最近のニュースで院内感染、老人ホームでの感染症をよく聞く。ニュースを見ると死亡した老人の人数が3人とか5人とか。感染は良くないことなのだが、体力的にも免疫力も弱っている85歳、90歳の老人が数人で済んでいることは実はすごいことだ。冬になると毎年のようにインフルエンザのニュース。発病した人、学級閉鎖がそれなりの数になる。家庭でも学校でも手洗いうがいなど十分対策、気をつけているにもかかわらず。子供や若い人たちでもこれだけ感染症にかかる人は多い。そう考えると、老人ホームでの感染の度合いは極めて低い。何度も書くが免疫の弱っている老人たちである。ここで言う数人の死者というのは、統計的、確率的には自然死の扱いでも問題ない範囲である。マスコミは騒ぎ過ぎなのである。先日の点滴に薬物というニュースもすっかり報道がされなくなる。理由は簡単、突き詰めていくと90歳前後の老人の死亡率と変わらない。出来る限りの捜査をしてからの、報道の尻すぼみからもそんな感じだろう。今の人達は違う意味で命を軽んじている。命は永遠だと思っている。70年前までの戦時下、戦後の混乱期、乳児の死亡率は高かった。戦時下では街角に焼け焦げた死体が積んであるという話もよく聞く。命は儚いものだった。それが今となっては、ガンだろうがアルツハイマー病だろうが80でも90でも生きられるという意識が強い。喜怒哀楽がほぼなくなり、大小便も他人の世話になるようになっても命は永遠なのだ。老人ホームや終末医療の批判をするより自分の親の介護や自分の老後の心配をした方がいい。騒いでいる連中は、どこかが抜けているのだ。