FPCMの故障予防(解剖編)
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
初級 |
作業時間 |
30分以内 |
1
早速ですが、燃料ポンプの電圧をコントロールしているFPCM(フューエルポンプコントロールモジュレータ)
を分解してみました。
これは運転席側後部座席のCピラー内張下にあります。
ハンダ割れやコンデンサ抜けで壊れて不動になるという話ですので、壊れる前に補修してみたいと思います。
私の個体は中期型のR32です。FPCMの中身はJECS A63-101-231でコイル横に青いコンデンサが2つあるマイナーチェンジ前のモノのようです。
FPCM自体にも前期後期とバージョンがあり、マイナー後のFPCMはコイル横にある180μFの並列コンデンサが一つだけになっていて(変更後の耐圧容量不明)部品点数が削減されています。
FPCMの内部番号は
マイナーチェンジ前:JECS A63-101-231
マイナーチェンジ後:JECS A63-101-250
となっています。
2
反対から見た様子です。
写真から全部で5つのアルミ電解コンデンサが使用されている事が分かりますね。
3
容量180μFの耐圧35Vが並列に接続されています。温度グレードは105℃です。
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見えないですが右の背の低いやつが容量47μFの耐圧25Vです。
左は容量は同じ47μFですが耐圧が40Vです。
二つとも温度グレードは125℃です。自動車用ですかね。
5
最後に一番隅に追いやられているコンデンサです。
容量47μFの耐圧63Vです。温度グレードは125℃です。
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とりあえず寿命に直結しそうな受動部品は上記の5点でしょうか。
その他のコンデンサはフィルムコンデンサがありますね。C5,C6,C7,C8,C9に該当します。
C7は画像で隠れていますが、C13の下です。
NCCと書いてあるので松尾電機のPET樹脂製フィルムコンデンサだと思います。
とうの昔にディスコン(製品廃止)ですが、フィルムコンデンサは基本的に寿命という概念がありませんので、交換する必要はないかなと思います。
また、C2などの茶色い円盤形の部品はセラミックコンデンサです。今では青色の米粒形状ですが、昔の機器は全部こんな形をしていましたね。
セラミックコンデンサも基本的に寿命を縮める要因が無いので無交換で良いと思います。
7
早速温度グレード125℃のアルミ電解コンデンサを探したのですが、今や高温耐性が求められる分野では固体コンデンサが使用される事が多いのか、あまりパッとする部品が見当たりません。
仕方ないですので、ルビコンの固体コンデンサに置き換えてしまおうと思います。固体の方が寿命も圧倒的に長いですしね。
125℃で4000時間グレードのコンデンサを雰囲気温度25℃で使用した場合、アレニウスの法則で単純計算すると467年持つことになります。
アルミ電解コンデンサは電解液の蒸発で10年程で寿命ですが、固体コンデンサは上記の寿命特性に近い事でしょう。
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まずはハンダを補修しつつ部品を発注して、到着したら交換してみたいと思います。
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その他の補足として
両側面に使用されている素子を確認しておきましょう。
NECのK591です。
これはNチャンネルMOSFETです。
D-S間耐圧60Vで
G-S間電圧は20V
ドレイン電流は連続15Aでパルス60Aです。
ピン配置は刻印を表として左からGDSです。(ゲート,ドレイン,ソース)
まだ同部品が250円程で手に入りますが、スペックを参考に同等品を注文した方が賢いかなと思います。
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その右にあるのはNECの14305です。
これは電子工作が好きな方ならお馴染みの三端子レギュレータです。
5V1A出力で耐圧35Vの様です。
足は刻印を表として左からIGOです。(インプット,グランド,アウトプット)
こちらはディスコンですが、三端子レギュレータはいくらでも代替がききますね。
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続いて反対側にあるサンケン電気のFMU24Sです。
これは高速整流ダイオードです。400V耐圧の順電流10Aでサージ電流40Aの整流スペックです。
ディスコンの様ですがまだ手に入りますね。
12
最後にICです
IC2が2回路入りコンパレータ
IC3が2回路入りオペアンプ
です。
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