像しろってーのは無理な話ですわな。なので、その辺のフォローもウテシのお仕事。
多少の遅れを出しつつも一般道区間をクリアし高速ゲートイン。高速入る前にも「今日は遅れるからよろしくね(はぁと)」的なことをしゃべっておく。駅から乗るお客さんは新幹線への切り替えようもあるが、駅から遠く離れた停留所から乗ってくるお客さんにとってはまさに高速バスが命綱。ここからだいたい県庁とかがんセンター辺りまでは新幹線+一般路線バス乗り換えよりも高速バスのほうが早かったりする。
俄然やる気がみなぎる、が。
期待はあっさりと打ち砕かれるのであった。三条燕で。
道路情報表示板には「この先事故 渋滞1km」
始まったよ・・・冬の新潟が・・・・・orz
しょうがないので停留所入る手前でその事をアナウンス。それまで「遅れることがあります」という表現だったのが「遅れます」という確定表現に。三条燕BSからは新幹線の燕三条駅が近いため、その気になれば乗り換えができる。停留所から乗ってくるお客さんにも、念押しのように「遅れます」と言いまくる。そして・・・・・
高速バスは、望まぬカオスのるつぼへと突入していくのであった・・・・・・モウアトモドリハデキヌ
結論から言うと、渋滞延長は1kmなんてもんじゃなかった。最低でも2kmは詰まってたと思う。現場では軽自動車とトラックがクラッシュしていた。積雪量は大したこと無いが、路面はアイスバーン。猛吹雪によるホワイトアウトというおまけ付き。この付近、なまじ雪の量が大したこと無いから油断したあげくアイスバーン+突風でスリップ+視界が利かない中で後続車突入という悪夢がよく起きるのである。
あぁ・・・遂に犠牲「車」が・・・と思いつつ反対車線を見やると、更なる悪夢が。
なんと反対車線でも、全く同じ場所で同時に別件事故が起きていたのである。なんということでしょう。
これはすなわち、帰りも渋滞にはまりながら帰らなければならないことを意味する。・・・・・折り返し前に確実にトイレに行っておかなければならない。いやマジで(切実)
黒パーを通過したのがこの時刻。本来は8:05に新潟駅に到着しなければならない。つまり、新潟駅到着予定時刻にようやく鳥原BSに着いたということだ。
巻潟東や鳥原から乗ってくるお客様には事故渋滞で遅れが出ていることを丁寧に詫びる。自分が悪いわけじゃないんですけどそこは大人の対応をするのです。バスに乗ってるお客さんは遅れの原因が目の前にあるわけなんでまぁ納得のしようもあるんですが、バスを待ってるお客さんにとってみれば訳もわからず時間になってもバスが来ないわけですから苛立つ。というかそれ以前に寒い。ゴッサムシティ新潟。
まぁもっとも、巻潟東のお客さんには目の前にぎっちり詰まった上り車線(反対車線)があったわけだからほぼ全てのお客さんが「察して」いたでしょうけど・・・w
(※ハイドラはアプリのみバックグラウンドで動かしています。回送時含め運行中に画面は開いておりません。休憩時のみ操作しています。いちおう念のため。)
(※チェックポイントの通過時刻が記録されるので、あとから遅延報告したり乗降調査書いたりするのに役立ちます)
(※あと、路線バスはこの道を走ってるよっていう宣伝も兼ねてるw みんなバス乗っておくれ-♪)
新潟市内突入時点で新潟駅到着時刻とっくに過ぎてますがな。市内は朝ラッシュ渋滞で詰まるのが常なので、さらに遅れ拡大。
車内には具体的に今何分遅れているのか、というアナウンスと同時に「遅延証明書が必要なお客様はお降りの際運転士にお申し出ください」とも言っておく。そうなんです。遅延証明書あるんです。真っ当な理由で遅刻したことを運転士が証明します。
んで、
終点新潟駅にはついに50分遅れで到着。長かった・・・・
が、
これで終わりではない。
折り返し長岡駅行きの出発時刻は9:00。
おわかりですね。
休憩してる時間なんて無いです。
40秒で支度しな!
グズグズするんじゃないよ!すぐ出発だ!!
