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塩見 智のブログ一覧

2011年06月24日 イイね!

ジュークターボ結構好き

ジュークターボ結構好き前々からその個性的な顔とコンパクトなサイズを憎からず思っていた日産ジュークに乗ってみた。借りたのは、1.6リッター直噴直4ターボエンジン、6速マニュアルモード付きCVT、4WDが組み合わせられる16GT FOURというトップグレード。245万1750円。

ジュークは全長4135mm、全幅1765mm、全高1570mm、ホイールベースは2530mmと、結構小さい。世間には、依然「高さ1550mmまで」という立体駐車場が少なくないが、かつて杓子定規に「シトロエンお断り」という規約を守り、AXでも入れさせなかったような管理のおじさんにさえ出くわさなければ、入れることができるだろう。



コンパクトだと気になるのは居住空間。借り出して真っ先に後席に座ってみた。広くはないものの、膝前も頭上も窮屈とは感じない。つま先も前席下へ入れられるし、背もたれの角度も自然なので、数時間座ることになっても大丈夫だろう。絶対的サイズといい、そのサイズを効率よく居住空間に割り当てたところといい、このクルマは結構真面目に作られている。奇抜な外観からは想像しにくいが。



ジュークに搭載されたMR16DDTエンジンの最高出力190ps/5600rpm、最大トルク24.5kgm/2000〜5200rpmというパワースペックを、日産に従来からあるエンジンから探すとなると、エクストレイルが積むQR25DE(2.5リッターNA)あたりになる。つまり、この1.6リッター・ターボ採用は、世界的トレンドながら日本車には珍しい“ダウンサイジング+過給”コンセプトと言える。



車重は1380kg。パワースペックと車重の関係だけでいえば、1.4リッター直4ツインチャージャーエンジン(160ps/5800rpm、24.5kgm/1500〜4500rpm)を積むゴルフTSIハイライン(車重1340kg)あたりに近い。そう書けば、だいたいどの程度の速さかわかっていただけるだろうか。いやいや、クルマの運動性能はスペックからだけでは想像できず、乗ってみないとわからない。そうでないと自動車メディアの仕事も減ってしまう……と書きたいが、パワー(トルク)・トゥ・ウェイトレシオは、数値から想像しても大きく外すことはない。で、ジューク16GT FOURの7.3kg/ps。このくらいだと、遅いはずはないのだ。



実際、ジューク16GT FOURは相当にパワフルだ。踏めばどこからでも力強く加速するという、トルクバンドの広い過給エンジン特有のパフォーマンスを発揮する。常に最大トルクを発生するゾーンにエンジン回転数を保ち、必ずしもアクセル開度と加速感が一致しないのはCVTの嫌なところであり、しかしながら高い効率を追求する本来の姿なのだが、ジューク16GTに積まれるCVTは、効率の高さを追求しつつも、アクセルを踏み増しているのにエンジン回転数はじわじわ下がり、それでいてスピードは上がっていくような違和感を、ドライバーになるべく感じさせない。最近モデルチェンジしたメガーヌにも同じCVTが採用されたが、このCVTは結構好きなほうだ。CVT自体は好きじゃないが。

10・15モード燃費は14.0km/リッター。実際走ってもそれくらいだった。燃費のよいクルマも増えてきたので特別すごいとも思わないが、10年前、いやわずか5年前に売られていたクルマの基準でいえば、かなりよい。



SUVとはいっても、コンパクトカーのシャシーを流用して開発され、全高も前述のとおりそんなに高いわけじゃないから、コーナリングや車線変更の際に上屋の高さが気になるようなことはない。一般道ではキビキビと走り、高速道路ではサイズから想像するよりどっしりとしていた。このどっしり感はどこからくるのか。おそらく4WD化による重要増加がよい方向に作用しているのと、レイアウト上の都合から4WD車のみに採用されるマルチリンク・リアサスペンションが、乗り心地に貢献しているのではないか。

