タイミングベルト等を交換 その3
1
そして新しいシールを入れていきます。
なお、この位の径で、外周ゴムコーティングのオイルシールだとある程度までは簡単に指で押し込めますね。
なるべく真っ直ぐ「とっかかり」を作った上で、指の力でいける限界まで押してやります。
その上で、これはシール自体がツライチではなく少し奥まっているので、古いシールを当てがってエクステンションバーで押していってますね。
別に叩かなくともはまってくれるのならそれに越した事は無いのがオイルシールなので。
あ、それとこういったシールの場合、「奥にストッパーがあるのか否か」をちゃんと最初に確認しておかないと、押しすぎてずぼーん、となる事もあるので注意です(汗
…家でやってるならカムシャフト側のボルト穴を使ってシール押し込む冶具をわざわざ作ったんですが、正直そこまでするLVでも無い位簡単でしたね。
あ、クランクシールも同様だったのは言うまでも(以下略
2
で、各部の交換を終えた後はベルトカス等を清掃し、チェックを行います。
シールの斜め具合や深さ、各部ガスケットの具合等、チェックは何度行っても困るものではありませんしね。
特にシールは出来るなら最初に挿入深さを測っておくと良いですし、斜め具合は意外と人間の指でも分かるものなので。
それとオイルシールのリップ側には挿入前にシリコングリスを塗っておくのを忘れずに、です。
初期馴染みが出るまではそれなりに潤滑があった方が良いですし…メンテナンス時には出来るならばシールをめくってグリススプレーを吹いても良い位ですね。
3
そしてやっと、メインイベントであるタイベルの交換となります。
まずは古いタイベルのマーキングを、新しい物に移していきますが、私はこうやってタイベルの起点を縛っています。
そこからはコマ単位を基準としてマーキングを移せば良いだけですが、これはそうそう間違わないでしょうね。
可能な限り、自分で把握出来る範囲にてマーキングは多く付けてあった方が間違いは起こりづらいですし、最悪、ベルトにマーキングが一切無くてもエンジンの合わせマークさえ合っていれば死にはしませんので、ね(爆
4
各部合わせマークをきちんと調整しつつ、タイベルを入れていきます。
先にテンショナーを取り付け、最弱側一杯まで引き上げて固定しておきます。
なお、タイベルを入れる場合は「小さいスプロケ側から」ベターでして、ガードがあって嵌められない場合は別ですが、「最後」に入れるのは大きなスプロケの方がやりやすいです。
(※たくさんスプロケやテンショナーがあるエンジンは別ですが)
合わせマークに関しては、クランクスプロケットから左回りで、写真でカムスプロケに洗濯ばさみが付いている辺りまでが「張る」ので、そこをズラさない様に入れていきます。
ここはテンショナーとは逆側の為、距離がわずかでも長いとベルトがはまらないので、ほんの少しだけクランクなりカムなりを半コマ程度回しておくと良いでしょう。
写真だとカム側を右回転か、クランク側を左回転、という事ですね。
そんな事しておかしくならないのか、と思われるかもしれませんが実際にベルトをかけた後、1コマずれていたら誰が見てもおかしいと思うレベルで目視で分かるので大丈夫です(爆
カムシャフトにしても、滅茶苦茶に回さない限りバルブのヒットはないでしょうから、あまりシビアになりすぎても効率は落ちます、という事で…
5
で、タイベルを入れた後は整備書通りに90°程度クランクを回し、その状態でテンショナー固定ナットを緩めてベルトを張ってやります。
その上でクランクを回し、タイベルを指で押してやって既定の張りになっているかどうかを確認します。
(※くどいですが整備書コピーを車屋さんで貰ってからじゃないとこういう作業はやるべきじゃないです)
が、このテンションでタイベルからカバーのラインまで12㎜程度、というのが規定値なのですが…
純正指定の貼り方の場合だと、どうやってもきつくなりすぎてしまい私は上手く行きませんでした。
