だいぶ間が開きましてすみません(;´Д`)
詳しく書きすぎるのもアレなので少し略して書きます。
◎2~4日目(裁判)冒頭手続、証拠調べ、被告人質問、論告弁論、評議
朝の9時半に評議室へ集合し自分の席に筆記用具や
今回の事件の書類が入ったファイルが用意され
裁判官の方々の自己紹介と本日のスケジュールの説明を聞いた後、10時に入廷。
法廷の扉が開き、最初に裁判長、次に裁判官2名
その後に裁判員と補充裁判員が入ります。
緊張しながらもヤル気満々でしたが、事前説明があっても
割といきなり本番なのでドキドキしました(;´∀`)
法廷内には弁護人2名、被告人、警察官3名、検察官2名、
書記官、傍聴人の方々がいました。
初めての裁判員席からの眺めは圧巻です。
今回、担当したのは「現住建造物等放火被告事件」
父親(被害者)と無職の息子(被告人)が住んでいた2階建居宅に放火し
全焼させた事件でした。
☆冒頭手続
検察官が起訴状を読み上げ、内容に間違いないか被告人に確認。
☆証拠調べ
書記官から、現場写真、被告人が犯行に及ぶまでの経緯を記したプリント
(裁判員用に分かりやすく書いてあります)が手渡され、
犯行の動機が記されていました。
現場写真は、完全に燃え尽きてしまった状態でしたが、
大きくて立派なお家だったんだなというのが分かるくらいの跡でした。
大切な財産を失い、ご家族が気の毒です。
犯行現場の再現で被告人が火を点け、燃え広がる映像を数分間見せられたのですが、
その時、被告人が泣き始めボロボロと涙を流していました。
あれは演技ではなく本当に泣いていたんだろうと感じました。
その後、弁護人から、なぜ再現映像見た時に涙したのか訊くと被告人は
「取り返しのつかない事をしてしまった。火を点ける前に戻りたい。」
と後悔や反省をしているようでした。
☆被告人質問(犯行の動機や被告人の生活態度)
検察官から被告人の生い立ちについて読み上げ。
被告人へ何故犯行に至ったか。
仕事がないなら何故探そうとしなかったのか等の質問に対して、
・仕事を退職し、金銭的に困窮していた。
・数年前に自身の離婚や母親を亡くし鬱病を発症。
・体調に自信がなく仕事に対して不安を抱いている。
・被告人の家族から早く仕事探せとプレッシャー。
・被告人の居ない間、自身の部屋に父や別居している兄が
勝手に入り込んで汚されたので
自分の安らげる場所ではなくなったと思った。
・自首して刑務所で生活していければ良いと思った。
・前職の社長からの証言(検察官読み上げ)
勤務態度はとても真面目で頑張っていたので
事件を起こしたのが信じられない。
アルバイトから社員にしようと話をしたが退職してしまった。
・父親からの証言(検察官読み上げ)
息子は外に出る事があまりなく、家族の交流も殆ど無かった。
などの説明。
犯行時の様子の事でもっと知りたい事があったのか
検察官が被告人に意見を詰め寄ると、弁護士が「異議です!」と
裁判長に声をかけて検察官の発言を止める部分があったのですが、
この検察官と弁護士は終始バチバチで物凄い雰囲気でした(;^_^A
☆被告人に対して私たち裁判員が直接質問するのですが
その中で数年前に酒気帯び運転で捕まったという余罪が発覚し、
思わずズッコケそうになりましたが、私以上にビックリしてたのが弁護士で
血走った目が更にヤバくなってました(;´Д`)
1日目から明らかに疲れが溜まってる感じだったしマジかよって顔してて
かなり大変なポジションじゃないかと思います・・・
(国選弁護人はあまり儲からないそうです)
という感じで、かなり端折りましたがこの3日間は午前中に法廷で見聞きしたあと
評議室で話し合いを夕方位までやっていた感じですが、
休憩時間もこまめに設けてくれたので良かったと思います。
ここに書いてないもっと多くの情報量があったので大変でした・・・
あと、頭をフル回転して色々考えないといけないのと
座りっぱなしが多いので心身共に疲れましたw
◎5日目(評議)
この日は午前10時から午後5時まで評議室で判決をどうするか話し合います。
これで被告人の人生が決まります。
犯行に至ってしまった理由が心の病気だったのと、
家庭環境が良くなかったところに同情を隠せませんでした。
ひきこもりの末路のような感じですが、
少しでも家族が優しさや理解があればこうはならなかったのかな
父親や兄は鬱病の事知らされていなかったようだし
家族でお話する機会がなかったんだろうなぁ
考えてると気が重かったです。
けど決めなければいけません。
◎6日目最終日(判決宣告)
午後3時に法廷で判決の言い渡しをします。
裁判長が主文と理由を読み上げ、被告人は罪を償う意思を確認する事ができました。
これが主文で、すぐ下に理由が書かれてるのですが、
長いしプライバシー出過ぎなのでカットします。

被告人の名前を省いたコピーなので裁判員は持ち帰って良いよーって貰えました。
原本は被告人の名前が載っています。
検察から求刑されたのは懲役5年でしたが、懲役3年となりました。
執行猶予なしに対して弁護士は、まぁしゃーないかって雰囲気になってたかな(;^ω^)
最後の法廷は数分程度で終わり、
評議室へ戻り裁判員になった感想を述べた後、
裁判長・裁判官からお礼の言葉。
裁判所から心身に不安な事があればサポートする旨のプリント
裁判員の賞状の様な物等を頂き、これで解散となりました。
全部終わったという解放感がハンパなかったです( ´艸`)
帰宅してしばらくグッタリしてましたw
まさか自分の人生でこんなイベントがあるなんて思いもしなかったです。
裁判員の仕事は、考える力とメンタルの強さが大切だと感じました。
裁判長と裁判官の方々が思ったよりフレンドリーで裁判の話以外にも
プライベートな事や色んな楽しいお話ができて良かったです(*´ω`)
1度裁判員の経験をすれば、また裁判員候補の名簿に記載されたら
辞退する事ができるそうです。
確率的にだいぶ低いそうですが、また候補になればやってみたい気持ちがあります。
かなり心身が削れたのになぜまたやりたいかと言うと
まずお金が貰えるからw(6日間で5万円弱)
時間が癒しになり、沈んだ気持ちが回復してきた。
普段見られない新しい世界を見る事ができる。
それが今の答えになります。
ただ、今回は放火事件で死亡者0なのでハードル的に低いですが
茨城の裁判員裁判で妻子6人殺人放火事件なんて
尋常ではなかったのではないでしょうか。
もし裁判員に選ばれた方は、
・座りっぱなしが多いので腰とか注意
・事件内容によるけどメンタル鍛えておいて損はない
・よーく話を聞いてメモを取りまくる
・皆の前で1人づつ意見を強制されるので頭使う
・人見知りだとキツいかも
・とにかく時間が長いので忍耐力が必要
といった感じです。
その他は傍聴席に被告人の親族らしき方や
マスコミや傍聴マニアがいました。
傍聴マニアって本当にいるんですねw
裁判長や裁判官は完全に傍聴マニアの顔を覚えてるそうで
また来てるなwって思っているそうです( ´艸`)
私もやってみようかしら傍聴マニアw
そんなこんなで裁判員に選ばれた感想でした(;^ω^)
参考になれば幸いです。