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惰眠のブログ一覧

2005年06月22日 イイね!

老舗大店の跡目を巡り

老舗大店の跡目を巡りずっと既視感があった二子山親方の二人の息子の軋轢問題だけども、ふとその理由に思い至った。この騒動、山本周五郎なんかが描く人情もの時代小説の題材そのものの構図なのだ。

 歴史ある大店(おおだな)。後継ぎの息子は2人。しかし長子の方は家業を継ぐ気などないといって、とっくに家を飛び出している。だから家業の伝統に意義を見出す弟が若旦那として暖簾をついでいる。ただ大旦那も店を任せた次男の経営に必ずしも満足しているわけではなく、家をおん出た不肖の長男に未練もあった。しかもお店(たな)は最近ちょっと左前。
 なんだかギクシャクしているしている折も折、大旦那が病没する。
すると家業を捨てて芸人稼業をしてたはずの放蕩息子が舞い戻ってきて喪主は俺がやる、大旦那の遺産の分け前を俺にも寄越せと言い出した…。うーむ、やっぱり時代小説向きのしつらえだ。

 段々、雑誌もテレビも覗き趣味的なゴシップの話に流れが向いてきてしまっているけれども、無責任な観客の一人としては火曜サスペンスみたいな筋立てより人情もの時代劇のような(必ずしもハッピーエンドでないにしろ)結末が迎えられるといいんだけどなぁ、と思っている。
Posted at 2005/06/22 12:17:35 | コメント(0) | トラックバック(0) | 芸能・文化 | 日記
2005年03月30日 イイね!

森岡浩之「夢の樹が接げたなら」

森岡浩之「夢の樹が接げたなら」早川書房お抱えのSF作家に、森岡浩之という人がいる。
言語というものに独特の鋭敏なセンスを持った小説家で、代表作「星界の紋章」(ハヤカワ文庫刊)以下の「星界シリーズ」はアニメにもなったと言う。僕は観てないけど。

 この作家のセンスは登場人物同士の会話―コミュニケーション―描写で特によく発揮される。
 例えば、ある主役格の向こう見ずな行動を「無謀だ…」と評した人物に対し、別の脇役が「言葉は正確に使いたまえ」とたしなめる場面がある。「『無謀』というのは、もっと冷静で理性的な行動に対して使う言葉だ」と言う具合。叙情描写の才には些か難があるとは思うけれども、森岡浩之はこういう婉曲な罵倒表現が抜群に上手い。

 彼の初期短編集「夢の樹が接げたなら」が同じハヤカワから刊行されている。デビュー当初の作品と言うことで、生硬な印象が強くこなれの悪い描写や舞台設定のガジェットが先走っている欠点 ―プロの小説家の作というよりはアマチュアの文芸同人が、読者に読ませるより自分の執筆欲を満たすことを優先したような感じ― があるけれども、それぞれの短編のモチーフとなったアイディアが秀逸だ。

 表題作の「夢の樹~」は、他言語を『学習』するのではなく大脳に直接『インストール』できる技術が確立された空想科学世界の話。異動で職場が変わった時など、この短編のように業務マニュアルやノウハウを頭に直接インストールできたらどれほどいいだろうと、思わず現実逃避したものだ。そういう技術、出来ないかなあ…。

 まあ流石に、何らかの知識をノーミソに直接植え付けるような技術は無理かもしれないが、SFが時々凄いのは、近未来の事象や風俗をヒョイと言い当ててしまうことがあること。
 森岡の作で言うと1994年に発表された「個人的な理想郷」(短編集『夢の樹が接げたなら』所収)がそうだ。
 インターネットが日本で爆発的に普及したのはウィンドウズ95が登場して以降のことだし、ましてウェブログ(ブログ)が広まったのなんか21世紀に入ってからの話である。にも関わらず、森岡が「個人的な理想郷」で描いた情景は、利用される媒体こそ違うものの、そのまま「ブログ隆盛」の今現在そのものだ。

