今回紹介するカタログはトヨタのサクシード前期型です。
サクシードは2002年にそれまでのカルディナバンの後継として登場し、系譜としてはコロナバン・カリーナバンのものを受け継いでいる形になります。このため両者を扱っていたトヨペット店、トヨタ店での取り扱いとなります。
同時にデビューしたプロボックス(カローラバン後継)の姉妹車ではあるものの、プロボックスとはデザインで差別化しており例えばガーニッシュをプロボックスのバンパー一体型から通常の出っ張ったタイプとすることでサクシードが上級に位置するよう差別化を図っています。
またテールデザインも変更されている他、エンジンが1500ccのみとなり装備も若干充実させるなどやはり上級仕様としての差別化が図られています。積載量もプロボックスの400㎏から50㎏増えて450㎏となっています。
プロボックス/サクシードはそれまでのカローラバンやカルディナバンのような乗用車のおまけ的な存在では無く初めから商用バンとして使われることを前提として設計が行われており、このためシンプルに徹した箱型のデザインとなっています。
またコスト削減のためコンパクトカーのヴィッツのプラットフォームをベースに開発されており、ミドルセダンのコロナベースだったカルディナバンからは2クラス下のプラットフォームになっています。
この背景にはカローラバンやカルディナバンの設計の旧態化(ちょうど10年程前の設計のままだった)、そして何より日産が先行して1999年にADやエキスパートを登場させており、シェアが低下したことも影響していると言われています。
その後11年間大掛かりな変更のないまま生産され続けましたが2013年にフルモデルチェンジ並みのビッグマイナーチェンジを受け、前半分のプラットフォームを変更するなどの変更を受けています。
これが現行モデルとなる訳ですが、この際プロボックスとの差別化が行われなくなってしまいエンブレム以外はほとんど共通となってしまいました…
コンセプトのページです。なおこのカタログの基本的な構成は2002年のデビューから2013年にビッグマイナーチェンジするまで11年間変わりませんでした。
イメージ写真です。UL Xパッケージはワゴンのカラードガーニッシュ装備の最上級グレードとなります。
乗用車のおまけでは無く初めから商用バンとして使われることを考慮したためにとにかくシンプルなデザインとなっていますし、そのせいか15年以上前のデザインなのに全く古さを感じないですね…
街でだいぶ見慣れてますし今でも普通に見かけるからというのはあるでしょうが…
このため乗用車のようにデザインに関するページなどはありません。ですが2000年代ののトヨタの商用車はシンプルながらも斬新なデザインが多かったですね…
デュトロの姉妹車になったダイナ/トヨエースに始まり、このプロボックス/サクシード、200系ハイエース/レジアスエース、タウンエース/ライトエース、、って感じで…
積載性のページです。A4コピー箱90個・ミカン箱39個の積載を可能としています。ただカルディナバンと比べてボディが小さくなった分積載性では劣ってしまいます。
ただ商用バンとしての使用することを考慮して設計されている分積みやすさではサクシードの方が上だと思います。
インテリアのページです。基本的にプロボックスとほとんど共通となります。中央のエアコンダイヤルの下に折りたたみ式のテーブルがあります。画像ではノートPCを置いてますが結構古そうですし2003年当時のものでしょう…
今のノートPCを置くのはちょっと厳しい気もします…ビッグマイナーチェンジの際には時代に合わせてスマホやより大きなノートPCを置けるように考慮されたそうですし…
メーターは単眼メーターですし、エアコンはマニュアルエアコンと商用バンらしくオーソドックスな物となっています。
また意外ですがメーカーオプションのDVDナビも設定されています。まあ今となってはDVDナビって時点で時代を感じますね…実際2000年代頭のナビ普及期の機種って感じしますし…
しかしこのDVDナビ、実はアナログのみで地デジ非対応なんです…!
なので現在ではテレビを見ることが出来ません!!!
流石にオプションで地デジチューナーはあったようなのでそれを装着することになる訳ですが、ただこれも結構なお値段しますし普通ならディーラーオプションのナビ付けますよね…
インテリアのページです。収納やトレイの充実ぶりをアピールしています。大型の灰皿があるのは開発者の中に喫煙者がいて大きな灰皿があった方が休憩する時助かるという声があったからのようです…
他にもA4サイズのバインダー立てやタクシーのようなペンホルダーもあります。
またシートは長時間座っても疲れにくい構造となっています。
メカニズムのページです。
エンジンは直4・1.5Lの1NZ-FE型のみを設定しており、プロボックスに設定されている1.3Lの2NZ-FE型の設定はありません。
商用バンはお下がりの古いエンジンを搭載する傾向がありましたが、このエンジンは2000年にNCVカローラで登場したばかりの当時の最新エンジンを搭載しています。トランスミッションは4速ATと5速MTとなります。
なお直4・1.7Lディーゼルの1ND-TV型もかつては設定されていましたが排ガス規制に適合出来ないため(そもそも都市部の規制には適合しませんでした…)2007年をもって消滅しています。
そのためこの1ND-TV型搭載車は生産台数が少なく中古車市場では10年落ちの商用バンとは思えないぐらいの高値で取引されています…
メカニズムのページです。衝突安全ボディは懐かしのGOAとなっています。90年代後半にはよく宣伝されてましたね…またWILコンセプトシートというのはWILLサイファとかと関係あるのかと思ったら無いようです…
グレード一覧です。バンが3グレード、ワゴンが2グレードとなっています。
主要装備・価格表・カラーバリエーションです。
主要諸元です。
裏表紙です。特装車で保冷バンも用意されています。実車を見た記憶があまり無いですが…
オプションカタログです。
ドレスアップパーツとベースキットです。スポイラーやメッキグリルなどを設定しています。これだけでも商用バンでは珍しいのですが、次のページではもっと驚くようなものとなっています。
何とライトバンなのにモデリスタのパーツも設定されています!!
まあ200系ハイエースや現行のタウンエース/ライトエースでも設定されているのでもう珍しいことでは無いでしょうが、登場当時はかなり異例だったのでは無いでしょうか…
ビレットグリルやローダウンスプリング、スポーツマフラーといった商用バンには無縁だったものまであります!!
これで走ればさらに高速攻められそうですね!!!厳しいノルマの営業にも最適です!!!!
実用品です。ルーフキャリアはわかるのですが何故か商売には不要であろうサイドタープまであります。しかもそこに載ってる車種が懐かしの10系ラウムという…
またただでさえデカい灰皿があるのにさらに灰皿を設定しています…ヘビースモーカー向けですかね…
裏表紙です。