日産が好きで、マーチよりもう少しいいのが欲しいけど、だからってティーダはな……という向きが、ハッチバックの気軽さと実用性を求めて買っても何ひとつ困ることはないと思う。若者向けの匂いがぷんぷんするが、オッサンがこのクルマから降りてくるのを見ても悪くなかった。そういう意味では懐の深いクルマかも。個性を求めて300万円未満の輸入コンパクトばかり乗ってきたが、近頃、イタリアにもフランスにもこれ! というのがないとお嘆きの人は試乗くらいしてみてもいいと思う。ジューク自体は162万150円からある。
Posted at 2011/06/24 12:26:37 | コメント(2) | トラックバック(0) | クルマの記事 | 日記
2011年05月28日 イイね!

ルノー・ウィンド

ルノー・ウィンド「大門にある『山本屋本店』本店の味噌煮込みうどんを食べにこない?」という殺し文句で僕を名古屋へ呼び寄せたのは、フランス車、とりわけルノーを得意とする並行輸入業者「RENO」。これが「山本屋総本家」なら東京にもあるし、麺の硬さが物足りないのでお断りするところだが、愛知か岐阜でしか食べられない「〜本店」となれば話は別だ。品川から新幹線に乗った。

名古屋コーチンをトッピングしたバリカタ味噌煮込みうどんを完食した後、RENOのオヤジが切り出す。「実は乗ってみてほしいクルマがあるんだ」。「ふっ、味噌煮込みうどんのためだけに僕を呼ぶわけないと思っていたよ」と僕。「でもうどんの話をしただけでホントに来たよね」(オヤジ)というやりとりはともかく、この度、ルノー・ウィンドなるクルマを輸入したんだという。



◆トゥインゴCC
「ミストラル」だの「シロッコ」だのマセラティやVWが風の名前を大事に大事に車名に使ってきたのに、ここへきてルノーがざっくり「ウィンド」。それはさておき、ウィンドはリトラクタブル・ハードトップの2シーター・クーペだ。ベースはトゥインゴ。全長3828mm、全幅1698mm、全高1415mm。ホイールベースは2368mm。 2+2と2シーターという違いがあるが、プジョー207CCより少し小さい。ヘッドランプやフロントグリルなど、ディテールのあちこちにトゥインゴを思わせる形状が見られる。写真で見るとクーペというわりにはずんぐりしたように見えるが、実際に見ても、天地に厚く、ホントにずんぐりしている。



RENOが入れたのは、ベルギー仕様のエクセプシオンというグレード。エンジンは直4の1.6リッターNAを積む。最高出力133ps/6750rpm、最大トルク16.3kgm/4400rpm。トランスミッションは5MT。日本に正規輸入されているトゥインゴRSと同じエンジン、トランスミッションの組み合わせだ。ほぼフル装備で、オートエアコン、ブルートゥース付きオーディオ(電話も可)、17インチアルミホイール(タイヤは205/40/R17のコンチネンタル・スポーツコンタクト3)などが備わる。なお、本国には直4、1.2リッターターボ仕様もある。


ルノーおなじみのBCBGなインテリア

トゥインゴRSと同じエンジン

◆リトラクタブル・ハードトップ考
突然だが、ここでいったんウィンドの話から外れることを許してほしい。世にリトラクタブル・ハードトップ車が増えた。一時はすべてのオープンカーが硬い屋根になっちゃうんじゃないかと心配したものだが、頑なにソフトトップにこだわるモデルもあり、棲み分けができた。格納できるハードトップ自体は戦前からあったし、SLKや206CCがブームを起こす以前にも、ソアラ・エアロキャビンやCR-Xデルソルなど、愉快なルーフのクルマがいくつかあったが、ここ10年くらいでオープンカーのなかにリトラクタブル・ハードトップという新ジャンルが確立された感じだ。

