あれはもう随分昔のはなし。
時はバブルまっさかり。
バイトを3つかけもちしていた私は、
今の社会人よりも稼いでいたかも知れません。
ある日、学校の近くのマツダさんに何気なく入ったところ、
赤いRX-7(FC3S)型がショールムに飾ってありました。
まじまじと見ていると、
ベテランぽいセールスマンがよって来て、
「いいでしょう。いかがですか?」
と笑顔で話しかけてくるではありませんか。
「はあ、でも高いです・・・」
学生の身分で気軽に手が出る値段ではありません。
「ローンも大丈夫ですよ。60回までいけますよ。」
ベテランは笑顔でたたみかけます。
「いやあ、でも学生ですから・・・・」
「アルバイトしてますよね?なら大丈夫ですよ。」
「とりあえず審査してみますか?」
ベテランは引き下がりません。
「はぁ・・・・・」
どうせ駄目だと思い審査だけ受けてみました。
「大丈夫でしたよ!!」
「え?本当ですか・・・・」
まさかの結果です。
アルバイトしているとはいえ学生です。
「う~ん少し考えさせて下さい。」
恐ろしくなって私は店を後にしました。
しかし、本当に恐ろしかったのはそのあとです。
件のベテラン氏、週に一回は訪問してきてくれました。
家にも、バイト先にも・・・・・
根負けしそうになりましたが、結局最後ははっきりと断りました。
きっとあのベテラン氏は相当なやり手だっと思います。
今思えば。
しかし、学生に300万近い新車を売りつけようなんぞとは恐ろしい時代です。
バブルというのはそういう時代でした。
さて、あれから20数年。
冬車を探し求める私の目に一台のFC3Sが目に止まりました。
87年式、昭和62年式の前期型です。
グレードはGT-R。
下から2番目のグレードです。
距離も少なく何より26年間ワンオーナーであった車です。
ミッションはAT。
FD3Sを一瞬所有した事がありますが、
ロータリーにATは意外と気持がいいものです。
オヤジにはちょうど良いではないですか。
さっそく問い合わせてみます。
「写真以外の外装の具合はどうでしょう?」
相手は答えます。
「左のリアフェンダーに多少傷があるくらいですよ!!」
「機関でどこか気になるところはありますか?」
「特に問題ないですよ!!」
そう答えられては行くしかないでしょう。
で、やってきました。
FC3S
はるばる川崎からとんでもない陸送費をかけて。
届いた車がこちら。
多少の凹みがこちら。
多少の凹みというよりも、
ちょっとした事故車じゃないですか(笑)
なんと言うのでしょう。
ネットで知り合った女性に写真を見せて貰って、
一度も会わないうちに交際を決めてしまったのだけど、
実際に会ってみたらとんでもなかった・・・・・・・
という感じでしょうか。
仕上げ好きの私にもさすがにこれはお手上げ状態です。
しかし、そのままでは少々あれなので、
とりあえず磨き上げ、錆を落とし、タッチアップしてみました。
ここまでが限界です。
板金は一切していないのでベコベコのまま。
とはいえ、すでに手元には来てしまったわけで、
車検を取得するにしても何処に問題があるかを把握せねばなりません。
そこで、仮ナンバー(試運転という項目があります。)を取得して、
少々走ってみました。
ここまで、明日にでも「さようなら・・・」が決定していたのですが、
実際に乗ってみると・・・・・・
これが「絶好調」。
エンジンは奇麗に拭け上がるわ、
ターボのブーストもきちんとかかるわで、さすがワンオーナーです。
例えていうなら、
実際にお付き合いしてみて、見た目があれだったのだけど、
とりあえず一夜を共にしてみたみたら、絶好調というような・・・・・
全くどうしたものでしょう。
室内も奇麗だし、エンジンも調子はいいし。
でも外装はメタメタで、エアコンは効かないし。
久しぶりに悩みの尽きない車に出会ってしまいました。
どなたか札幌近郊で、
腕が良くて、お安い板金屋さんご存じないでしょうか?
切実なお願いです。
ブログ一覧 | 日記
Posted at
2013/09/13 02:10:35