と言いますか、新品ベルトであることを加味しても純正指定の方法だとあまりにもきつすぎる感じがしたので、私はそこからほんのわずかにテンショナーを緩めて張ってやり、それでおおむね12㎜のクリアランスを得る事が出来ました。
…これって好みもあると思うんですが、タイベルってあまりにも張りすぎるとエンジンかけるとひゅおおおおお、とかって変な音が鳴りますし、初期馴染みを差し引いてもテンショナーとかに良くは無いと考えてます。
(私過去にそれをやらかしてもう一度張り直した事ありますんで)
テンションほぼ0のゆるゆるなのも問題ですが、張りすぎよりは緩めの方が機械的にはまだマシかな、とも。
このあたりが不安な場合、バラす前に確認しておいたタイベルの張り具合とか、テンショナー固定ナットの位置等も加味すべきでしょうね。
古くてタイベルが痩せていると張り自体は緩いですが、新品だからばっちばちという訳でも無いので…
このあたりって難しいですねホントに。プロは凄いと思います(泣
6
そしてクランクを2回転させ、合わせマークに不備が無い事を確認していきます。
ただこのエンジン、クランク側とオイルポンプの合わせがちょっと曖昧な気もするので、ある程度合っていればOKでしょう(笑
ベルトの具合等によっても、半コマ程度ずれた様に見えるのは特におかしくありませんので。
不安な場合は、わざとどこかを1コマずらしてベルトをかけてみればよく分かりますよ(爆
あ、こりゃ絶対さっきの方が正解に近いわ、というのが目視で分かりますのでね~
中古タイベルだとコマも痩せていますし、クランクやカムスプロケも取り付けのガタが完全に0ではありませんから…
それとオイルポンプに関しては、クランク6回転で元の位置に戻るので、出来れば6回転回した上で改めてサービスホールからドライバーを突っ込み、バランサーシャフトが定位置にいるかどうかを見ても良いでしょう。
最初に一度合わせてれば狂う方がおかしいのですが、バランサーシャフト側のギヤは作業中に回らない様に注意が必要ですね。
7
そしてやっとこさ各パーツを戻しつつカバーを付け、クランクプーリーの締め付けに入ります。
外す時にはまず外れるかどうかが問題だった為、クランクプーリーの「一番手前」の溝にバンドホルダーをかけてましたが、ダンパーへの影響等を鑑みると出来れば「一番奥」の溝に掛けた方が良いですね。
コチラの方がプーリー外周も大きいですし、余計に滑りづらいというメリットもあります。
締め付けにはバンドホルダーの下に延長パイプ、私はバイクのフロントフォークを使って地面に固定していますね。
…要らないフロントフォークって長さも替えられますし、末端形状は丸では無いので固定もしやすいという万能冶具になりますよ(笑
この状態でトルクレンチをかけますが、私のこのプリセット型トルクレンチは12㎏がMAXの為、締め付けトルク12㎏のクランクボルトに対してはほぼ限界になります。
なので、一度12㎏で締め付けた後、別途ばね式のトルクレンチを用いて締めています。
いいかげん高トルク対応のプリセットトルクレンチ買えよ、というのは(略
8
締め付けた後は最初にマーキングしておいた、締め付け時の為の合いマークを確認していきます。
この写真だとちょっと行き過ぎに見えますがちゃんとぴったり合ってますよ。
(※カムスプロケットでも同じ事をやってます)
が、締め付け時に12㎏ではこのマーキングまでわずかに届かなかった為、ばね式トルクレンチで目盛りを読みながらさらに締め、おおむね13㎏の時点で合いマークが合いました。
ここは指定トルクよりもマーキングが強かったですが、場所が場所だけにそちらを信じる事にしていますね。
なお緩み防止の為、クランクプーリーボルトにはわずかに液体ガスケットを塗布しています。
さらに続きますが次が最後ですね。
[PR]Yahoo!ショッピング
入札多数の人気商品!
[PR]Yahoo!オークション
関連コンテンツ
関連整備ピックアップ
関連リンク