ハードトップにもソフトトップにもメリットとデメリットがある。ハードトップの短所のひとつは開閉に時間がかかること。複雑なアクションでトランスフォームする様子は見ていて楽しい。が、それも10回も見れば飽き、信号待ちでさっと開閉できるほうがありがたいと思うようになるはずだ。しかも、最近のソフトトップ車は走行中に開閉できるものも多い。赤信号中に開き切らず、走りながら完了させる姿はとてもキザだが魅力的だ。キザが嫌ならそもそもオープンになんか乗るなという話である。

だから、リトラクタブル・ハードトップにはできる限り開閉の速さを求めたい。例えば、外苑西通りや国道134号の赤信号でバッチリ決められる秒数で完了してほしい。イチかバチかトライして、間に合わなかったらしばらく「只今トランスフォーム中」のまま走らなくてはならないのだ。これ以上の罰ゲームはない。

◆開いて裏返って閉まるだけ
話をウィンドに戻そう。気になるウィンドのルーフ開閉所要時間は12秒と短い。これならたいていの交差点で大丈夫だろう。カタログで調べると、マツダ・ロードスターRHTが12秒で並ぶが、その他のモデルは軒並み20秒以上を要する。12秒は開口面積の小さな2シーターでないと実現不可能な秒数だろう。





短時間で開閉できるだけでなく、ウィンドの開閉の仕組みがシンプルかつユニークだ。まずトランクリッドが荷物の出し入れ時と逆に開いてルーフを迎え入れるのは他のリトラクタブル・ハードトップ車と一緒。次に、他のモデルはたいていルーフをZの形に格納するが、ウィンドはルーフ後端を支点に180度裏返るだけ。あとはトランクリッドが再び閉まって完了。リトラクタブル・ハードトップ車には、結構高いモデルでも閉じる際にルーフとフロントシールドがぶつかってガタンと音を立てるモデルがあるが、ウィンドはルーフそのものが軽く小さいため、何事もなかったかのようにパタンと閉まる。

一般的なリトラクタブル・ハードトップのモデルのようにリアウィンドウも格納されるわけではなく、シート後方のロールバー部分はそのまま残り、ロータス・ヨーロッパ並みの天地しかないリアウィンドウも、開けていようが閉めていようが同じ状態で残る。解放感はタルガトップ並み。風の巻き込みは少ない。


背(座高)の高い人だとクローズド状態での頭上空間はギリギリ

この薄い空間にルーフが収まる。トランク側のヒンジはこんなにシンプル

トランク容量はルーテシアと同じ270ℓを確保
私物のZEROがいい味出してますね。ポリカーボネートだけど

◆安っぽさは微塵もなし
ルーフが開いていようと閉じていようと、ウィンドは、そのスタイル、サイズから期待する通りの走りを見せる。133ps、16.3kgmに車重1248kg(フランスの公式webサイトより。計測方法が違って日本の計測方法より幾分軽く表示される)だから、速くはないが、かといって遅くもなく、トゥインゴではRSに用いられるエンジンだけにレスポンスは上々かつ回せば気持ちよく吹ける。

ルーフが開くといっても、シンプルな機構で開口面積もほどほどのためか、オープン/クローズ時で体感的な剛性感に変化はない。コンビニ駐車場の入り口にある段差を斜めにゆっくり通過しても、ルーフの状態に関係なく低級な音は皆無だ。スピードを上げて走ると、小さな屋根開きグルマとは思えぬ乗り心地に驚く。

シャシーカップ(2種類あるうちの硬い方)を採用した日本仕様のトゥインゴRSの乗り心地は特別に硬く、街中では閉口気味だが、ウィンドはシャシースポール(柔らかい方)を採用した日本仕様ルーテシアRSに近く、ソフトじゃないけどイヤじゃないタイプの乗り心地にしつけられている。血相を変えて走りたいならトゥインゴRSの方が気分は盛り上がるだろうし、実際に速いだろうが、何度も彼女に乗って欲しいなら断然こっちだ。屋根開くし。ド新車の売り物だけにビュンビュン走らせるわけにはいかなかったが、この感じだとワインディングロードも苦手ではないはず。