脳内再生される某おばさん(船長とお呼び!)ボイスからめっちゃ急かされるように駅前ロータリーをぐるっと反転。速攻で乗り場へ。
本来、駅前ロータリーはBRTと市内線バスおよびタクシーが使うため高速バスは入らないことになっているが、折り返し時間が差し迫ったり突破しちゃってる場合はここを使ってターンする。つまり、ロータリー内に高速バスが出現した場合、ダイヤが大幅に乱れている(高速道路がアカンことになっている)と推測することができます。
走行軌跡には通常、回送ルートも描かれますが見事に営業ルートのみ。というか回送ルートが描かれた記録なんていろいろアレだからアップできないっすw
反転、乗り場につけての第一声。
「お待たせしました9時ちょうど発、高速長岡行きです。どうぞご乗車になりましてお待ち下さい。なおすみません
運転士はトイレ行ってきますのでちょっとだけお待ち下さい!」
運転士、トイレへ消える。
2分後。微妙に出発時間に食い込みそうになってるが、いそいそと出発準備をしながら重要なご案内を行う。
「出発前にお客様にお知らせ申し上げます。ただいま高速道路上、巻潟東から三条燕間におきまして事故のため渋滞しております。長岡駅への到着は大幅に遅れます(遅れると言い切る)。お急ぎのお客様、お時間に余裕のないお客様におかれましては新幹線のご利用をお勧めいたします。
・・・・・・・
・・・・・
・・
よろしければ、発車いたします。」
定刻から1分遅れること9:01、新潟駅前をスタート。
満席となった前半戦とは異なり、閑散とした車内。この時間ともなればラッシュが過ぎ去ることに加え不要不急の外出は控えるべき天候。事前に渋滞情報を仕入れ新幹線利用に切り替えたお客様も多いだろう。
市内各停留所でも乗車はまばら。乗客ゼロで通過した停留所のほうが多い。その少ない乗車人員とも相まってバスは軽快に市内を走破し、新潟中央ICをゲートイン。
鳥原BSでも乗降無し。なんとここまで僅か3分遅れで済んでいる。つまり、9:35頃に通過してるんですな。
それでは、こちらをご覧下さい。
北陸上り455KP付近でじょでぃーさん(みん友さん&フォロワーさんです。チルノ痛車乗り)とスライドした記録が。すいません全然気づきませんでしたw
そして時刻が。
時刻が。
10:39
つまり、鳥原BS(471KP)から455KPまでの約16kmの道のりを実に
1時間4分もかけたことになります。
計算すると平均速度は実に
たったの15Km/h
うーんと・・・ここって低速道路でしたっけかね??
行きの時、反対車線の渋滞のケツは黒崎→巻潟東の460KP付近だったのですが、
帰りではさらに伸びて、黒崎PA付近から詰まってたんですわ・・・
表示板に出ていた渋滞15kmはうそじゃなかった。
唯一幸いだったのは、渋滞の原因となっている個所をあらかじめ私が知ってたこと。行きでもはまってるから当然ちゃ当然ですが、これによりお客様に的確な案内を行うことができました。
お客さんとしてはあと何分で渋滞を抜けられるかを知りたいでしょうが、具体的な時刻はまるっきり案内できない状態だったので代わりに距離を案内したのです。「事故現場まであと4kmです。456KPを通過しました」という感じで。
歩行者信号の待ち時間を示すバーグラフのように、残り距離をカウントダウンしていきました。これは、お客様の不安や苛立ちを緩和する手段の一つです。
結果的に、事故現場には何もなくなっていました。事故処理については完了していたわけです。
ここを境にバスは解き放たれた駿馬のように・・・とはいきませんでしたが、徐々に速度は回復して三条燕を1時間10分遅れで通過。
続いての栄では、臨時のトイレ休憩の案内を行います。新潟長岡間については本来トイレ休憩は設定されていません。が、平常なら長岡駅に10:23に到着しなければならないはずが、その時間はまだ巻潟東付近ですったもんだしていたのですねー・・・しきりに前方を気にしてるお客さんがいたので「まさかトイレ?」という疑いがあり、遠回しに助け船を出してみたりなんかしたわけです。
結局車内のどなたからも申し出がなかったので栄も通過。
アイスバーン+突風+ホワイトアウトに悩まされつつも長岡駅に到着したのは実に1時間10分遅れ。回送を経て車庫に着いた時は1時間20分遅れとなっていました。あー疲れたww
・・・しかし、上には上があるんですよ。
今日は全線にわたって高速道路を通る本来の運行ルートで走れたからこの程度の遅れで済んでるという向きもあるのです。これが、高速通行止めを伴った日にはさらに悲惨な事態になります。過去には8時間遅れで到着したっていうめちゃくちゃな日がありまして。ええ。さすがに私はそんなの未経験ですがw でもほんとにそんなことになったら、出先で閉じ込められて帰れないなんてこともありうるんだろうなー・・・当然折り返し便は運休になっちゃう。
そんなわけなんで最後シメ。
バスの運転士さんからのお願いです。
事故らないように気をつけて走りましょう
いやもうほんとマジでwww←切実w