高校野球 慶応 107年ぶり優勝 仙台育英 連覇ならず
2023年8月23日 17時45分
夏の全国高校野球は23日、決勝が行われ、神奈川の慶応高校が連覇を目指した宮城の仙台育英高校に8対2で勝って優勝しました。慶応は大正時代の第2回大会以来、107年ぶり2回目の優勝です。
記事後半では試合の詳しい経過もお伝えしています。
ーーーー 123 456 789 計HE
慶 応 210 050 000 8134
仙台育英 011 000 000 272.
目次
《試合概要》
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《両チーム談話》
《試合概要》
慶応は1回、1番・丸田湊斗選手が先頭打者ホームランを打って、さらに6番・渡邉千之亮選手が野手の間に落ちるタイムリーヒットを打って2点を先制しました。
慶応は2回にも1アウト二塁から、1番・丸田選手がタイムリーヒットを打って追加点をあげました。
追う仙台育英はそのウラ、連続ヒットで二塁三塁のチャンスを作り、内野ゴロの間に1点を返すと、3回には相手のバッテリーミスで1点差に迫りました。
慶応は5回、仙台育英の2人目、高橋煌稀投手を攻め、この回、ヒット4本、打者9人の攻撃で一挙5点を奪ってリードを広げました。
投げては5回からリリーフした2年生エースの小宅雅己(おやけ・まさき)投手が強打の仙台育英打線に対して5イニングを無失点に抑え、慶応は8対2で勝って優勝しました。
慶応は、東京に学校があった、慶応普通部として出場した大正時代の1916年の第2回大会以来、107年ぶり2回目の優勝です。
仙台育英は東北勢として初優勝した去年に続く、史上7校目の連覇を目指しましたが、力のある投手陣が慶応打線に序盤から捉えられ、試合の主導権を握れませんでした。
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《両チーム談話》
慶応 森林貴彦監督「高校野球の新しい姿につながるような勝利」
慶応の森林貴彦監督は107年ぶり2回目の優勝を果たし「仙台育英や観客の皆さんのおかげで実力プラスアルファの力が出せたと思う。球場での応援やテレビやネットの向こうからの応援や支えで、きょうの試合や結果がある。本当にありがとうございます」と涙ぐみながら振り返りました。そして「自分たちが優勝することで高校野球の新たな可能性や多様性を示せればと思っていた。常識を覆すという目的に向けて頑張ってきたので、われわれの優勝で何か新しいものが生まれてくるのであれば、うれしく思うし、高校野球の新しい姿につながるような勝利だったと思う」と話しました。
慶応 大村昊澄主将「辛い思いが全部報われた」
試合後、慶応のキャプテン、大村昊澄(おおむら・そらと)選手は優勝した瞬間の気持ちについて「日本一とか高校野球の常識を変えたいとか大きなことを言ってきて、笑われることや、いろいろ言われることもあった。辛い思いが全部報われた」と振り返りました。春のセンバツ高校野球で延長の末、敗れた仙台育英については「春に負けてからずっと仙台育英を倒そうと練習してきた。漫画に描いたかのようなシナリオで、絶対優勝してやろうと思った。応援してくださった全ての人のおかげでの優勝だと思っている」と話しました。そのうえで「自分たちのプレーや試合を見て、少しでも野球っていいな、野球って楽しいなと思ってくれたら自分たちの望みは叶う」と話していました。
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《慶応 最長ブランクの優勝に》
105回の歴史を数える夏の全国高校野球で、慶応の107年ぶりとなる優勝は前回の優勝から最も間隔が空いた優勝となりました。
同じチームによる複数回の優勝のうち、これまでで最も間隔が空いたのは、1962年の44回大会を制し、2016年の98回大会で2回目の頂点に立った栃木の作新学院の54年ぶりでした。1962年は史上初めての春夏連覇、2016年は現在、プロ野球・西武で活躍する今井達也投手がエースとして優勝投手となりました。
▽2015年の東海大相模(神奈川)は45年ぶり
▽2009年の中京大中京(愛知)は43年ぶりの優勝でした。
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《慶応高校野球部の歴史》
慶応高校の野球部は明治時代の1888年に「三田(みた)ベースボール倶楽部」として創部し、これまで夏は19回、センバツは10回出場している伝統校です。
創部当初は東京に学校があり、慶応普通部として出場した大正時代の1916年に夏の全国高校野球の前身、全国中学野球で初出場、初優勝を果たしました。その4年後の1920年にも準優勝するなど大会の創生期に躍進し、戦後、学校が神奈川に移り、1950年から神奈川県高校野球連盟に加盟しました。
1962年の夏を最後に甲子園出場から長く遠ざかりましたが、2005年のセンバツに出場を果たし2勝をあげたほか、2008年の夏は88年ぶりに準々決勝に進みました。2015年に森林貴彦監督が就任してからは、2018年とことし、いずれも春夏連続で出場しました。
この夏はここぞの場面の集中打が目立ち
▽2回戦で北陸(福井)に9対4
▽3回戦で広陵(広島)に6対3
▽準々決勝で沖縄尚学(沖縄)に7対2
▽準決勝で土浦日大高(茨城)に2対0で勝って、甲子園球場で行われた高校野球の全国大会としては初めて決勝に進んでいました。
野球界だけでなく、政治や経済などの各界でOBが活躍していて、アルプス席では3000人以上の応援団が伝統の応援歌「若き血」を歌うなどして選手たちを後押ししてきました。
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Posted at
2023/08/23 17:55:47