■旧式トランシーバ大?改造■
車とは直接関係しませんが、旧式(35年位前?)HF
トランシーバを50Mトランシーバに大改造(中改造?)
したので概要をアップ。
■改造概要■
使用する機会は無いかもしれませんが、何とか実用レベルに達したので改造の概要を記録
することに。
機種は「IC-720A ICOM製のHF帯 100Wトランシーバ」、第一局発が不安定で要修理の状態だった。
①アップコンバージョンの第一ミキサーから先(IF側)は未改造
従って、機能そのものはHFトランシーバと同様だ。
②改造部
・第一ミキサー部交換(DBMモジュール)
・第一局発部全取り換え(最近のDDS、PLLデバイスに変更)
・HF帯BPFを全削除、50M帯BPF(簡易版)に変更
・受信プリアンプをHF用から50M用に変更
・HF帯送信DRVアンプを50M帯DRVアンプに変更
・HF帯100Wアンプを50M帯10Wアンプに交換
・本体CPUの制御線(I/O)を細工しTRVモード(モドキ)に修正
・本体に無かったFMモードを追加実装
細かい修正は他にも有るが、回路的には改造は楽な方かも?
-->構造が立体的で改造作業自体は大変だった。
■第一局発(90M帯)改造編■
(画像右上)
元回路(40Mhz~70Mhz)は、3重ループのPLLで素人目にも大変そうな回路だった。この年代の機種でPLL回路となるとデバイスの選択肢は少なかったのだろう、多分!
コネクタ部とレギュレータ部の一部を残して削除(基板カット)。カットした部分に生基板を接合した。
その上に、
・DDS(評価)基板(AD9851を180Mhzで動作)
・PLL(MB1504 SOPなので変換基板上に実装)
・上記デバイスを制御するためにPICを実装
・90M帯VCO
・所定レベルまで増幅するためのAMP
・追加したレギュレータ
を実装した。
本体CPUからのコマンドを一旦PICで受け、実装したデバイス用にデータ変換し書き込む。昨今の機種では考えられないが、この機種には英語版サービスマニュアルが有ってユニット単位での制御概要が記載されている。英語はダメでも数式は万国共通、理解に間違いは無かったようだ。
(画像右下)
DDS基板、PLLの拡大。DDS基板には、AD9851と30Mhz発信器、出力LPFが乗っている。PLLは富士通製のMB1504、520Mhzまで使用出来るらしい。
(画像左上)
90M帯のVCOとμPC1677CのAMP、LPFが乗っている。30M帯の第二局発は、そのまま使用する。
(画像左下)
発信出力のスペアナ画像、90Mhz帯で100Hz分解能4Mhz幅だ。10Hz分解能は、第二局発で実現している。取りあえず、良しとしよう。元は40Mhz~70Mhzの30M幅をカバーしていた。
■第一ミキサー改造編■
画像が上下逆さまだ!
(画像右下)
元有った11分割のBPF、DBM、アンプをすべて削除、時間が掛かった。四角い小さな金属箱はミキサー後に入っているフィルターだ。小さいシールドルーム内に新規にDBMと簡易フィルターを実装、外側にも簡易型のBPFを実装した。右側のシールドルーム内(第一IF)以降はそのまま使用。
(画像左下)
DBM、フィルターの拡大画像だ。場所が有るのでもう一寸性能のよいフィルターが良かったかも?
(画像右上)
DBMからIF側に行くラインのフィルター特性だ。39MhzのIF信号用にLPFとした。
(画像左上)
DBMからアンテナ側に行くラインのフィルター特性だ。52MhzのBPFとした。場所が有るのでもう少し特性を良くした方が良いかもしれない。
■上面基板の改造編■
(画像右上)
上蓋を取った状態画像だ。改造箇所は、送信用DRVアンプ部、SWR/プリアンプ部(追加基板の裏で見えない)と追加機能のFM基板だ。FM基板は、100W用のフィルターユニットが有った場所に生基板を取り付けその上に実装した。上手くおさまった。
(画像右下)
DBMからの50M帯信号(-17dBm程度?)を35dBほど増幅している。初段のアンプは、元回路を一寸変更し流用した。2段目はお手軽にμPC1677Cだ。BPF(一寸ロスが有る)とLPFも実装した。
(画像左上)
FM用のオプション(ICOM製ではない)基板だ。何故か手に入ったので説明書に従って実装した。35年ぶりに火が入ったかも?一寸感度不足ではあるが、動作に問題はなさそう。SQ機能も存在(FM時、PBTがSQ調整になる)する。
(画像左下)
SWR検出/受信プリアンプ部だ。プリアンプは、30年近く前の基板残骸から取り外した3SK121(と思う)の既製品アンプだ。ゴミにならず日の目を見た。
■ファイナルアンプ改造編■
(画像左上)
元のHF帯100Wアンプだ。そのまま基板を取り外した。今後の再利用は難しいかも?
(画像右上)(画像左下)
50M帯10WアンプでM57735と送受切替リレー、10W用のLPFだ。頑張れば20W近く出るそうな。無論、放熱的には全く問題ない。
(画像右下)
10W用LPFのスペアナ画像だ。良しとしよう。
■デバック編■
(画像右上)
裏蓋を空け、一番奥に「PLLユニット」を実装した画像だ。
(画像右下)
ケーブルが多い!!大丈夫か?
(画像左上)
何とか仮接続し、デバック(調整)開始。PICは、何時ものようにアセンブラで書いた。難しいところは無い。PLL、90MhzのVCO、レベル配分を説明すると長くなるし、技術の無さが見えてしまうので省略。DDSの設定、PLLの設定も色々組み合わせが考えられる。現状は、割と簡単なPLL設定:固定のDDS周波数設定:変更で試した。PLLの基準周波数(DDSが出力)をダイヤルに従って変更し周波数制御する方法だ。
(画像左下)
デバック完了。しかし、4M幅を4分割(1バンド1M幅)し、バンドチェンジで対応する仕様は、使い勝手が非常に悪い!!トランシーバの表示は、キャリア周波数を示している。従って、バンドエッジではモード毎に実際の出力周波数が1Mズレる場合が有る。不満は有るが、改造作業はここまでで終了としよう。
■外した大物ユニット■
(画像右上、右下、左上)
100W用のLPF、切り替えがロータリーリレーと言う優れもの!この音では夜中のバンドチェンジは一寸気が引けるかも?100Wアンプ、使い道は無いが取りあえず保管。
(画像左下)
最後に51Mhzの出力スペアナ画像、10W以上出ている。その他、特に問題はなさそう。
良しとしよう。
APは10月開始目標で工事中とのこと。計画通り進みますように。
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何気なくDIY | 日記
Posted at
2016/06/11 02:50:59