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2020年06月09日

帰路の走馬灯

帰路の走馬灯 帰路の首都高は、さながら走馬灯だった。












V40に初めてショールームで出会った時のこと。
特徴的なリアのフォルムと、それまで乗っていたレガシィの武骨なそれとは比べ物にならない洗練されたインテリア、触り心地に惚れ込んだステアリング、そして底なしとも勘違いさせるディーゼルの力強さ・・・

ディーラー氏 VS 結婚したて駆け出し夫婦の息詰まる攻防。長期戦の末、引き出した値引き。裏からやってくる店長。

「そらまめさんにはボルボオーナーになってもらいたい、心からそう思っています」

当時私の心を動かしたディーラー氏は、今や他店の店長を務めているそうだ。4年の月日は短いようで、そして長い。


* * *

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県外のプジョーディーラーに長男坊と出かけた。お目当てである308SWの中古車があるディーラーだ。

308SWは一目で見る人、乗る人を明るい気持ちにさせるクルマだった。ある意味、分厚い雲の先が見えない曇天続きのような今の世相を、308SWのグラスルーフは明るく照らしてくれると思った。



しかし、と思う。

帰路の首都高、山手トンネル。

山手トンネルは大井ジャンクションに近づくにつれて、カーブが多くなり、その曲線もきついものになる。

V40のステアリングを切る、先行車が近づく、エンジンブレーキをかける、減速が足りないのでフットブレーキに乗せた足に軽く力を入れる。確実に減速する。

これだよな。

308SWは実用車だ。それがワゴンで家族と思い出を重ねるクルマとしては、キャラクターとしてあっている。内装の質感などは今回のクルマ選びでは優先順位が低かったのだが、試乗の際、ある点が気になった。


ペダルが左側に寄っていて、ブレーキを安全に踏めない。
この違和感は、試乗コースの最後まで消えることはなかった。



* * *



V40は山手トンネルを抜け、大井ジャンクションに差し掛かる。
左手にはコンテナターミナルと共に、東海道新幹線の車両基地がある。

長男坊の興奮した声が聞こえる。「パパ、のぞみがいっぱい!!」
山手トンネルを走る間、長男坊と会話することさえ忘れていた自分にふと気づく。


首都高湾岸線は、首都高の中でも3車線で直線が続く高規格路線である。
流れに乗って加速する。V40の特筆すべき点は、鉛の如くぶれない直進安定性にあると思っている。

私が初めて免許を取って初めて乗ったクルマは、実家にあったE39型、BMW528iである。異様に重いステアリングとオルガンペダル、最初の1か月は教習車であったアクセラとの操作感の違いに戸惑い続けたが、印象に残っていたのは直進安定性だ。

非力だったが、一度方向を決めてやれば、まるでクルマが意思を持っているかのような、頑なまでの直進性。

この体験以来、私のクルマ選びのファーストプライオリティーは直進安定性である。



* * *



湾岸線は羽田空港を過ぎると、再びトンネルに突入する。
V40を東京湾アクアラインに導くため、若干減速する。そして川崎浮島ジャンクションのカーブを曲がる。曲がらない。面白いほど、曲がらない。

私は自動車評論家ではないのでクルマの細かい技術論は門外漢だが、そんな私にもはっきりとわかる。フロントが重すぎである。きっとV40の鼻先にどんと載っている2.0Lディーゼルエンジンが悪さをしているのだろう。

前を走る木更津駅ゆきの日東交通バスの後ろを、ゆっくりと曲がる。
新幹線を見て大興奮した長男坊がいつの間にか、寝ていた。
彼の首が舟を漕がないよう、慎重に旋回する。



* * *

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東京湾アクアラインは全長9.5kmのアクアトンネルと、4.4kmのアクアブリッジで構成されている。
トンネルに入る。前方を走る日東交通バスをパスするために、追い越し車線に入る。アクセルに置いた足に少し力を入れると、ぐぐっと背中を押される感覚に陥る。

これだよな、このV40を何とか手に入れたいと思ったきっかけは。


先述のディーラー氏は購入時、V40を私に預け、自由に試乗させてくれた。
私は迷わず、首都高の都心環状線を経由し東京湾アクアラインで東京湾を横断するというルートを選んだ。これならV40がもつ高速域での運動性能を、自らの前にすべて曝け出すことが出来るだろうと思ったのだ。

4年前のちょうどこの場所で、私はこのクルマに惚れたのだ。

購入当時新婚だった私と神様との間には、一人、また一人と子供が産まれた。
V40は確かに狭くなった。2人とも男子なので、すぐにむさ苦しい車内になるだろう。


でも。。。


アクアトンネルを抜け、東京湾の海上から駆け上がる。

眩しい。空には入道雲がゆっくりと走っていた。

V40への愛着が消えていないことが、確信に変わった瞬間だった。



* * *



自宅に着いた。
神様は次男坊と自宅で待っていてくれた。


「どうだった?」

「いいクルマだったよ、でも・・・」

「でも、で終わるなら、買うの止めなと言おうと思ってた。なにか引っかかってるでしょ?」


見透かされている。神様曰く、私ほど分かりやすい人はいないそうだ。
それでよく丸の内でサラリーマンやっているね、と言われるが完全に余計なお世話だ。


「ちょっと長男坊と公園いってくる」


クルマのなかで昼寝をして完全にフル充電状態の長男坊を連れて、近所の大きな公園に出かける。日は傾きかけている。


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愛着がある。大切にしよう。思い出を沢山つくろう。これからもV40と共に。


~そらまめの買い替え大騒動の巻、完~










ちなみに、不肖そらまめV40の下取り価格は以下の通りでした。
オーナー様のご参考になれば幸いです!


