2013年07月03日
新千歳空港は札幌の玄関口。
言うならば北海道の玄関口。
そんな新千歳空港のお話しです。
先日大阪→京都→もろもろと外出した私と入れ替わり、
家人が東京のお友達のところへ遊びに行きました。
わずか一泊の旅ですが、
日々仕事に追われる家人には良いお休みになったのではないでしょうか。
私はと言えば、
我が家の犬その名も「犬氏(いぬし)」の世話がありますので、
出掛けることもできず、基本的に家に籠っておりました。
「早く帰ってこねえかな・・・・」
正直な感想です。
とはいえ一泊。
あっと言う間に帰宅の日になりました。
家人を愛する私は当然、新千歳空港に迎えに行きます。
飛行機の到着は18時半。
少し早めに家を出ます。
帰宅してからのお小言が恐ろしいので、
戸締まり、火の始末、その他もろもろ確認して出発です。
早めに出発したのですが、当日高速はなぜかいたる所で事故。
空港への到着は18時半丁度くらいになってしまいました。
しっかり者の家人はANAやJALには乗りません。
幸い上記2社以外のAIRは遅延がデフォルトです。
幸い当日利用のSkyマークさんも遅延してくれました。
怒られずに済みます。
さて、ここである事に気がつきました。
携帯電話を自宅に忘れて来てしまいました。
戸締まりその他に気をとられ、携帯電話を忘れてしまいました。
幸いここ最近の私の携帯電話に着信はほぼありません。
誰からも着信がない事を心配する意外は何も心配する事はありません。
しかし問題が無い訳でも無い訳です。
「家人と連絡が取れません。」
しかし私は昭和の人間です。
思い出してみましょう。
携帯電話が無かったあの頃を。
携帯電話なんて無かったあの時代。
飛行場に迎えに行ったらみんなどうしていたでしょうか?
到着口の前でただひたすら待っていたのです。
一杯の荷物を抱えた家族の笑顔を見る為に。
そうすれば良いだけの話です。
早速到着口の前に陣取ろうとターミナルへ向かいます。
我が家の宝「いぬし」を抱いて。
ターミナルに入ろうとして愛犬家の敵マークが目に入りました。
「ペット同伴禁止マーク」
我が家では我が子同然の「いぬし」ですが、
世間一般では「ペット」と呼ばれています。
いたしかたのない事です。
恐る恐る「いぬし」を抱きかかえ「案内所」のお姉さんに聞いてみます。
「すみません。犬抱っこしてても入っちゃダメですか??」
「恐れ入ります。ケージに入っていないペットは持ち込み禁止でございまして・・・」
我が家では我が子同然の「いぬし」ですが、
世間一般では「ペット」と呼ばれています。
いたしかたのない事です。
「そうですか、ではお願いをしたい事があります。」
「実は携帯電話を家に忘れて来てしまいまして、奥さんが到着するので、
館内放送をお願いしてもよろしいでしょうか??」
「飛行機が到着した後でしたら大丈夫でございます。」
「それで結構です。18時半着のスカイマークで、名前は○○○○です。」
「かしこまりました。○○○便でございますね。」
「ただ今到着が遅れておりますので、到着後放送させていただきます。」
「お客様はどちらでお待ちになりますか??」
「この入り口の外で待っています。一応到着口見ながら待っていますので。」
「かしこまりました。」
航空会社を確認し、便名を確認し、館内放送を依頼し、到着口が見える外で待つ。
完璧です。
どこにも隙はありません。
ただ一つ、日の暮れた札幌の外は案外寒いそれだけです。
外のガラスからは館内の案内掲示板が見えます。
到着を待つ便はなかなか到着しません。
いつの間にか到着時間が18時50分に伸びています。
到着口は目の前です。
既着便の乗客が次々と出口から出てきます。
当然ですが家人の便では無いので家人は出て来ません。
「いぬし」は道行く人々に怯え小さくなっています。
「いぬし」は犬と人が嫌いです。
案内掲示板はようやく到着に表示が変更されました。
しかし誰も出て来る気配はありません。
時計は既に19時を過ぎています。
時計が19時15分になったころ、案内カウンターのお姉さんが一瞬姿を見せました。
確かにガラスの外にいる私と「いぬし」と目が合いました。
一瞬目が合ったあと、彼女はまた案内カウンターの中に姿を消しました。
もしかしてだけど〜♫
なんて歌が頭をよぎったものです。
時計は19時半になろうとしています。
いくらなんでも遅すぎます。
恐る恐る「いぬし」を抱っこして館内に少しだけ入り件のカウンターのお姉さんに聞いてみます。
「すみません。先ほど館内放送をお願いした者ですが、飛行機は到着しましたでしょうか?」
一瞬お姉さんの顔が凍り付きます。
「申し訳ございません・・・実はスカイマークの到着口はこちらではないのです・・・」
一瞬私の顔が凍り付きます。
「んじゃどこなのですか???」
「この先100mくらいのところでございまして・・・・」
絶句です。
「お願いした時、出口が見えるのでこの外で待っていると言いましたよね?」
「はい・・・・」
「お願いした時、航空会社と便名と時間も確認しましたよね?」
「はい・・・・」
「なぜ先にそれを言わないのですか??」
「申し訳ありません・・・・」
あまり虐めたくも無いのですが、これだけは言っておきたかったので言っておきました。
「あなた、何の為に案内カウンターの中におんのん??」
少々怒ると関西弁が出てしまうのは私の悪い癖です。
これ以上怒っても仕方がないので100m先の到着口へダッシュします。
そこにも案内カウンターがありました。
その中の別のお姉さんに事情を伝えます。
お姉さんは言います。
「申し訳ありませんでした・・・奥様は携帯電話をお持ちではないですか?」
「奥様は携帯電話をお持ちですが私が携帯電話を忘れたのでお願いしたのです。」
「奥様の番号はご存知ないですか?」
「文明社会の垢にまみれて記憶していません。」
「どなたか他の家族の方にお聞きになる事はできませんか?」
「奥様の電話番号覚えてないのに、なんで他の家族の番号覚えてるん?」
興奮すると関西弁が出てしまうのは私の悪い癖です。
「申し訳ありません。」
このお姉さんは少しも申し訳あるような風ではなくこう言ってくれました。
「もうええわ。」
これ以上怒っても仕方がありません。
というかこの人、当事者では無いのであまり悪いと思っていません。
私長年の会社勤めで大体サービス業の人の心が読めるようになってしまいました。
とりあえず車に戻ってみます。
フロントウインドウに何かが貼ってあります。
駐禁??
泣きそうになりながら駆け出します。
貼ってあると思っていた物は置いてある荷物でした。
家人に土産でお願いしていた崎陽軒のシウマイ。
家人は確かにここに来たようです。
遭難した時の鉄則を思い出します。
「そこを動くな。」
鉄則に従い「いぬし」と待ちます。
待つ事20分。
無事家人と再会を果たすことができました。
車に乗り込むなり、家人にまくしたてます。
「ちょっときいてぇや!!さっきなぁ!!・・・」
家人は冷静に諭します。
「携帯忘れて来たあんたが悪いんでしょ。」
「申し訳ありません・・・」
家人はどこまでも冷静な人でした。
「どんなに準備をしても落とし穴はあるものだ。」
そんなお話しでした。
Posted at 2013/07/03 02:27:15 | |
トラックバック(0) | 日記