父の句私の句

入院中の父親の見舞いにちょくちょく出かけています。

時々紹介していますが、父は俳句をしておりまして、地域での大きな会では選者をしたり、何とかいう句会で教えたりもしています。

いまだ、病院にまで厚い封筒が届いています；
（自宅に届いたものを、弟が持ってきています）

多分、同人誌に載せるために良いものを選んだり、直したりしているのだと思いますけれど；

それがあるから、重病人の大ケガ人のジジイのわりには、しゃんとしているのかもしれません；

まあ本人の生きがいですから、できるウチはやってもらいます。


ところで、私が一句作りました


『父見舞う　窓の向こうに　木守り柿』


ですが父は、広がりを持たせるには冬夕日の方が良いと言うんです；


『父見舞う　窓の向こうの　冬夕日』


なるほどね、と思いました；

私は、来年も実るように残す木守り柿を、父のいのちが、来年柿が実る頃まで続くようにとの思いから使ったのですが

父は、もう人生の夕日を見ているんですね…；


今日も、食事の後、イヤホンが取れてベッドに落ちていたのを

「あら？！コレは何の部品だろうか？！まさか薬ではあるまい！」なんて、知ってるくせにとぼけて見せたり

自分で鏡を見て

「髪が伸びたようだな！この調子では天井にまでとどきそうだな！」と言うので

「そんなわけは無いでしょうが；」と言うと

「そりゃそうだ！天井に行くまでに折れるに決まってる！」な～んて、真顔で言って、こっちが笑いだすのを待っているようでしたが…；


まあ、今さらアレコレ言っても仕方がありません；

朝が来て、昼になって夕方陽が沈む。

そんな当たり前のことを、な～んとなくしみじみ思う、帰り道でした(^^;)