私には15歳の時からもうかれこれ40年近く付き合っている友人Fがいる。
毎週土日は四国の山の中をさまよいながら、渓流釣りをやっている。
ログハウスを自分で建てて、山の中で悠々自適に暮らしている。
そんなFのホームページで「オモロー」な話を見つけた。
多分ネタ話だと思うが、彼の「人」と「なり」を知っている私としては、あながちネタ話では無いと思っている。
以下は勝手にコピーした。
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昭和46年、16歳の秋口だったと思う、屋島にある寮の川向かいに喫茶店ができた。わたぐじは高知の山奥、それも愛媛県との県境がどうのこうのというようなところの育ちなので、喫茶店なんていうのは一度も入った経験がなかった。
ある日、友人Kがその喫茶店の開店記念サービス券を手に入れたので、一緒に行かないかと誘いがあった。
喫茶店ってのが都会にあることは聞いて知っていた。夏休みの帰省で故郷に帰ったとき、中学校の同級Sから高知市内にある喫茶店での爆笑ばなしを聞いていた。
Sは高知市の高校へ進学して下宿住まいをしているが、先輩に連れられて喫茶店へ行ったそうだ。
Sもわたぐじと同じく山奥育ちなので、そういったハイカラなところに馴染みがない、誘われるままに着いていったそうだ。
[Sの話]
サテン(喫茶店)へ入りドギマギしながら席へついた、店は混んでいて賑やかだった、先輩は市内の出身でこういった場所になれているみたい。
「俺はレスカにするけんど、おまん何んにするぜよ」と聞かれたが、何を注文したいのかさえわからない。
「このメニュー表にあるものじゃったら、なんでも奢っちゃお」と先輩は胸を張った。
そういわれても何がなにやらサッパリなので、とにかくレスカを探したが無い、「レスカって無いですよ、いったいなんれすか?」と聞くと
「それはの、レモンスカッシュを略してレスカとゆうがよや。コーヒーはホット、アイスコーヒーはレイコウ」
ほほーやっぱり都会は違う、ハイカラやと思った。さて何にしようかとメニューを探っているとクリームソーダが目に付いた、ソーダ水は飲んだことあるがクリームの意味がわからないので、先輩に聞いてみた。
「それはのアイスクリームがソーダのなかで泳ぎよるがよや」
よし、これにしようと決めたが、どうしよう、どういうふうに略そうかと考えているところへ、垢抜けたウエイトレスが注文をとりにきた。
先輩は軽く「レスカひとつね」と注文した。
いやーめったよ・・・・・・どうしたらいいのかわからない、ク ククリームソーダ う ううううーーーん えいままよ!「クソひとつね」と注文した。
しばらくして、先輩の前にはレモンスカッシュが運ばれ、Sの前にはカレーライスが置かれた。
たぶん、この話の後半は付け加えだと思うが、まぁこれだけ喫茶店(きっちゃてん)はハイカラだった。
さて、屋島の喫茶店のはなしにもどって。
やはり初体験の喫茶店、Kに誘われるまま着いていった。赤っぽい屋根と入り口のドアが派手で、坊主頭にはチョット恥ずかしい。
注文は前の日からなににするか決めていた、アイスコーヒーを注文する決意満々だった。それも略してレイコーと注文してやろう。
友人と席に座ったが、客がいっぱいでなかなか注文をとりにこない。メニューを見ると、ありましたありました、アイスコーヒー。
しかし下のほうに、○○うどんとかうどんメニューが書かれている、喫茶店でうどんが食えるのかと周りを見渡すと、あっちでもこっちでもうどんをススッているではないか。
さすが讃岐やと関心していると、来ました垢抜けしたウエイトレスが、しかしいきなり水だけおいて引っ込んでいった。
そこで一応Kに聞いてみた
「なににする?」
「わし、レモンスカッシュにするわ」
ふむふむ、どうやら省略文明はまだ高松近辺まで到着してないようだ
「よし、レイコウでいくぞ」と決心を固めた。
来ました、とうとう来ました垢抜けしたウエイトレスが注文をとりに
「なんになさいますか」
「レモンスカッシュ1つ」とKが注文する
「おきゃくさまは?」と聞かれた、用意していた省略語を言わなくてはと思うけれど、力んでいるのか、しゃべれなくなってしまたった。
う ううううーーーん ままよ! 「レ・イ・コ・- 下さい」と詰まりながら大きな声で注文した。
その瞬間、隣に座っていたカップルの男のほうが突然テーブルを蹴上げて立ち上がり、こちらを睨んだ。
うどんのどんぶりがひっくり返って汁がポタポタと床に落ちるのを、止まった時間の中でなすすべも無く見ていた。
帰りにKが一言「あのカップルの女性の名前は"レイコ"というのやで、まちがいない」
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大変失礼しました。
Posted at 2008/08/06 16:10:38 | |
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