ブリヂストンの
新スタッドレスを雪道でテストしたしたのはお伝えしましたが、その1週間前にはライバルであるダンロップの研究施設を見学することができました。
それは仙台にある広大な東北大学の敷地に隣接して建てられているこちら。
直径が300mを超える円形の建屋が目立つ NanoTerasu という施設で、3GeV(30億電子ボルト)という凄いパワーを発生する電子を打ち出して、それを電磁石を使って円形に”曲げる”ことによって”曲がらない”放射光(軟X線)を取り出し、その太陽の1億倍!の明るさを使って凄く小さな分子単位の構造を可視化する言わば超物凄い顕微鏡です。
ダンロップタイアを開発製造する住友ゴム工業はここに出資することにより使用権を有していて、東京大学の教授とともにこれを駆使して”水”を分子レベルで解析してタイアのラバー材質の研究開発をしているんです。
例えると、以前は夜空の下で本を読んでいたのが、この装置ができて太陽の下で本が読めるようになったレベルの差だそうです。
こうした研究の結果を利用して開発されたラバー素材が例の夏冬履けると謳う二刀流
SYNCHRO WEATHER やスタッドレスタイアに活かされていると言います。
いやはや凄い施設でした。受けることができた東京大学物性研究所の教授のレクチャーも含めて興味津々の見学旅でした。因みに「ナノテラス」という名称は、ナノ単位を研究する施設ということと、岩屋に隠れてしまって世の中が真っ暗になってしまったけど、出てきて世の中を再び明るく照らしたアマテラスノミコトとを掛けたんだとか。一般公募だったそうです。
ところで、これまで住友ゴム工業はダンロップ製品を開発製造販売していましたが「DUNLOP」という名前を使えたのは主に日本だけだったそう。それが今年初めにほぼ全世界での商標権を獲得したんだそうです。これで住友ゴムは改めてタイアを含めたダンロップ・ブランドの世界での再構築をスタートしました。むっちゃやる気が窺えます。
ブリヂストン、横浜ゴムも含めた開発レースが見ものですね。
Posted at 2025/12/08 21:56:16 | |
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