プジョーディーラー:40万円(!?)
オークション系買取店:最低保証90万円、100万円以上での落札に自信あり
買取専門店:105万円



V40のリセールは厳しいですね~、予想はしていたことですが、例の「スマボ」で、つなぎのクルマとして愛情を大して受けなかったV40の中古車たちが市場に大量放出されたことが、間違いなくマイナスに働いているのでは?と勘ぐってしまいます。(実はこのことをディーラーで指摘したら、後任のディーラー氏は結構イヤな顔をしていました、笑)


買い換えないとはいえ、新車時に履いていたピレリは結構すり減ってきていますので、次はタイヤ選定大騒動になりそうです。


最後に308SWですが、本当にいいクルマでした。

上の文章では、アクアラインを抜けたあたりで吹っ切れたかのような書きぶりですが、実際のそらまめはそんなに潔い筈もなく、家に帰った後もしばらくグズグズと未練を垂らして、神様からは相当呆れられました(笑)



色々長文書きましたが、こうした悩みも含めて




カーライフって、いいですねぇ~!!




※写真は別日に撮影したものを使用しています。車中からの写真は同乗の非運転者が撮影したものです。
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Posted at 2020/06/09 22:00:44

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この記事へのコメント

2020年6月9日 22:33
文才ありますね〜(; ・`ω・´)
思わず読みふけってしまいました…!

冒頭の写真と言い、先日の前振りと言い、V40仲間が減ってしまう結末かと思って、結末を早く見届けたかったのもありますが、引き込まれました
(;・∀・)

我が家も小さな子供二人いるので、お気持ちの一部は、よ〜くわかります
(゚ー゚)(。_。)ウンウン

タイヤ選びは私も悩みに悩みましたが、それもまた。楽しいカーライフ♪て奴ですので、是非とも楽しんで下さいませ
\(^o^)/
コメントへの返答
2020年6月10日 21:56
>TEN_Heinrichさん
いやぁ、今回ばかりは買うところでした(笑)

しかし今回の騒動でクルマに対する自分の価値基準みたいなものが確認できたので、無駄な時間ではなかったかなと納得しています。やはり操作系で違和感があるというのは、個人的にアウトでした。たまたま私の残念な短い足に合わなかっただけで、308SWはキャラクター含め本当に良いクルマでした。オーナー様がうらやましい!!

タイヤは絶賛悩み中です。第一候補はMichelinのプライマシー、標準装備のピレリP7は正直ロードノイズが酷いので、コンフォートならダンロップのルマンもいいですよね。あとは禁断のアジアンタイヤに手を出すか。。。

まだまだ外出し辛い世の中ですが、お互い充実したV40ライフが送れますように!
2020年6月11日 19:42
やっぱりいいクルマだねぇ、ボルボは。
直進安定性と剛性、居心地のよさ(絶対的な広さとはまた別に)は、よかったなぁ。
正直今でもあのS60はいいクルマだったと思うし、代車では乗ったけど、同世代のV40もやっぱり好きだったなぁ。
今のボルボは…ちょっと違う…(インフレも凄まじいし)

今後もまた当分の間(笑)、V40とのカーライフ楽しんでくださいな。
ちなみにタイヤは、ミシュランを推す。
ボルボには最高に相性がよかったし、レインも含めて性能バランスが優れていて好き。
僕はいつもミシュランとヨコハマで悩む…。
コメントへの返答
2020年6月11日 20:41
>Dylan

そうだね、Dylanの乗ってたS60とは世代的にも同じで内装も似てるもんね。垢抜けるちょっと前の、「ちょうどいい感じ」のボルボだよね(語彙力)

タイヤはやっぱりそういうと思った!Michelinだとプライマシー系にするか、パイロットスポーツ系にするか、、、迷うなぁ。
2020年6月11日 20:56
パイロットスポーツとプライマシーだったら、そこまで大幅に価格差ないしね。
そもそもS60の標準装着が当時プライマシーだったんだけど、その後の交換時も結局プライマシーをチョイスしたけど、後悔はない、コスパの非常に高いタイヤだったよ。
コンフォート系ながら、走る、曲がる、止まるの動作は意外とキビキビできた。

トルクのあるエンジンだから、パイロットスポーツもいいかなという気もするけど、キャンプ行くなら…どうだろうね…。
スポーツ系のタイヤは特に、すぐ泥とか石とか詰まるイメージ…。
コメントへの返答
2020年6月11日 21:18
>Dylan

おお、体験談に基づく心強いアドバイスありがとう!!

というか今時ネット通販+提携店で取付ってこんなにも安いのね。

直進安定性を損ねない程度のコンフォートが欲しいのよ。加えて、最近の日本はスコールみたいな雨が降るから、いざと言う時の排水性も確り欲しい。そうなるとプライマシーかなぁ。。。

確かにトルクのあるエンジンだけど、赤子を乗せてフル加速することもないだろうし(笑)

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「[生存報告] どうやらホイールとタイヤを換えたようです。」
何シテル?   02/02 22:43
【愛車遍歴】 スズキ/スイフト→スバル/レガシィ→VOLVO/V40→現車 関東地方の東側でひっそりと暮らしています。クルマ好きの皆さまと繋がれればと思...
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