メルセデス・ベンツ(純正) レーダーセーフティパッケージ  

JNCAPの令和元年度自動車アセスメント評価結果が出ましたね。JNCAPはEURONCAPと異なり、評価点だけでなく算定根拠の具体的な数値を入れた詳細な試験結果を併せて公表してくださるのでありがたいです。
このレビューを書くにあたって予防安全性能アセスメント試験条件の資料を読み込んでみたので、いずれみんカラブログででも解説を書けたらと思います。

今回の試験ではCクラスが評価対象車に含まれており、他車種の結果ではありますが予防安全機能である「アクティブブレーキアシスト（歩行者/飛び出し検知機能付）」は同等のはずなので参考にしました。
https://www.nasva.go.jp/mamoru/assessment_car/detail/191
詳細結果や試験映像はリンクを確認いただければと思いますが、ほぼ満点に近い結果と言えます。
夜間に街灯がないところで歩行者が横断してくるという難しい条件でも、試験上限の対向車なし60km/h、対向車あり50km/hの速度ですら衝突回避できているのは素晴らしいですね。

全ての試験でブレーキが作動できていますが、残念ながら間に合わずダミー君に衝突してしまった試験条件は次の3種類です。
■対歩行者：昼間のラップ率25%試験
(標準条件より衝突直前で横断開始する当たり屋的？な厳しい試験)
　40km/h→3.6km/hで衝突
■対歩行者：夜間[街灯あり]）の歩行速度8km/h試験
（標準条件5km/hより速い走っている人が横断する厳しい条件）
　2回連続の衝突回避できず、3回中1回45km/h→13.4km/hで衝突
　※ただし、3回中2回成功できたので減点なし。より厳しいはずの街灯なし条件では2回連続で衝突回避できているので、たまたま認識が遅れた？
■踏み間違い時加速抑制装置試験
　（停車後、0.9m先の標的へ自動停止か衝突までフルアクセル）
　前進：衝突位置では9.9km/hへ加速→衝突速度1.5km/hまで抑制
　後退：衝突位置では9.3km/hへ加速→衝突速度2.1km/hまで抑制
　※完全停止させないシステムなので衝突は仕方ない。

衝突回避できなかった試験内容を見ると、カメラ視野の問題からか横からの飛び出しに対して歩行者を認識することが遅くなり、悪条件になると衝突回避に間に合わないことがあるのかなと推測されます。踏み間違いで完全停止しないことと併せて機能への過信は禁物ですね。

とはいえ、夜間の街灯がない条件でもしっかりと歩行者を認識して高確率で衝突回避できているので、現時点ではトップクラスの安心できる機能と言えるでしょう。