◆275万円
RENOではルノー・ウィンドに275万円のプライスをつけている。好きモノが指名買いするモデルに対して高い安いと決め付けるのはナンセンス。気になったらとにかく一度見にいこう。この力の抜け具合、遊べる屋根、 でもきちんと走る基本性能……(2シーターが候補になる環境にあるなら)ちょっとグラっとくるモデルだ。
Posted at 2011/05/28 21:17:38 | コメント(4) | トラックバック(0) | クルマの記事 | 日記
2011年05月26日 イイね!

すごくない方のメガーヌ登場

すごくない方のメガーヌ登場“普通”のルノー・メガーヌが発表、発売された。

ルノー・ジャポンは半年ほど前、すでにスポーティモデルのRSを発売している。RSといえば、発表会場となったフランス大使館で供された食事がとってもおいしかったのが忘れられないが、クルマのことも覚えている。ドッカーンと弾けるターボエンジンを搭載した3ドアのホットハッチだ。

今回追加されたのは、5ドアハッチバックのノーマルモデル。後から出たから追加と書いたが、本来はこちらがメインのモデルだ。ルノー・ジャポンが展開する”とがったモデル優先”ーーつまり、フランスから何を持ってきても、ここ日本ではプリウスほど売れるわけではない。だったらマニアを取りこぼさないようにしようという、言わばテレビ東京みたいなーー戦略によって、RSが先に輸入開始となった。


プレミアムライン

ノーマルモデルは自然吸気の2リッターエンジン(最高出力140ps/6000rpm、最大トルク19.9kgm/3750rpm)を搭載し、CVT(6速マニュアルモード付き)を介して前輪を駆動する。グレードは、落ち着いた感じのプレミアムライン(268万円)とスポーティな外装をまとったGTライン(275万円)の2種類。パワースペックは共通で、GTはプレミアムより1インチ大きい17インチタイヤ&ホイールが装着されるほか、少し硬いスプリングが使われている。GTのチューニングはルノースポール。


プレミアムライン

見た目については、もうRSで基本骨格を見ているからビックリはしないが、ルノーらしいデザインであることは確か。エクステリア、インテリアともに質感は高い。過去の実績とその形状から、シートの座り心地はよいと乗ってもないのに断言しておく。


プレミアムラインのインテリア

ラゲッジ容量は372リッター(VDA)

ATが4速しかないということが長らくフランスのファミリーカーを苦しめてきた。あれはあれで味わい深かったが、燃費の面で絶対的に不利で、時代的にそれが許されにくくなってきた。これに対して、PSAは6速ATを採用し、ルノーはCVTで対処した。あの古い4速ATはPSAもルノーも同じモノを使っていたのだが、これからは別の道。どっちも日本製だけど。メガーヌが使うCVTはSUVのコレオスが使っているのと同じモノだが、当然ながらチューニングは別。プレス資料には「静かになった」と書いてあるので、近々乗って確かめてみたい。


GTライン

ライバルのプジョー308やシトロエンC4が1.6リッター・ターボエンジンを用いるのに対し、ルノーはメガーヌに日産と共同開発2リッターNAエンジンを用いた。このクラスの王様、VWゴルフをみればわかるように、近頃のトレンドは小排気量+過給エンジンだが、メガーヌのエンジンも、NAながら2000rpmで最大トルクの87%を発揮するなど、実用性の高そうなスペックとなっている。このクラスのハッチバックのうち、実際に燃費がいいのはどのモデルか、どこかの自動車雑誌に比較してほしい(←自分でやれないから丸投げ)。

価格は、欧州同様、日本でもライバルになると想定されるVWゴルフ(257万〜315万円)やプジョー308(269万〜309万円)のノーマルモデルを思い切り意識した268万円(プレミアム)と275万円(GT)。
Posted at 2011/05/26 19:45:28 | コメント(2) | トラックバック(0) | クルマの記事 | 日記
2011年05月21日 イイね!

