PIONEER / carrozzeria DMH-SZ700  

2台目です。
1台目は前の車につけたまま譲りましたので買い直した形です。
5万円程度で購入でき、同価格帯では音質が最も良好だと思います。

機能面については他の方の詳しいレビューがありますので、あまり見かけないプリアウトの音質について書きたいと思います。
プリアウトの音質傾向としては、内蔵アンプ同様に中高域の音抜けがよく明るい音調です。楽器の音が非常にそれらしく出ており、ハイエンドでない機種でこれが出来ているのは大変めずらしいことです。
フラットですっきりとしているのですが、一聴して「お、なかなかいいじゃん」と思える魅力があります。きちんと出るべき音が出てる証拠です。
内蔵アンプもディスプレイオーディオとしては大変素晴らしいのですが、外部アンプを接続したほうが、音にツヤが出ますし、音の張り出しがエネルギッシュになります。色彩感も増します。
意地悪なオーディオマニア目線で聴くと中低域が膨らみがちで解像度がやや低くモコモコする傾向があり、ある意味では量感があり聞きやすくもあるのですが、もう少し見通しの良さがほしいところではあります（この価格帯の製品に要求するレベルではないです）。
しかし、一貫して鳴りっぷりがよく楽しく聴ける音作りになっていると思いますし、限られたコストの中でよりよい音楽体験を追求する、開発者の熱意とセンスを感じます。

接続している外部アンプのゲインは固定式で22dBなのですが、ツイーターに耳を近づけると僅かにですがキリキリという高周波ノイズが聞こえます。音楽が鳴っていればわかりません。
GNDループを切っても、バッ直にしても聞こえますので、SZ700由来のノイズです。プリアウトのアイソレーションが良くないのでしょうが、コスト的には仕方ないと思います。
プリアウトにバッファー回路を内蔵している同時期のサイバーナビに比べると、SNはそれほど良くないようです。
ただし、SZ700/SF700は4V出力なので、ゲインの低いアンプに繋いで使うと問題ないかもしれません。

あと、これだけは惜しいなあと思うのは、ファンの音が大きいことです。ブーンという回転音が薄い鉄板の筐体に響いてアイドリングしていても少し聞こえてきます。シャーシに鉛テープを貼って防振したところ、静かになりました。音についてもフォーカス感が上がり、良好な方向に変化しました。

内蔵アンプで使うにせよ、外部アンプを繋いで使うにせよ、この価格帯では素晴らしい音質です。
音質で選ぶなら間違いのない選択肢です。