三菱電機 DIATONE DS-G20  

元々ディーラーオプションのDIATONE DS-G20(スバルモデル)を前後共に装着された状態で納車されたのですが憂慮する事実が発覚しこの度フロントのみDIATONE市販モデルのDS-G20に交換しました。

スバルのカタログにはDS-G20との型番で「スバル専用設計による緻密なフィッティング」としか記載されていなかったのでてっきりブラケット類が追加され価格も本家より高くなっているのだと思い注文していました(営業マンも知識が無く無回答)。

納車され実際に音を耳にしたところ「これが高評価なDS-G20とSOUND.NAVIの組み合わせ？」と思わざるを得ないほどの悲しい音質･･･、ハイダンピング設計のはずが低音はボケており高音に至っては全くキレも明瞭感もなく濁っており閉口してしまいました。

評論家のリップサービスを差し引いたとしてもかなり高性能なスピーカーだと思っていただけにガッカリでしたが取り合えずデッドニングをとユニットを外してみたところ驚愕の事実を発見！なんと2次フィルター式のパッシブネットワークが付いてない(画像参照)。

※DIATONE市販モデルには各ユニットごとに2次フィルター式(-12db/oct)のパッシブネットワークが付属しており台湾製とは言え高価なフィルムコンデンサ(メーカーに詳細情報は無いが恐らくポリプロピレン等の特殊素材)と詳細は不明ながら安価ではなさそうなコイルが対で搭載されています。

※対してスバル向け製品は：
●ユニット自体は同じだと思いますが背面のデザインが違い型番末尾に"-FJ"とプリント。
●ウーハー：車両ハーネスコネクターが一体成形されたインナーバッフルと呼べる程ではないペラペラな樹脂製の枠に安価そうなコイルが結束バンドで装着。
●ツィーター：ブラケット底面に車両ハーネスコネクターとアルミ電解コンデンサが装着。

ちなみにアルミ電解コンデンサとは取り合えず音が鳴れば良い的な製品に使用される安価な部品です(当然ですが低音質)、また容量3.3μFの物が付いていますが普通に4Ωのスピーカーで使用すると12000khzのハイパスと異常な周波数値(車両側と並列でもしているのか？)。

などなど、文句を言い出したらキリがないのですが上記の理由にてDIATONEの市販製品に買い換えた次第です。



では本題のレビューを。

(取付け)
ツィーターのブラケットにはパイオニアのUD-K211を流用しました、しかし高品質な物ではなく傾斜も甘いので以前のブラケットの方が良かったです(今後自作の予定)。

ウーハー用のインナーバッフルにはアルパインのKTX-F171Bを使用、DS-G20は6穴なので昨今流行りのハイブリッドタイプなど6穴加工出来ない製品は使用出来ませんのでオーダー/自作/既製品(木製)のバッフルボードが必要となります。

パッシブネットワークが低・高・左・右の計4個となりますので設置場所には悩みましたが魅せるほど高価なモデルでもないのでツィーター用を左右の足下(フロア)に格納しウーハー用は各ドアのインナーパネルに装着しました。

ドアへのケーブルの引き込みにはエーモンの配線ガイドを使用しあっさり通りましたので簡単でしたがドア・ダッシュ・フロアなどバラさなくてはならないので結構手間が掛かります。


(音質)
●全然違います！ダンピングの効いたタイトな低音にはイコライジングが必要なぐらいでした。
●製品コンセプトの同一素材による低～高の音質やカーオーディオには最適とされる12デシ型パッシブによるクロスポイントの繋がりも非常になめらかで自然。
●高音域でのイヤな金属音がなく明瞭で透明感のあるホームオーディオのようなナチュラルなサウンドとなりました。
「これなら評論家の高評価にも納得です」。
(基本ドンシャリではないので若者向きではありません。)

結果から診るとやはりコイル＆コンデンサによる影響が顕著に表れておりスバル向けDS-G20とは似て非なる製品でした。


XV購入以来メーカーの残念さにはもう慣れましたが景品表示については問題有りです、同型番で表記し如何にも高品質であると消費者に誤解を与えDIATONEの定価よりも高く販売しスペックダウンしている事実を記載しないなど、これでは価格から品質を推察する事すら困難です。

幸いな事に契約時XVのカタログには乗っていなかったのですがもし上位モデルのDS-G50を買っていたら更にブチキレていた事でしょう、後日スバルWEBサイトにてDS-G50もラインナップされている事を知り再注文しようかと思案していた自分が怖いです。

またスバルの意向とは言えこの仕様に迎合した三菱電機DIATONEブランドにも呆れてモノが言えません、高音質を謳うオーディオブランドとしてのスピリットは何処に行ってしまったのでしょうか･･･？。


以上、もしスバル向けDS-G20(実際にはDS-G20-FJ)ご注文中の方がいらっしゃいましたら即刻キャンセルする事を、既にご使用中の方はパッシブの刷新またはコンデンサだけでもグレードアップする事をお勧め致します。



作業中のテストであまりにも大差があるのでスマホのムービーで記録に残しておきました。
左：DIATONE市販品　/　右：スバル向けモデル
ほぼイコールコンディションで違いと言えばインナーバッフル・ツィーターブラケットぐらいです、スバル販売品はツィーターを逆相してありましたがDIATONE市販品の方は正相しています、カーオーディオの場合なんでもかんでも逆接すりゃ良いって訳ではありません。
「まぁ聴いてみて下さい酷いもんですよ。」
(iPhone 5sでの手持ち撮影なので低音質＆ブレブレ映像ですがご勘弁を。)

関連情報URL：http://www.mitsubishielectric.co.jp/carele/car_diatone/product/ds-g20/index.html

関連動画：http://www.youtube.com/watch?v=ZZ1Xd97oLl0&feature=youtu.be