 「Message In A Bottle(邦題「孤独のメッセージ」)でスティングは群衆の中における孤独な自分と、同じように孤独な千億もの群衆があてもなく世界の「誰か」に向かって、壜に詰めたメッセージを海に流しているという壮絶な心象風景を歌った。
 こうしてネット上に日記(ブログ?)を書いている身でこれを言うのも妙な気分だが、森岡の「個人的な理想郷」とポリスの「孤独なメッセージ」が同じく描いた情景 ―誰もがみんな人とのつながりを求めてメッセージを送っているのに、どこかコミュニケーション不全に陥った断絶した世界に孤立しているように感じている― が、インターネット世界においてウェブログ(ブログ)が隆盛を極めている今の状況と重なっているように思える。

 『夢の樹が接げたなら』を久しぶりに読みたいのだけれど、引越しのときにどこかに紛れたまま見つからない。机の中も鞄の中も、捜したけれど見つからないので捜すのをやめたけれど、やっぱり見つからないのだった。文庫本になっているようだから、また買うかなぁ…。
(※帰宅後、改めて本棚をよく調べたら見つかった…)
Posted at 2005/03/30 14:18:25 | コメント(0) | トラックバック(0) | 芸能・文化 | 日記
2005年03月28日 イイね!

のび太の部屋は絨毯敷き?

のび太の部屋は絨毯敷き?仕事帰りに、なにやらドラえもん関係の展示が華やかなテレビ朝日のエントランスを覗いてみると「のび太の部屋」が再現されていた(写真)。
 カメラのレンズを通してしまうと遠近感や横幅の感じがきちんと再現されなくてもどかしいのだけれど、普遍性さえ感じさせる「6畳の子供部屋(男の子の部屋)」が見事に再現されていて、郷愁の波に呑まれそうになった。折角なので立体視できるようにしてみた(平行法)。

 今、大人の目で見れば6畳間なんて決して広くはないのだけれども、子供の夢と希望と空想と冒険と日常と、そんな幸せなものが「のび太の部屋」にはすべて揃っているようで「土管のある空き地」と同様に、これは永遠のネヴァーランドなんだなと思った。

 まるで、置き去りにしてきた子供時代をいきなり見せられたような感じがする。けど…のび太の部屋は絨毯敷きなんだったかな。畳の部屋の方が雰囲気なんじゃないかと言う気がするのだけれど。
Posted at 2005/03/28 23:34:50 | コメント(0) | トラックバック(0) | 芸能・文化 | 日記
2005年03月14日 イイね!

エンジン(仮)

エンジン(仮)社を挙げて世紀のエンタテインメントを演じているさなかのフジテレビで4月から始まるキムタク新ドラマのタイトルが、どうやら「エンジン」になるんだとか。新潮社ともタイアップかと一瞬思ったが、それは流石にないだろう。
 スポーツ新聞(というか芸能新聞かな)の報じるところによると、流石にF1パイロット役などと言う厚かまし過ぎる設定ではなくF3000のドライバーらしいのだけれども、これでも十分厚かましい気がするぞ。国際F3くらいにしとけよな…それでも大変なモンなのだけれど。

 ―なんて言う話を知り合いのレーシングドライバー会社員氏としていたのだが、どうも彼は微妙に面白くなさそうだ。そのへんをチョイと突付いてみると、皮肉っぽく笑いながらこうおっしゃった。
「チームのスポンサー獲得のてんやわんやとか、舞台裏の政治をみっちり描いたら面白いのに」

 湖面に優雅に浮かぶ白鳥も、水面下では必至に足をばたつかせている。そんなたとえ話を思い出してしまったが、彼としては上っ面のかっこいいところだけを荒唐無稽に取り上げられるのが、インサイダーとして余り快くはないらしい。
 そんなにカッコよくもなければ華やかなだけでもない、速いからといって来期のシートがあるとは限らない…実際、彼は「乗ってくれない?」とご指名されるくらいの速さと実績はあるのだけれど、昨シーズンは「色々あって」事実上棒に振ったも同然だった。高木虎之助も、いつの間にやら過去の人になっちゃったし。

