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うちの会社は，メインラインの最終工程を止めてはいけませんと言うルールがある。気に入らないのは，それを履き違えて最終工程チームが他チームに対して威張っていることだ。
最終工程チームのてめえらなんかゴミみたいなもんだろ。勘違いしてんじやねぇよ。#トヨタ車体 #TPS #トヨタ自動車

僕のお世話になっている車屋さんがファントム試乗したことがあるそうだが，「昔のアメ車と同じくらいだからファントムなんかオーバーハングも大したことないし，都内や細い路地でも行けちゃいますよ」と言ってた。確かにサイズは全然でかくないもんなぁ。

　「何でこんな写真が出回るんだね。」
　監察から呼び出された警部補に昇任を控えた巡査部長は写真を見つめながらしばらく考えた。苦情のあった写真は，いつかの警ら中の自動車警ら隊の姿なのだが，不審車両の運転席からパケを受け取っている。パケは茶箱に入れるところを撮影されていた。
　「ああ！」
　巡査部長は思い出して思わず大きな声を出した。
　「これ，フルスモークの奴をばんかけようとしたらしシャブよれしてたってのだ！」

　巡査部長ははなして聞かせた。
　ある夜，午前二時になろうという時間に大通りに路駐する浜松ナンバーのフルスモークの不審車両を見付けた。たまにフルスモークの車にもシャブ中が乗っているので，念のため，横に並んで窓を開けさせた。
　巡査部長の経験上，フルスモークに悪い奴は乗っていない。指名手配犯かヤクザが殆どだからだ。
　それでもたまにシャブよれがあるので，何となく気になった。
　窓を開けさせたら，運転手の人相がシャブよれだった。
　「ネタを見せろ。」
　と突っ込んだ。
　「売人か？いま何をやっていたんだよ。」
　「いや，ちょっとラインのトークが来たんで。」
　「こんなとこでやんじゃねえ。紛らわしいんだよ。」
　まだシャブ中までは疑っていなかった。
　その時，運転していたアイキンが
　「免許といっさいがっさい，パトカーの中に入れて。」
　と言った。
　丁度パトカーと不審車の停止関係で，奴は窓越しに覚醒剤のパケとポンプを手渡してきた。

　苦情の写真はその時撮られたのだろう。
　「何がいけないんですか？」
　「これじゃ，汚職みたいだろ。分かりやすく職務質問をしなさいよ。」
　「いや。だからただ確認するだけのつもりが，中から楽しそうなグッズが出てきちゃったから窓越しなんですよ。普通，フルスモークにシャブよれは乗ってないので。」

　ただ，こいつが大悪党だった。セコいカスリ野郎かと思ったら，何と覚醒剤を600グラムも持っていたのである。
　今までの経験則で売人に違いない奴は，シャブ中の確率が低いのだ。
　だが，こいつは覚醒剤の売人でしかもシャブ中だった。長い職質経験で，二人めか三人めの出来事だった。
　「本当は職業は何なんだよ。」
　と巡査部長は問い質した。
　「福田組って◯系のとこ。下が三人いるだけだ。今日は自分で商売に来た。」
　「お前，サラリーマンのヤー公の口か。」巡査部長は呟くように吐いた。
　覚醒剤を売ったりするだけのヤクザがいる。金の上がりがいい。元々数字に強い連中がしゃばで不始末を仕出かしてヤクザになる連中のことを巡査部長は言ったのだ。
　急いで警察署から薬物専務の警察官を呼び，辺りを見回した。もしかしたら客のシャブ中が近くまで来ていたかも知れない。うまくすれば一緒に捕まえるにはいい機会だ。
　そこに，元風俗の若い女の子が小走りでやって来た。二人とは顔見知りである。今は実家に戻って八百屋を手伝っている美人なはたちの子だ。
　「ねえねえ。覚醒剤の捜査なの？」
　「そうだよ」と巡査部長が答えると
　「うちのはす向かいに一度止めるとなかなか人が降りてこない迷惑駐車がある。」
　と訴えてくる。
　「見た感じ，やってんで寝込んでんの？」
　女の子は頷く。
　実はこの子はシャブよれの挙動を知っている。風俗時代にシャブ中の客をそばで捕まえたことがあるが，その時，シャブと関わらせないためにシャブよれを教えてやっていたのだ。
　「もしもし。俺俺。」スマホを取り出して仲間に掛けた。
　「さっき新栄ですれ違ったじゃん。あそこの近くの八百屋のはす向かいに寝込んでる路駐が居るって，そこの住人が言いに来てくれてるんだ。
　で，今こっちでヤクザの業者シャブをやってる。路駐が客の可能性があるから見に行ってよ。」
　「オッケーす。こっちは喧嘩だからそっちに転戦します。」
　しばらくして無線で応援要請してきた。同僚の野郎である。公務執行妨害と言うのだが，
　「あちー。てめえこの野郎。注射器出せばいいんだよ。てめえこの野郎。」
　強引にパトカーの中に引きずり込んだら，賊が無理矢理タバコを吸おうとして揉み合っていると，火をパトカーの座席に落としまくるので自ら隊員が激怒したら今度は手に落としたんで引っ張ると言う。
　それにしても抵抗がかなり激しかったらしく，六隊も応援に行っていた。
　「何だかそっちのが面白そうだなー。」と思っていると，こっちの奴との通話形跡があったそうで，状況を待って署で逮捕した。

さっき保険代理店から電話があって，簡単に説明しといた。アプリで逃走経路を測ったら3キロ近く，正確には２．９キロも逃げてた。
こんだけ現場から走れば十分に悪質だろ。

何が「あの人が逃げたんで，娘と当てられ損だねって話してたんです」じゃねーよ。頭おかしいんじゃねえの？
てめーが逃げなきゃ追っ掛けねーんだよ。警察に言われても，未だに「道交法も自動車学校の学科も忘れた」とかアホかよ。
しまいには，「車両保険は入ってません」。知らねぇんだよ。逃げやがったてめーなんかどうでもいいから，こっちの車直せよばばぁ。