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ノロケンのブログ一覧

2011年02月27日 イイね!

セヴン ヒストリー ②




≪第二期 セヴンウェーブ 上≫


■色気づく田舎者■


時は流れ、1998年
腕時計の輸入販売という仕事に進んだ私は、愛知県名古屋市にいた。
身を置く業界が華やかだったこともあり、田舎から出てきた私は徐々に色気づいてくる。
仕事着といえばレザーのスーツ。 イエローのシャツにオレンジのネクタイ・・・
つま先の尖ったパチョッティをカツカツ鳴らしながら歩く姿は、今想い返しても顔が赤らむ。
『仕事に必要だから』と自分に弁解しながら、ロレックスやジラールペルゴといった身分不相応な時計を買い込んだ。
週に3~4日はクラブに通い、夜が明ける頃、気持ち悪さと共に眠る日々・・・
何とも滑稽だが、冷静に我が身を観察し直したことなどなく、仕事に遊びに没頭していた。

そして車好きの端くれとしては当然だが、色気のある車が欲しくなる。
訳も分からず、ただ『デカイから』という理由でグランドボイジャーの購入も考えたが、心の奥ではスポーツカーが大好きな私。
それとなくキーワードっぽいものが浮かんだりもする。 「スポーティー」 「グラマラス」
『イタ車なんてシャラくさい』とみなしていた節があった私だったが、今回ばかりは
『イタ車・・・だろうか?』
会社の先輩が所有するランチアデルタ エボルツィオーネの色気に魅かれ、イタ車を物色し始め、程なくして2年落ちの真っ赤なアルファロメオ155V6と、何故か真っ赤なイタリアンバイク、カジバをほぼ同時に買ってしまった。
更にはこのカジバ、買った当初はほとんど乗らずにひたすら眺めるだけだった。

当時、24歳。 随分背伸びをしたものだ。
薄々そう感じていた。


■夜の街から朝の山へ■


次第にそんな生活が空しくなり夜遊びの頻度が少なくなると、休日の目覚めが早くなる。
何気なく『たまたまバイクがあるから』と始めたことだが、バイクでワインディングを流すという男くさい遊びを始めることとなる。
近くのワインディングといえば、猿投グリーンロード経由で無数に広がっている。
レーサーの様な重装備をするわけでもなく、猛スピードでコーナーを攻めるわけでもなく、ただただ流す。
地図も持たずに駆け出し、気の向くままにひたすら流す。
たちまちにしてすっかりハマり、週末という週末はどこかの山の中を走り回っていた。
騒がしいだけのクラブや、いかがわしいだけの夜の街にはすっかり飽きていたから、自然の中に身を置くというだけで新鮮。
グッチのラッシュより、カストロールの焼ける匂いの方が・・・
知らないネエちゃんとの乾杯より、初対面のライダーと缶コーヒーのプルトップを開けている方が・・・

・・・そういうことだ。


■再会■


すっかり朝型人間になっていた私は、ある休日の朝、夜明けと共に目が覚めた。
『今日はちょっと足を伸ばしてみるか』と、いつも気になっていた【阿木川ダム】の案内標識を追いかけてみることにした。
寒さのせいか、知らない道のせいか、いつもは感じない心細さと共に。
『誰か居ないかなぁ』
いつも決まってパーキングを通過する際は、変わった車やバイクが停まっていないか自然にチェックしている。
その日は時間帯が早かったからか、どこにも【それらしき姿】は見当たらない。
そしてしばらく日蔭のワインディングを走ると急に視界が開け、右手を見下ろすとダム湖が広がっている。
『これが阿木川っ!』
きっとたいした距離は走っていないが、道中の心細さも手伝ってか大きな達成感を味わうことができ、まるでウイニングランでもしているかのように体を起こし、スピードを緩めた。
ダム湖を跨ぐ大きな橋を抜けると、左手にはちょっとした公園とパーキング。
『ここも誰も居ないや』とエンジンを止め、惰性で滑るようにパーキングに入ると、植木の途切れから小さな車がこちらに向いて佇んでいるのが見えた。

『・・・ん?』

そこで頭をフル回転・・・

『スーパー ・・・セヴン???』


そして忘れていた熱い何かが心の中に蘇るのを強く感じた。



セヴン購入ヒストリー ①
Posted at 2011/02/27 22:12:48 | コメント(11) | トラックバック(0) | セヴン ヒストリー | 日記
2010年09月25日 イイね!