実を取り始めた“ガイシャ”

実を取り始めた“ガイシャ”フォルクスワーゲン・パサートがセダン、ヴァリアントともに発表された。5月19日に品川で発表会があったので行ってみた。発売は5月30日から。

パサートはゴルフほど“誰でも知ってる”モデルではないが、実はゴルフより1年早い1973年にデビューした中型モデルだ。姉妹車のアウディ80がセダンだったのに対し、パサートは5ドアハッチバックのみだった。同社初のFF。以降もパサートはモデルチェンジするたびに新技術を最初に採用するモデルとして育っていった。2代目は4WDを設定し、3代目は直噴エンジンを採用した。そして4代目にはもはや伝説のW型8気筒エンジンを搭載したモデルもあった。途中でなくなったけど。



この度出たのが7世代目。過去には排気量が最大4リッターのエンジンを載せていたパサートだが、今回、日本仕様に投入されるエンジンは4気筒の直噴1.4リッターターボの1種類のみ。カタログには、最高出力122ps/5000rpm、最大トルク20.4kgm/1500〜4000rpmという、実に地味なスペック値が並ぶ。まぁ、あの大フォルクスワーゲンが、パフォーマンス的に不十分なら、こんな小さなエンジンのみを載せて発表するはずもなく、最大トルク20.4kgmを、1500〜4000rpmという低く、幅広い回転域で発するエンジンは、全長4785mm、全幅1820mmmの車体を動かすのに十分のはずだ。車重も1430kg(いずれもセダンの値)と軽いし。乗ってないので断言できないが、その辺りは評論家の先生たちがすでにcarviewや自動車雑誌でインプレッションしているはず。「乗る前にはさすがに非力なんじゃないかと不安に思っていたが、乗ってびっくり。十分じゃないか!」的なことが書いてあると思う。

新型パサートは、輸入車の歩む道も2方向に分かれつつあるなぁと感じさせる。従来、実質的に問題ないということと、受ける印象も含めて問題ないということは別だった。つまり、たとえ痛痒なく走ったとしても、せっかく大金をはたいて“ガイシャ”を買うのに、1.4リッターでは見栄を張れない(から商売になりにくい)という問題があった。けれど、フォルクスワーゲンは、新型パサートを見栄を張ってもらうための商品としては設定せず、実質的な価値を見出して買ってもらうための商品として発売した。大きなボディを効率の高い1.4リッターターボで走らせる、知的な商品として売り出した。輸入車でもそれが商売になる時代がきたという判断だ。同社の調査でも、消費者がここ10年で輸入車を選ぶ際に重視する項目が「プレステージ」「ステータス」から「実際の評判」「本質的な価値」に変化しつつあるという。



こう書くと「見栄を張らないなら国産車でいいじゃないか!」という声が聞こえそうだ。それならと同クラスの国産車を見回すと、マークX、ティアナ、アコード、レガシィ、アテンザあたりが見つかる。パサートの価格は324万円〜。完全に同一価格帯だ。そして、これら国産車にパサートほどの“オーナーをなんとなく知的に見せる”パワーがあるだろうか。そんなフワッとした要素じゃなくとも、10・15モード燃費が18.4km/ℓを上回るモデルがあるだろうか。毎年の自動車税が3万4500円で済むモデルがあるだろうか。

もちろん、フォルクスワーゲンはグループにブガッティもベントレーももつ。これらは従来通り、“ガイシャ”でしか得られないプレステージ性を全面に押し出した商品だ。国産車のラインナップがあまりに充実し、ディーゼルを事実上排除するなど、特殊な市場の日本では、欧米メーカーは実用車では価格競争力の面で太刀打ちできず、極論すれば1000psとか上質な本革シートを売りにするプレステージ商売しかできなかった。が、パサートの価格や実用性能を見ると、この国のシェアを本気で伸ばそうという意気込みが伝わってくる。今冬の東京モーターショーには、主要な外国メーカーが帰ってくる。「我々だってその気になれば日本の国情に合わせたモデルくらい作れますよ」と、実を取る性能を備えたモデルを多数見せてくれるのではないだろうか。
Posted at 2011/05/21 11:24:31 | コメント(9) | トラックバック(0) | クルマの記事 | 日記
2011年02月18日 イイね!

