チンク以外の車にさして興味のない私は、キューバで車を撮影しようなどとは考えていなかった。 しかし、ハバナの街中を、1950年代のアメ車が現役バリバリで走っている様には、たしかに圧倒的な存在感がある。旅行者も、しばしば路上駐車の車にカメラを向けている。 シボレーなど1950年代(一部1940年代も)のアメ車は、1959年のキューバ革命の際に逃げ出したアメリカ人の置き土産。その後の経済危機の最中にも、(やむなく)修理しながらだましだまし走らせ続けてきた。 モスコヴィッチ(次の写真)・ラダをはじめ、旧ソ連・東欧製の車も目立つ。 そして、プジョーやヒュンダイの車が走っていたら、それは一番新しく入ってきた車だ。 このようにキューバの車事情には、揺れ動いてきた現代史や国際関係が垣間見える。