さて、最後に術後から退院、現在までの話を書いて終わろうかと思います。
術後の夜は前にも書いた様に地獄でした。
集中的な看護を受けられる位置にある部屋に移されたみたいです。(記憶に無いですが)
息苦しい酸素マスク、足元には不快な血栓防止の装置。体位を変えれないもどかしさ、創部の痛み。数時間に1度襲ってくるガツンと上がる熱。体がカーーッと熱くなってきて、それと同時に息苦しさ、全身からの汗が襲ってくる。パニック症候群の一種なのかもしれない。
この時ばかりはナースコールを沢山使用しました。
今思えば、こんな時こそアタPでもリントンでも何でも使って欲しいよな…なんて思いますがそんな事考える余裕も無かったです。
ほぼ眠れないまま朦朧としたまま朝を迎え、家族が面会に来た…気がする。ここくらいまでの記憶が曖昧です。
下半身の機械も酸素も外れ、あとは熱との戦いのみ。当日よりは下がったもののやはり熱が上がる。
よく、術後3日はキツイ。という事を聞いておりましたが、この時は本当にこれが明日治るのか!?と疑問に思っていました。
次の日。
…確かに体が楽になっている事に気がつく!
ほんとに3日なんだなあと実感する(笑)
この日からは体位の変換ができる様になりました。傷の状態も携帯の写メで撮って貰って確認。
お尻の割れ目から腰まで綺麗に裂けて(笑)いる。回診の時に聞いてみたら、どうやらオペは長年の病変から筋膜の癒着が進んでおり、それを剥がしていくのに時間がかかった。その後シャントを潰す際、ヘパリン(血液が固まらなくする薬)を注入するとあまりにも凝固時間が延び実を言えば血液が止まらなくなった。その為、術中に血小板の輸血を行った。計6時間半のオペとなった。
ほうほう。オペ直後に私自身が輸血の同意書を書いたみたいだが全く記憶に無い(笑)
輸血はともかく、癒着は意外だったな。
ちなみに、出血が止まらなくなったというのは、手技上の問題ではなく私の体、血液がヘパリンという薬に過剰に反応する体質の為。透析の患者さんでも偶におられます。
それから、数日間ベットから降りられない生活が始まります。許されているのはご飯の時起き上がることのみ。
ですが、本能が立つな!…と言っているのか私自身が体を動かす事にビビっているのか、全然苦じゃなかったです(笑)
数日後、先生同行のもと、立ち上がってみましょう!ということになる。
オペ後数日間立つ事をしなかったので大分ビビる(笑)
プルプルと足を震わせながら立ち上がる!!…腰が痛いな。流石に創部が痛い…よっ!
おお!!立ち上がれました!!
ですが状態は生まれたての子鹿のよう(笑)プルプルガクガクしておりました。
次の日の回診で今度は数歩歩いてみた。
ん!?今までは数歩歩くと力が入らなかった下半身が力が抜けないぞ…!?
トイレまで歩いてみましょうか。教授の言葉に驚きながらプルプルとトイレまでふらふらと歩く。…歩ける!
I教授も、珍しくニコニコしながら「もう、大丈夫だね」と、言っている。
次の日から歩く練習を始めてください。オシッコの管が邪魔になるので抜きましょうか。じゃあ、今抜いちゃって!
…オシッコの管は抜くのも痛いんです。
看護師さんに準備され、「ごめんなさいっ!!!」というのと同時に抜かれましたが、今回はなぜかあまり痛く無かったです^_^
フォーレも無くなり、歩く練習が始まりました。流石にびっこ引いてますが歩けます!最初はトイレまで。次に病棟を一周。どんどん歩ける距離を伸ばしていきました。
理学療法士さんとの、リハビリが始まってから見る見るうちに体力と歩ける距離が延びました。ですが、階段は最後まで怖かったです。これは今も若干怖いです…
そうこうし、1ヶ月する頃には大分体力も元に戻りました。退院を目標に外泊も許されました。
2ヶ月ぶりの我が家。病院食以外の食事…は、味が濃いなあ…(´Д` )コンビニのご飯は最初食べれませんでした。
退院の日、嫁さんと子供、義理のお母さんが迎えに来てくれ歩いて帰ります。入院時は車椅子でしたが今は自分の足で歩いて病院を後にします。
そして、本当に久々な車の運転。以前はよく運転中に足が動かなくなり道端に止まって途方に暮れていたが…
果たして運転できる様になっているのか?
しかし、その不安も消えました。シートに座った感じ少しだけ創部が痛いものの我慢出来ない程では無い。そして何より、足が動く!!
もう、強化クラッチのマニュアル車もとい普通の車ですら運転が出来ないと思って諦めていた私がまたハンドルを握っている!!この感動は暫くは忘れないでしょう。
この病気を機に実家のある秋田に帰ってくる決断をしました。
母親が長年病気を患っていること。一人っ子であり、長男ということ、万が一また再発することを考えると少しでも元気なうちに親元に帰るのも親孝行の1つ…じゃないのかな?と勝手に感じたこと。
子供らを都会ではなく田舎で伸び伸び育てていきたいと感じたこと。
結局全部自己満足なんですけどね。
今現在は、創部の腰痛と戦いながら仕事してます。無事に前と同じ医療の仕事ができていることに感謝しなきゃですね。
私の病気に関してはこれで終わりです。
この、稀な病気をみなさんに知ってもらえれば。また、私自身何かに闘病記を書き残しておこうと決めていたのでこのブログに書くことにしました。
今後この田舎暮らしはどの様な方向に進むかはわかりませんが、自然の中で一喜一憂しながら楽しみたいとおもいます。
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2016/06/25 21:39:27