 レースの世界の現実は厳しいのよ、と言いたい気持ちは分からなくもないけど、そんな部分をリアルに描いたっていわゆる「月9ドラマ」を見る視聴者層には全然アピールしないこと請け合いだ。
 そもそも、チーム運営やシート確保の苦闘なんかドラマにしてみたとこで、見たいと思う人がいるのだろうか。いや―スクデリア・フェラーリの話だったら興味ないこともないか。

 それは兎も角舞台がF3000ってことは、きっとドラマの最後ではF1のチーム(多分、トヨタ)から声がかかってステップアップめでたしめでたしになるのだろう。…それじゃホッケードラマ「プライド」の結末とおんなじだ。
Posted at 2005/03/14 13:58:57 | コメント(0) | トラックバック(0) | 芸能・文化 | 日記
2005年03月13日 イイね!

響鬼さん

響鬼さんいやはや参った。
まさかこの歳になって、毎週特撮ドラマを楽しみにするなんて思いもしなかった。初回を録画で見たあと、これは面白そうだと感じたのは確かなのだけれど、本当に朝8時前に目が覚めるようになるとは…響鬼さん、かなり面白い。

 まあ流石に30年も昔のように、ヒーローの活躍にカタルシスを感じるような見方をしているわけではないのだけれど、と言うことは余り子供向けにはなってないということなのかもしれないけども、ドラマとしてよく出来ていることに感心させられる。いやもう、これヒーローもののの作りじゃない。退治すべきバケモノは登場するんだけども、どっちかと言うと、伝奇もの風味に仕立てた普通のドラマに近い。
 役者さんがみんな上手だし、心情描写もよくできていて、大人の鑑賞に十分堪えると思う。

 そういえば…と連想したのが、円谷特撮の金字塔「ウルトラセブン」だ。視聴者の子どもを子ども扱いしない、とでも言えばいいのか、例えば自分の子供時代を振り返ってみて思うのだけれども、子どもは子どもなりに大人なのだ。そういう、子どもの中の大人の部分をきっちりと受け止めて直球を投げてくるような清々しさが感じられて、この仮面ライダーは見ていて心地いい。

 舞台(と言うか「生活の基盤」)を東京の下町・葛飾柴又に据え、仮面ライダーと言う「職業」を伝統芸能のように位置付け、人格的に安定し確立された大人たちは、年若い少年たちの前に立ちはだかる壁ではなく「いつか君もなるだろう」憧れにして、肩を並べいつかは乗り越えるべき先達として描かれる。

 特撮と言うと比較的、サスペンス系・アクション系のストーリー展開に馴染みやすく、従って「対立」が物語の図式の中にも目立つことになるのだけれど、このドラマはそうじゃない。殆んど添え物扱いのモンスターを別にすれば、劇中の対人関係ははっきりと「敬意」と「尊重」を基調にしている。
 また劇中の大人たちの空気が暖かで、子どもたちを見守る優しさが感じられる。ああ、そうだ。ヒーローと言うのはそもそも、僕らを守ってくれる存在だったんだ。そんなことを思い出す。

 そして、大人が子どもを「守る」と言うのは、何も乳母日傘に子どもを育てることじゃない。子どもが悩んだとき、迷ったときに道標となる背中を見せてやることも大人の責任なんだよ、なんだかそんなことまで訴えているように思えて、やっぱり「響鬼」って良質のドラマなんじゃないかなあと感じ始めている。

 しかしやっぱりこれ、もはや「仮面ライダー」じゃないな。普通に特撮モノを見たいと思ってチャンネルを合わせたら、相当な違和感を覚えるに違いない。
Posted at 2005/03/14 18:55:15 | コメント(0) | トラックバック(0) | 芸能・文化 | 日記

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何シテル?   07/24 21:51
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