セヴン ヒストリー ①




≪第一期 セヴンウェーブ≫


■出会い■


今から遡ること16年前(1994年)、当時の私は友人から18万円で譲り受けたAE86レビンを喜んで乗っていた。
おりしもドリフトブームの真っ只中、山(鞍掛峠)やミニサーキットには通いまくっていたものの、いわゆる「グリップ走行」には全く興味がなかった頃。
奈良県にあるミニサーキットで、初めてコース一周全てドリフトで繋がった時には、えらく感動したものだった。
(きっとタイムを計られてたら、恐ろしく遅いスピードだったことだろう。)

そんな中、どんなきっかけで誰と行ったかは憶えてないが、ある日「昼間の鈴鹿スカイラインに行ってみよう」という話になり、700円という高額な通行料を支払い(現在は無料)慣れない日中のワインディングを上ってみることにした。
ところが、スポーツカーがバンバン走ってる想像とは違い、2st 250ccのレーサーレプリカバイクが宛らサーキットを走っているかのように攻めている。
「ちょっと場違いな所に紛れ込んじゃったな」と頂上駐車場で通行料のことを悔やんでいると、一台のバイク(アプリリア)が私の元へ近づいてくる。
「ノロケンちゃん!」・・・ヘルメットを脱ぐと馴染みの顔。サーキット遊びでいつも一緒になる86乗りの2つ年上のA氏。
聞くところによると、昼間の鈴鹿スカイラインはバイクばかりで、攻めてる車と言えばスーパーセヴンがちらほらくらいだとか。
「スーパーセヴン?」
・・・知らなくはない。けど、私が知ってる(イメージする)スーパーセヴンと言えばクラシックカーに属するスポーツカー。
「攻めてる??へんなの」と思ったのを鮮明に憶えている。(誰と行ったかは憶えてないのに・・・)

そして、しばらく駐車場でバイクを眺めてから下ることに。
すると、バックミラーに見慣れない「地を這うようなへんな車」がもの凄い勢いで迫ってくる。
フロントガラスも無くゴーグル姿のそのドライバーは、ハザードを灯して路肩に寄った私にサッっと手を上げ、瞬く間に消えていった。
「スーパー ・・・セヴン???」
私が想像していたクラシックなそれとは違い、正直、格好良いのか格好悪いのかも解らず、ただただ衝撃的だった。

・・・ん?

私は駐車場で2時間ほど過ごしていたのにスーパーセヴンは見かけなかった。
そして私を追い越していったスーパーセヴンはその後すれ違うことはなかった。
「ってことは、あの人は高額な通行料を支払い、滋賀県から上って三重県へと通過しただけなのか?」
「なんてクールなんだ!」
・・・なんて変なことにまで感心する始末。
当時の700円といえば、私の一日の生活費並みだったわけで・・・。

「脳裏に焼きつく」とはよく言ったものだ。
ミラーに迫りくるセヴン、追い越し時の左後ろから見たセヴン、コーナーへ消える間際のセヴン・・・
3つのシーンのスーパーセヴンが頭の中に、まさに3枚の写真のように焼きついてしまった。

 ・・・実に美しい・・・

その後も気になっていたが、「欲しい」とは違うようで・・・「乗ってみたい」・・・だろうか??
変な感覚だったが、とにかく気になる。
インターネットも無い当時、調べ物と言えば書店に駆け込むくらいしか術がなかった。
しかし、スーパーカーや国産スポーツの記事は無数にあるものの、スーパーセヴンの記事などどこにもなく、ようやく探し当てた「黄色いスーパーセヴン」の記事に辿り着くまでにはかなりの時が経っていた。
しかも、覚悟をしていたとはいえ、そこには「980万円~」・・・。
個人売買の欄には「中古 700万円」とも・・・。

ここで、「欲しかった」ことが判明。だが、その想いも強制終了。
18万円の車に乗った二十歳の私に「980万円~」はあまりに非現実的であり、「スーパーセヴンと言うよりウルトラセヴンだな」という全く笑えないオチをブツブツ言いながら、書店を出たのを憶えている。

今思うとその「黄色いスーパーセヴン」はケーターハムの【JPE】だと考えられる。
(そりゃーウルトラセヴンだ!)


まだ汚れを(ちょっとしか)知らない、純真無垢だった二十歳の私・・・
セヴンウェーブは、忽ちにして終わったのだった。





Posted at 2010/09/25 21:53:25 | コメント(18) | トラックバック(0) | セヴン ヒストリー | 日記

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