これならガソリンよりディーゼルの方がいい - Sクラス

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これならガソリンよりディーゼルの方がいい

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メルセデス・ベンツ / Sクラス
S450d 4マチック(ISG搭載モデル)_RHD_4WD(AT_3.0) (2023年)
- レビュー日：2024年3月26日
- 乗車人数：１人
- 使用目的：仕事

おすすめ度： 5

デザイン：5
走行性能：5
乗り心地：5
積載性：5
燃費：5
価格：2

満足している点: とにかく分厚いトルクとモーターによる補助で、ガソリンエンジンとは比べ物にならないほどの加速性能を持っている点。またこの6気筒のISGは、アイドリング回転数の制御も行っているため、ガソリンでは520回転でしたが、このディーゼルでも580回転と、驚異的な低回転で、音もなく振動もなく、静かにアイドリングしますし、始動後もゆっくりスルスルとスタートします。これだけ静かだと車の横に立っていてもほとんど聞こえないくらいの音ですので、ディーゼルらしさはほとんど感じません。
不満な点: ディーゼルらしい音ではなく、低音でずっしりとした感じではありますが、回転域によってガソリンエンジンよりも音は伝わってきます。それと1200回転前後でステアリングにごくわずかな振動が伝わってくるのが気になります。ただしエンジン回転や速度の幅の全体的なエンジンや駆動系の音や振動は、ガソリンエンジンより穏やかなような気がします。
総評: なぜこのISGが搭載されたディーゼルのS450dをメディアで取り上げないのか、輸入元も大きく宣伝しないのかがわからないほど、6気筒Sクラスとしては最高の出来だと思います。ISGなしのS400dとは比べ物にならないくらい、全く別の車じゃないかと思うくらい進化しています。

デザイン: 5; W223の初期モデルからの乗り換えで、デザインは変更ありません。ただし細かなところでは、ドアノブに照明がついたりして、よりエレガントになりました。全体的な落ち着いた雰囲気は大好きな部分です。
走行性能: 5; 非常にソフトな乗り心地なのにもかかわらず、コンフォートモードのままちょっとした山坂道を走っても、しっかりとしたコシのある身のこなしをします。トルク感はガソリンエンジンの比ではありません。発進時に全くもたつかずに加速する感じは大排気量エンジンっぽい印象をもっています。S500と同じ、0-100km/hが5.4秒というのは納得といいますか、逆にこちらの方が加速性能は上ではないかと思うくらいです。それでいて、エンジンはずっと静かで滑らかなのは驚きます。これまでのS400dとの違いは排気量とアップしたのと、ISGの有無です。ISGがなかったS400dは、アイドリングが一般的な高さで、それによって振動もあったし、ブレーキを緩めればクリープ減少がかなり強めに出ました。今回のS450dはアイドリング回転数が非常に低く、ISGで再始動しても低い回転でゆっくりと前進するだけ。振動もなくエンジンが始動し、するすると滑らかに動き出すだけです。これだけでもS400dと比べれば上質になったなと思います。もちろんDPF再生時は800回転くらいまでアイドリングが上昇しますので、その時だけいつもとの違いを感じます。
乗り心地: 5; 乗り心地は相変わらず極上です。W222の後期からエアサスがマルチチャンバーになり、W223でもその乗り味が引き継がれていて、20インチホイールを履いていますが、それをほぼ感じさせない乗り味です。
積載性: 5; トランクスルーの開口部が極小ですが、そもそも奥行きが非常に長いので、大型のスーツケースを積んで空港まで行くなどでも余裕があります。また荷物の積み下ろしも非常に楽なトランク開口の大きさがあります。
燃費: 5; 高速道路では20キロを超えるときもありますが、普段は市街地ばかりなので十数キロ程度です。
価格: 2; W223は日本導入から3年が経過しましたが、その間に恐ろしいほどの値上がりをしています。オプションはすべてつけなければSクラスらしい装備になりませんので、そうなると1800万円を超えてきます。それなのに、標準ボディではプライバシーガラスが選べなくなったなど、装備品の選択におかしな部分が見えます。高すぎて売れてない車が、ますます手が届きにくくなってきているような気がします。