愛しのラングラーが色気づいた

愛しのラングラーが色気づいたジープ・ラングラー2011年モデルのインパネを見て驚いた。現代風じゃないか! 前年モデルまで、直線で構成されたプレハブの飯場みたいな雰囲気だったのに、急に色気づいちゃって。ついこないだまで、足が4本とれちゃったズワイガニみたいな、シンプルな4本スポークのデザインだったのに、新型ではリムが太く、握った感じもソフトで、ステアリングスイッチまで備わっている。

思い出した。現行型ラングラーに初めて乗り込んだ際、ドアミラーの角度調整スイッチの場所が何分間探してもどうしてもわからず、インポーターに電話したら「手で調整するに決まってるじゃないですか」と言われた。まるで「ラングラーをその辺のSUVか何かと間違えているんじゃないですか? このクルマは本格クロスカントリー・ヴィークルですよ。無駄な装備なんてつけません」と言わんばかりのニュアンスだった。なのに、11年モデルではあっさり電動ミラー調整スイッチが備わっているじゃないか! 


写真=五條伴好

また、オーディオユニット上部に、ちょっとした小物入れとして機能する凹みが新たに設けられた。僕が使っていたラングラー(アンリミテッド)は、ここが平坦かつツルツルした素材だったため、何かを置いておくと、前後方向だろうが横方向だろうが、0.01Gでも発生させた途端、モノが滑って落ちた。あんな図体にもかかわらず、助手席がふさがっていると、何かを置くとしたらそこしかないのだ。僕の場合、カー用品店によくある“滑らないシート”を敷いて事なきを得ていたが、小物入れを設けることができるんなら、最初からやってほしかった。

けれども、インパネをよく見てほしい。便利な機能は備えるが、やっちゃいけないことだけはやっていない。その最たる例が、ATシフター脇にあるトランスファー切り替えレバー。ロー/ハイの切り替えは今や多くの4WD車が自動、もしくはボタンスイッチによる切り替えだが、このクルマはメカニカルなレバーのまま。このレバー、ギアの噛み具合によっては女性では動かせないくらい重いのだが、当然、電磁的なスイッチよりも信頼性が高いからレバーのままなのだ。ほぼ平面のウィンドシールドとその角度にも注目してほしい。燃費を犠牲にしてでもフロントガラスのわん曲を最低限にとどめ、かつその角度を立てているのは、視界を最優先するのと、ウィンドシールドそのものを前へ倒せる機能を残した結果だ。なぜウィンドシールドを倒せるようになっているのか。元々はフロントシート後方に設置した銃を撃つ際、邪魔にならないためだ。

進化してよい部分とそうでない部分を間違えることなく、ジープ・ラングラーは年々進化している。しかし路上を走る量販モデルである以上、時代が求める燃費水準をクリアするため、いつまでも極低速域で粘り強いOHVエンジンを搭載し続けるわけにいかなくなる時がきっとくる。その時にラングラーはレンジエクステンダーで対応するのか、いきなりピュアEVを用意するのかはまだわからない。だが言えるのは、今後も立ち往生したら死んでしまうようなゾーンへ足を踏み入れる際の相棒として選ばれるクルマであるために、パワートレーンの進化は亀の歩みのごとく慎重なはずだ。
Posted at 2011/02/18 22:19:05 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマの記事 | 日記
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