
「13階段」
高野 和明 著
講談社文庫
本屋大賞で2位となった「ジェノサイド」を読みたいところですが、2千円もするハードカバーはちょっと手が出ません。
そんな感じで、デビュー作にして、江戸川乱歩賞を受賞した本作(文庫)を購入した次第です。
ベテラン刑務官の南郷は、死刑囚樹原に冤罪の可能性を疑い、仮釈放となった三上を誘い、事件の洗い出しを始めます。
死刑執行が近づくなか、手掛かりは、事件前後の記憶を失った樹原が取り戻した「階段を昇っていた」という僅かな記憶です・・・。
冤罪と死刑制度を背景としたミステリーです。
少し前も似たような話を読みましたが(「雪冤」)、前者が受動的であるとすれば、後者(本作)は能動的であると思います。
選考委員でもある宮部みゆきさんの解説にあるとおり、物語は理路整然と流れ、とても新人とは思えないとのコメントにも素直に納得しました。また、帯にあるとおり一気読みしてしまいしました。
ミステリーとしてのデキも良かったのではないでしょうか・・・(半分ちょっとで犯人が判ってしまいましたけど(*_*))
刑の執行がリアルに描かれていて、「雪冤」とニコイチ出来れば、最高の作品になるだろうと勝手な想像をしてしまいました。
オススメ度・・・4.0
Posted at 2012/05/26 15:19:33 | |
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